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主要車種の試乗を通してメリダの今を考える
隠された黄金比

機材や自転車界隈のあれこれについて語り合う「La route Talk」。第7回のテーマは「メリダ」。正式デビュー前のグラベルロード、サイレックスがグラベル世界選手権で優勝するなど話題にはなっているが、スペシャやトレックやピナレロのような確立されたイメージがなく、どことなく存在感が薄い気がする。一体なぜだろう? 伊豆のメリダXベースで開催されたメディア向け試乗会、メリダ・プレスミーティングに参加した安井と栗山が、リアクト、スクルトゥーラ、スクルトゥーラ エンデュランス、サイレックスに試乗し、メリダの意味と価値を語り合った。

2024.05.20

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EQUAL 多調整型 ROAD PEDAL試乗記・開発者インタビュー
売れないものを作るということ

周辺パーツだけでなく、ブレーキキャリパーやホイールなど、徐々に自転車の中枢を成すパーツに進出しつつあるグロータック。今度はロード用ペダルである。以前公開した記事「ペダルの設計意図を読み解く(前編)」において、「ペダルは軽くて安くないと売れない」と分析していたグロータック代表の木村将行さんだが、このペダルは多調整式。既存メーカーのシンプルなペダルに比べれば「重くて高い」ものになりやすい。要するに売れそうにない。しかし、木村さんはそうと分かって開発を進めたという。一体なぜ? 試乗記に加え、ちょっと不思議な開発譚をお届けする。

2024.05.13

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VITTORIA RIDEARMOR
履く鎧はかくも頼もしき

La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第26回はヴィットリアのライドアーマーを取り上げる。その名の通り「鎧のようにタフ」という触れ込みで今年3月にデビュー。耐久性と耐パンク性能の高さ、ライフの長さが特徴というライドアーマーだが、果たして28Cで375gという重さは走りにどう影響するのか。高山が舗装の粗い幹線道路、ヒルクライム、雨中のライドとあらゆる条件でテストし、“履く鎧”の実力を検証する。

2024.05.08


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BRIDGESTONE EXTENZA試乗記・開発者インタビュー
8年の空白と、日本ブランドの矜持

2011年、世界有数のタイヤメーカー「ブリヂストン」の名を冠したロード用タイヤ、エクステンザを発表し話題をさらったブリヂストンサイクル。モデルチェンジを経る毎に完成度を高め、愛用者も増えていたが、2015年を最後に動きが途絶えていた。業界人には「BSは自転車用タイヤをやめたんだろう」と思われ、一般ユーザーにはその存在を忘れられ始めた2023年、突如としてエクステンザが復活する。なぜ今になって? 1万円を優に超える価格の理由は? 開発陣へのインタビューを踏まえ、第4世代エクステンザの存在意義に迫る。

2024.05.06


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LOOK 795 BLADE 2 RS試乗記
フレンチ・オーソリティの行く末

ルックがフラッグシップモデルである795ブレード2 RSを発表した。カーボンフレームのオーソリティのトップの世代交代。間違いなくビッグニュースである。トップチーム、コフィディスへの供給も再開し、2023年のツール・ド・フランスではステージ2勝を挙げ、久々にレースの世界でも輝きを見せている。しかし、グローバルメーカーが躍進を続ける今、フランスのルックにかつてのような存在感は宿っていない。自転車ジャーナリストの吉本 司と安井行生が、795ブレード2 RSの試乗を通して、名門ルックの今と未来を語りつくす。

2024.04.29


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西薗良太のアタマの中(Vol.03)
ペダリングの1回転目と
2回転目の違いとは?

サイクリストの当たり前、常識、思い込みが覆る!? 東大卒の元プロロードレーサー西薗良太が、競技者としての経験と研究者としての知識で「自転車の当たり前」に迫るコラム、その名も「西薗良太のアタマの中」。第3回のテーマは再びペダリングについて。どうやら、ペダルを最初に踏み込む1回転目と2回転目以降では、同じ脚の回転運動でも使っている脳の部分が違うのだという。果たしてそれはどんな理屈なのか。これを理解すれば、私たちの自転車の乗り方が変わるかも?

