「EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム」に所属する門田祐輔選手の日々をお届けする「Du peloton européen」(ヨーロッパのプロトンから)。

今回はきっと多くのサイクリストが苦手とするであろう「雨」がテーマ。練習のとき、レースのとき……門田選手が気を付けているポイントをご紹介します。そして次のレースはいよいよ日本です……!

久しぶりのDAYSの更新です。今回は日本の梅雨入りにあわせて雨での練習やレースについて、僕が気にしていることや行っていることを書いてみたいと思います。

今年は雨のレースも少なくなく、先月のベルギー滞在の際も雨での練習が多かったです。ジャージが濡れたり、自転車が汚れたり…レースになると落車のリスクが増えたりもするので、大抵のサイクリストは雨が嫌いなのではないでしょうか。

まず雨の日の練習について。僕は北フランスのチームに所属していたりノルマンディーに住んでいたこともあるので、雨自体は苦ではありません。

とはいえ1日のうち5~6時間も雨の中を走ると、特に冬は寒さのため体調不良になるリスクが高まります。そうならないためには普段よりも厚着をすること、インナーウエアを厚手のものに変える、ジャージを1枚プラスして着るなどで対処。泥除けも必須です。特にお尻から濡れはじめるとパッドに水分がしみ込んで、股擦れクリームの効果が薄れて股擦れが起きやすくなります。

あとはシューズカバーとキャップです。個人的には爪先が濡れると、寒さ以上に不快感を覚えてしまいます。昔は雨や寒さ対策のためにシューズを丸ごと覆い雨もしのげるシューズカバーを使ったりもしました。キャップはサングラスの内側が濡れるのを防いでくれるのと、前走車の水はねを防いでくれるので雨の日はなるべくかぶるようにしています。

雨の日のレースは、降雨量にもよりますが少し厚着で走るようにしています。暑ければ脱げば良いだけですから。あとはグリップを高めるために空気圧をやや低く設定しています。アイウェアは少しでも視界を確保するためにクリアレンズを使い、キャップもかぶるようにしています。あとは前述した通り、泥除け。レースの場合はサドルの後ろにつける軽いものを選んでいます。

さらにボトルの中身は、暖かくて蜂蜜多めの甘い紅茶を入れるようにしています。寒いと自分が思っている以上に体力を消費しますし、補給もつい後回しになってしまいがち。その結果ハンガーノックに陥る可能性が大きくなってしまいます。
またジャージを重ね着するときは、どのポケットに何を入れたかをしっかり把握しておくようにしています。レース中に急いで脱いだ際に補給食を落としてしまうことがあるからです。

今は色々なレインウェアがありますが、僕は普通のレインジャケットを着用しています。長袖で少しワイドに作られているためエアロ性能は他のジャージに比べて劣りますが、軽くて雨をしっかり防いでくれるので体が冷えることはありません。

以前防水性の高いジャージを使っていたこともありましたが、かなり蒸れるのと水分を吸ってジャージそのものがかなり重くなってしまうので、レースにはあまり向いていない気がします。もちろん少量の雨であれば大丈夫ですが。

雨対策は降雨量やその土地の気温によっても変わってくるので「これをやっておけば正解!」はなかなか難しいですが、何かしらの参考になれば幸いです。

実はすでに日本に帰国しており、6月22日(木)~6月25日(日)の全日本自転車競技選手権大会に参戦します! 今年は静岡県の日本サイクルスポーツセンターで開催されるので、お時間ある方はぜひ現地での応援よろしくおねがいします…!

(門田)

ツール・ド・ブルターニュの3日目は雨。まさに本文で説明した通りのチョイスです。雨の日はスマホを出すのも億劫になるので写真がほとんどありません(笑)。
昨年出場したTOJの3日目も雨でした。プロトンの中にいると前走者の水しぶきもすごいです。(photo KENSAKU SAKAI(FABtroni+camera))

これまでの連載はこちらから。
Vol.01)(Vol.02)(Vol.03)(Vol.04)(Vol.05)(Vol.06)(Vol.07)(Vol.08)(Vol.09)(Vol.10)(Vol.11)(Vol.12)(Vol.13)(Vol.14)(Vol.15)(Vol.16)(Vol.17)(Vol.18)(Vol.19)(Vol.20)(Vol.21)(Vol.22