2024.04.22

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サイト閉鎖と購読に関するご案内

すでにお伝えしている通り、La routeは5月27日(月)公開の記事をもって更新を終了しましたが、ウェブサイトに関しましては11月29日(金)をもって閉鎖する運びとなりました。読者ならびに関係者の皆さま、4年という短い間でしたが、本当にありがとうございました。

2024.10.22

お知らせ

いつもLa routeをご覧いただき、誠にありがとうございます。先日もお伝えしました通り、La routeは5月27日(月)公開の記事をもって更新を終了しました。サイトそのものは2024年11月末まで残す予定でおりますが、サイト閉鎖となる11月末の時点でサブスクリプションが残っている方に関しては、こちらで解除手続きを行わせていただきますので、何卒ご理解のほどよろしくおねがいいたします。

2024.06.03

コアメンバーの鼎談

4月某日、La routeの立ち上げメンバーである安井と栗山、2022年からスタッフとして加入した高山の3人が、久しぶりに編集部で顔を揃えました。La routeが最後にお届けするコンテンツの準備のためです。

2024.05.22

タマグラ with NB

「たまにはカフェライドでもいきません?」先日そんなお誘いをNBさんこと田辺信彦さんからいただきました。田辺さんといえばシクロクロス世界戦の撮影をライフワークとし、自転車に限らず様々な媒体で活躍しているフォトグラファーで、以前、高山も出演させてもらったポッドキャスト「INNER FRAMES」を主宰するほか、ビデオグラファーやDJとしても活動中。もちろんLa routeでも数多くの撮影を担当してくれました。La routeオフィスで写真展も開催したので記憶に残っている方も多いことでしょう。

2024.05.15

新潟カレーライド

快晴に恵まれた今年のゴールデンウィークですが、高山は親戚がいる新潟県に行ってきました。もちろんバイク(アディクト)持参です。 新潟というと、ヨネックスの工場見学やランウェルの取材のためにLa routeでも赴いている地。あのときは雪がところどころに残る燕三条や山古志周辺をライドして、とても気持ちよかった記憶があります。 今回は親戚へのご挨拶にかこつけて、一日をライドにあてることにしました。親戚宅がある新潟県北東部の五泉市を出発し、日本海沿いにある県庁所在地の新潟市街へ。さらに新潟空港を見学して阿賀野川沿いを五泉市へ戻るという約90kmのコースを組みました。

2024.05.10

FR&VR、ついにデビュー

2月上旬に開催されたライトウェイプロダクツジャパンの展示会に行ってきました。今回の目玉はやはり、2023年のユーロバイクで発表されたフェルトの新型FRとVRです。本日ようやくスペックと価格の情報が公開されたので、実車写真とあわせてお届けします。

2024.05.01

La routeの今後について

いつもLa routeをご覧いただき、誠にありがとうございます。

2024.04.26

独自のギミック

ちょっと前の話になりますが、メリダジャパンにお声がけいただき、「メリダプレスミーティング」にラルートチームで参加してきました。場所は伊豆にあるメリダのXベースです。

2024.04.24

久しぶりの裏ヤビツ

年明け早々に帰省ついでのライドをしましたが、そもそも寒さが苦手な僕は通勤や街乗りを除いてあまり自転車に乗らない日々が続いていました。だいぶあったかくなってきたし、腰痛に悩まされていた高山もだいぶ回復してきたし、なによりマイフェイバリットの裏ヤビツ1も開通したということで、サクッと走りに行くことに。

2024.04.17

未だ見ぬサイクリストを掘り起こせ

春らしい気候となった3月27日(水)、いつもとは少し毛色の違う自転車のイベントに行ってきました。主役はスペシャライズドのeバイク「Turbo Vado SL(ターボ ヴァド SL、以下ヴァド)」。日本に投入されたのは2020年なので全くのニューモデルというわけではないのですが、このたび「UPGRADE YOURSELF」と銘打って、バドのメディア向け試乗会&トークイベントがスペシャライズド新宿で開催されたのです。

2024.04.10

本の持つ力

過日、神保町にある出版社「未知谷」に足を運んできました。未知谷は1990年に設立された世界文学や思想書などがメインの出版社なんですが、代表の飯島 徹さんの自転車好きが嵩じて、これまで数々の自転車関連書籍も出版されています。今回の目的は、そんな飯島さんへのインタビュー。

2024.04.05

腰痛とロードバイク

シクロクロス世界選手権が行われたチェコから帰国して1週間後の日曜日。朝、軽めのサイクリングをして帰宅すると、何となく腰に違和感が。 時間とともに違和感は痛みへと変わり、気が付くと床から立ち上がることもままならなくなりました。座ろうとしたり、立とうとしたり、寝ようとしたり、寝がえりを打とうとしたり、とにかく何かしら動きを伴うときに腰に激痛が走ります。極めつけはコンビニでの買い物中。売り場の通路で人とすれ違おうとしたときに少し体重を右に寄せたらピキンッと来て、その場で立ち尽くしてしまったこと……(泣)。

2024.03.29

スカルマロイ(!)の3Dプリンタバイク

ピナレロがイタリアのトラックサイクリングチームのために、「BOLIDE F HR(ボリデ F HR)」の2つのニューバージョンを発表したとのニュースが。目指すはもちろん、パリ五輪での勝利です。

2024.03.26

BOTY2024の栄冠はあのバイクに…!

BOTYこと日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2024の概要と5ベストのノミネートについては昨日お伝えした通りですが、本日早速、「大賞」、「ベストコンペティティブロード賞」、「ベストパフォーマンスロード賞」が発表されました。昨年までは大賞のみでしたが、今年からフリーランスの自転車ジャーナリストが運営母体になったことに加え、「ベストコンペティティブロード賞」、「ベストパフォーマンスロード賞」という新たな賞が新設されたのもBOTY2024の特徴のひとつです。

2024.03.19

日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2024の5ベスト発表

自転車メディア『バイシクルクラブ』が主体となって開催し、La routeでも記事をお届けしてきた日本バイシクル・オブ・ザ・イヤーですが、7回目となる今回からは本アワードの更なる発展と、フリーランスジャーナリストの今後の活動の広がりを目的に、自転車ジャーナリストによって組織された実行委員会によって企画・運営が行われることになりました。

2024.03.18

縁の下の力持ち

栗山のDAYSは自転車いじりネタが増えつつありますが、今日も続きます。今回のお題はR9100の「プーリー」。ヴェンジの前オーナーである辻さんがいつ交換したのかが定かではないんですが、少なくとも僕がオーナーになってからは一度も交換していません。僕がヴェンジを手に入れてからの走行ログを見ると5,000km。今のところこれといって不具合があるわけではありませんが、リセットもかねて代えることにしました。

2024.03.13

生まれ変わったキング

さる3月1日、パナレーサーのグラベル用タイヤ「グラベルキング」が誕生から10年の時を経て全面リニューアルされました。La routeでグラキンの開発譚をお届けしたのは2年前の夏。この時のインタビューでも、開発担当者がモデルチェンジを匂わせていたので……ついに来たかという印象です。

2024.03.06

それはまるでミルフィーユのよう

1ヵ月ほど前にヴィットリアから決戦用タイヤ、コルサ プロ スピードが発売されたばかりですが、今度はトレーニングや通勤・通学向けの新作タイヤ「ライドアーマー」が登場。リリースによれば「ヴィットリア史上最高の耐久性と耐パンク性を誇るエンデュランス・アーバン・ロードタイヤ」とのこと。なんてったって「Armor」(鎧の意味)ですからね。ネーミングからも自信のほどがうかがえます。

2024.03.01

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スポーツ自転車ショップの
これからを考える
(前編)

海外通販の普及、コンセプトストアの台頭、コロナ禍といった社会情勢、そしてユーザーの趣味趣向が目まぐるしく移り変わりつつあるなかで、スポーツ自転車ショップも変化を求められている。そこで今回は、「なるしまフレンド」「サイクルキューブ」「スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ」「フォーチュンバイク」という方向性の異なる4ショップの代表に集まっていただき座談会を実施。自転車業界の現状を見つめ直すとともに、スポーツ自転車ショップのこれからについて語り合った。

2021.01.11

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Tomii Cycles/冨井 直インタビュー
フレームに宿る“美”と“楽”

テキサス州の州都、オースティン。ライブミュージックの街としても知られるこの地に、「Tomii Cycles」というブランドを立ち上げた日本人フレームビルダー冨井 直がいる。現代アーティストを目指して1998年に渡米した彼は、なぜ2011年に自身のフレームブランドを立ち上げることになったのか。自転車との邂逅、彼の地でのKualis cycles西川喜行さんとの出会い、そしてフレームづくりへのこだわり――。かねてから親交のあるフォトグラファー田辺信彦が現地でインタビューを行い、冨井 直の素顔に迫る。

2022.05.09

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La route自転車研究所 其の八
最新ロードバイクの空力設計(基礎編)

2011年のスコット・フォイルを始祖とする近代エアロロードは、目を見張るほどのスピードで進化を続けている。しかし、その技術の核である「空気抵抗」について、正しく理解している人は少ないだろう。空気抵抗に対する理解を深めれば、もっと自転車が楽しくなるはずなのに―― そんな想いを胸にLa routeは昨年春にオープンした風洞実験施設「富士エアロパフォーマンスセンター」を訪れ、日本風洞製作所代表のローン・ジョシュアさんに技術インタビューを実施。さらに、マドンSLR、ターマックSL8、オルトレRCという最新鋭ロードバイクの風洞実験も行い、スモーク装置によって空気の流れを可視化、3台の空力設計を丸裸にした。その濃い内容を3回に分けてお届けする。まずは「空気抵抗の基礎」から。

2024.03.04

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CX日本ナショナルチーム監督 竹之内 悠インタビュー
いま、代表を率いることの意味

全日本選手権が終わり、目前に迫ったUCIシクロクロス世界選手権。今年は男子エリートの沢田 時を筆頭に各カテゴリから計7名の日本代表が選出された。彼らを率いるのは、昨年秋にナショナルチーム監督に就任した竹之内 悠。若くして本場ベルギーで活躍し、全日本選手権5連覇をはじめ、国内外のシクロクロスで輝かしい戦績を上げてきたのはご存じの通り。また2019年からは母校の立命館大学で自転車競技部の監督を務めており、ナショナルチームの監督としてまさに適任と言える。今回はそんな竹之内“監督”にインタビューし、世界選手権への展望はもちろん、選手と指導者という2つの立場から日本のシクロクロス界が抱える課題や可能性、希望について聞いた。

2024.01.29

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留目夕陽選手インタビュー
自らの可能性を問う2年間

EFエデュケーション・NIPPOディベロップメントチームでの1年半の活動を経て、来季からEFエデュケーション・イージーポストへの昇格が決まった留目夕陽選手。ここ2年、ワールドチームで走る日本人は新城幸也選手のみという状況だっただけに、ロードレースファンが留目選手にかける期待はいやが上にも高まるばかりだ。La routeでは昇格発表直後のそんな留目選手にインタビューを敢行。彼の口から出てきたのは「グランツールに出たい」「ステージ優勝したい」といった威勢のいい発言ではなく、むしろ今をしっかりと見つめる冷静沈着な言葉の数々だった。果たして世界への切符を手にした、21歳のリアルとは――。

2023.12.11

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SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL8試乗記
モーガンヒルからの伝言

優秀な動力伝達性に加えて空力性能も身に付け、あの名車の誉れ高いヴェンジを廃版にしてしまうほどの万能バイクになったターマックSL7。それがまだ一級の性能を維持しているにもかかわらず、2023年、スペシャライズドはターマックをSL8へと代替わりさせた。レーシングバイクとして高い完成度を誇っていたSL7を、どう進化させたのか。群馬県の嬬恋で行われたプレスローンチに参加した安井が、Sワークスに乗り、プレゼンを聞き、現代ロード界の最重要モデルであるターマックについて考え、評価を下す。SL8に埋め込まれた開発陣からのメッセージとは?

2023.08.14

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小俣雄風太のTDF現地取材レポート
Le Tour Ensemble 2023

世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」。2023年も選手、機材メーカー、メディア、観客、そしてオーガナイザーまでをも飲み込みながらプロトンは突き進み、そして数々の物語を生み出した。La routeでは昨年好評だった、ジャーナリスト小俣雄風太のツール現地取材日記「Le Tour Ensemble」を1か月に渡ってお届けする。中継には写らない現地の空気感を、世界最高峰のレース取材の裏側を、そして小俣雄風太が見て、聞いて、感じたツール・ド・フランスをぜひご覧いただきたい。

2023.08.02

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のむラボ訪問記
通過点、あるいは最終目的地

機材好き界隈ではこれほど有名なのに、メディアでの露出が一切ないショップがある。手組みホイールで有名な大阪の「のむラボ」だ。ブログでの毒舌が独り歩きしている感もあるが、店主の野村泰文さんとはどういう人なのか。そして、彼が作るホイールはぶっちゃけどうなのか。安井がのむラボを訪ね、話を聞き、のむラボホイールをオーダーし、乗ってみた。(おそらく)自転車メディア初の、のむラボ訪問記&のむラボホイール試乗記。

2021.11.01

technology

YONEX CARBONEX SLD 開発譚(前編)
数値化できない性能を求めて

2022年の末、日本のスポーツ用品メーカーであるヨネックスが、新型のカーボンフレーム「カーボネックスSLD」を発表した。コンセプトは次世代の軽量ディスクロード。540gというフレーム重量にも度肝を抜かれたが、走りも驚くべきものだった。箱根の登坂をXSサイズのカーボネックスSLDと共にした安井は、「完成の域に達したリムブレーキ車に近い性能と乗り味」と評した。なぜカーボネックスSLDはここまで軽くなり、こんな走りをするのか。ヨネックスの新潟工場に赴き、カーボネックスSLDが生まれた背景に迫る。前編では、技術開発第一部の古山少太さん、川上清高さん、綾野陽仁さんの3名に開発秘話を聞いた。

2023.06.12

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自転車のプリミティブに触れたパリ〜ブレスト〜パリの3日間
1,200kmの向こう側にあるもの

ツール・ド・フランスよりもさらに昔、1891年に長距離ロードレースとしてはじまった「パリ~ブレスト~パリ」は、いまや世界最高峰のブルベとして世界中のサイクリストを魅了しており、今年度は7,000人弱ものサイクリストがスタート地点のパリに集った。2019年大会ではサポートクルーの一員としてPBPに帯同したというジャーナリストの小俣雄風太が、2023年大会はクルマで移動しながら現地取材を敢行。ジャーナリストとして、そしていちサイクリストとして見たPBPの現地の様子を綴る。

2023.09.25

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ピーター・デンク氏インタビュー
鬼才が語る、フレーム設計の新事実

ディスクロードにしてフレーム重量600gを下回るという、にわかには信じがたい軽さを誇るエートス。そしてグラベルロードながら軽量ロードバイクフレーム並みの重量を実現したクラックス。それらを開発したのは、スコットのアディクトやキャノンデールのスーパーシックエボなど数々の名車を手掛けてきた、自転車界の鬼才と呼ばれるエンジニア、ピーター・デンク。La routeは、エートスが発表された1年以上も前から「デンクに話を聞きたい」と言い続け、ついに氏へのインタビューが実現した。エートスはなぜここまで軽くなったのか。なぜ従来のセオリーとは異なる形状になったのか。デンク氏から得られた回答のほぼ全てを、ここにお伝えする。

2022.02.21

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メカニック小畑の言いたい放題(Vol.7)
高価格化と整備性と納期問題を考える

スポーツバイクの高価格化が叫ばれる昨今。一昔前は100万円を超えるモデルが珍しかったが、今や105完成車でもその価格に達する時代だ。さらに、「納期未定・売るものがない」問題、「ケーブル内蔵による整備性・ポジション自由度低下」問題が折り重なり、ロードバイク界は混乱の最中にある。なるしまフレンドのメカニック小畑 郁が、編集長の安井行生とともに自転車業界のあれこれを本音で語る連載「メカニック小畑の言いたい放題」のVol.7は、そんな現代ロードバイク問題の渦中にいる小畑さんに、現状と解決策を聞く。

2023.03.27

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ビルダー4名が語る、
金属フレームのこれから(前編)

年齢も性格もビジネスの形態も使う素材も考え方も違う。しかし日本のオーダーフレーム界を背負って立つという点では同じ。そんな4人のフレームビルダーが、各々のフレームを持ってLa routeの編集部に集まってくれた。金属フレームの可能性について、オーダーフレームの意味について、業界の未来について、モノづくりについて、忌憚なく語り合うために。その会話の全記録。

2020.04.24

technology

La route自転車研究所 其の四
自転車用タイヤのイロハ(前編)

自転車にまつわる様々な物事を深掘りする連載「La route自転車研究所」。第四回のテーマは「タイヤ」だ。加速、旋回、制動、自転車の全ての運動を司るタイヤ。チューブレス化とワイド化が急激に進み、激動の真っただ中にあるタイヤ。「なぜ自転車は曲がるのか」「グリップ“感”とは何か」「転がり抵抗とは」「ロードインフォメーションとは」―― そんな素朴な疑問に今、改めて真正面からぶつかってみる。取材先は、アジリストとグラベルキングで話題沸騰のパナレーサー。兵庫県丹波市にある本社に訪問し、技術部技術開発グループ久利隆治さん、佐藤優人さん、マーケティンググループ高橋 諭さん、三上勇輝さんの4名に4時間にわたってお話を伺った。

2022.06.13

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変わりゆくプロトン、変わらない別府史之

別府史之、38歳。職業、ロードレーサー。日本人初となるツール・ド・フランス完走者のひとりであり、高校卒業後から現在に至るまで、数えきれないほどの功績を日本ロードレース界にもたらしてきた人物だ。今回のインタビューは、フランスに拠を構えている別府が帰国するという話を聞きつけ急遽実施。インタビュアーは、別府史之を古くから知る小俣雄風太が務める。

2021.06.21

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La route自転車研究所 其の二
コンポメーカー各社の設計思想(前編)

自転車にまつわる様々な物事を深掘りする連載「La route自転車研究所」。第二回のテーマは「コンポメーカーの設計思想」。グロータックの木村将行さんと杉山健司さんに協力していただき、カンパニョーロ、シマノ、スラムという3社の機械式シフトレバーの設計を徹底分析。なぜカンパだけ多段シフトが可能なのか。シマノが目指す理想の変速機とは。スラムはなぜここまで軽くできたのか――。性能や使い心地、スペックの違いの理由を探る。

2021.03.22

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GIANT PROPEL ADVANCED PRO 0試乗記
巨人の挑戦とその結末

トレック・マドン、サーヴェロ・S5、スコット・フォイル、ビアンキのオルトレRC……主要メーカーがエアロロードを刷新した2022年、本命と目されているのがジャイアントの新型プロペルである。今作で3代目となる世界最大のスポーツバイクメーカーのエアロロードは、いかなる出来なのか。ポジションの関係でトップモデルのアドバンスドSLには試乗できなかったが、弟分であるアドバンスドプロに乗り、安井行生がジャイアントの開発姿勢を考えた。La route初のジャイアント試乗記ということで、大いに期待していたのだが……。

2022.12.05

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La routeに
新型アルテがやってきた
(前編)

R9200系デュラエースと同時に発表されたR8100系アルテグラ。デュラの衝撃に隠れてしまった感もあったが、セミワイヤレス化、12速化、ローターの音鳴り解消など、デュラエース同様の進化を遂げた。シマノから新型アルテグラ一式をお借りしたLa routeは、なるしまフレンドの小畑 郁メカニックに組付けをお願いし、小畑×安井の対談で整備性、使用感、性能、その存在意義まで、多角的に新型アルテグラを検分する。デュラ同様に大幅な値上げをしたアルテグラに、その価値はあるのか。

2022.01.10

touring

“激坂さん”の日本縦断ブルべ参戦記(Vol.2)
暴風雨とハイビスカスと友人の激励

日本最南端の佐多岬から、最北端の宗谷岬まで。総距離2,700km、獲得標高約23,000mを一気に走り切る日本縦断ブルべ。それに人生をかけて挑戦した一人の男がいた。とあるイベントでパールイズミの激坂ジャージを着ていたがために“激坂さん”と呼ばれることになった、一人息子と妻と自転車と山を愛するその男は、なぜこのウルトラブルべを走ろうと思ったのか。国内最速でも、ギネス挑戦でもない、普通の自転車乗りによる日本縦断ブルべ参戦記。数々のトラブルに見舞われながら、なんとか準備を終えた激坂さん。vol.2では、出走前日から兵庫までの記録を綴る。トラブルの神様はまだ激坂さんに憑いているようで……。

2022.08.02

interview

ANCHOR RP9開発憚
背景にある愛情と狂気

コロナの影響でなかなか実現しなかったアンカー・RP9開発者インタビューが、やっと叶った。日本のメーカーだから、近くて簡単に取材できるから、なんていう消極的な理由ではない。RP9を見て、乗って、考えた結果、これはなにがなんでも開発者に話を聞かねば、と強く思ったのだ。あの走りは意図されたものなのか。もしそうなら、どうやって実現したのか。ブリヂストンサイクル上尾工場内のカーボンラボにて、RP9の秘密に触れた。

2021.11.22

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北米3大自転車ブランド座談会(前編)
ニッポンのグラベルロードの未来

日本のサイクリングシーンで「グラベル」という言葉を耳にしない日はなくなった。しかし、バイクの種類も増え、各メディアでその楽しみ方が紹介されるようになってなお、掴みどころのない幅広さを感じるのも事実である。そこで今回は、グラベルカルチャー発祥の北米を代表する3大自転車ブランド、キャノンデール、スペシャライズド、トレックのマーケッターに集まって頂き、グラベルの世界的な動向や日本市場の今を語ってもらった。ファシリテーションは、La routeでもおなじみの小俣雄風太が務める。世にも珍しい同業他社による、あけすけなグラベルトークを前編・後編に分けてお届けする。

2022.05.30

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ANCHOR・RP9試乗記
そこに“なにか”はあるか

やっと出てきた。アンカー初のエアロロード、そしてアンカー初のハイエンドディスクロードでもあるRP9。さらに、デュラエース完成車約120万円、フレーム価格約50万円という高価格帯への参入。アンカーにとって初めて尽くしの意欲作でもある。ライバルメーカーに対する遅れを取り戻せるか。競合ひしめくハイエンド市場で存在感を示せるか。オリンピックの興奮冷めやらぬ2021年9月の東京で、安井がRP9に乗り、真面目に考えた。

2021.09.27

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異端か、正統か
(SPECIALIZED AETHOS 評論/前編)

スペシャライズドは、2020年7月に新型ターマックを発表、同時に販売もスタートさせた。そのわずか3カ月後、ディスクロードにしてフレーム重量600gを下回る超軽量バイク、エートスがデビュー。この時代に空力は完全無視、ダウンチューブにロゴはなく、レースでも使われることはない。スペシャライズドは今、何を考えているのか。なにもかもが異例づくしのエートスを、編集長の安井が考察する。

2020.10.26

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不愛想・・・な自転車たち(Vol.01)

「スペック」や「速さ」が重視されるスポーツ自転車において、「ゆるさ」という何の数値化もできない性能で瞬く間に世を席巻した、1998年創業の自転車メーカー「SURLY」。2006年から幾度となく彼らの本拠地ミネソタに足を運んだ自転車ライター山本修二が、今までほとんど語られることのなかったSURLYのすべてをお伝えする。連載第一回目は、SURLYとの出会いと彼らがもつ魅力について。

2020.07.06

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アラヤ・マディフォックス物語(vol.01)
銀輪が生んだ和製マウンテンバイク

1982年にデビューした日本初の量産マウンテンバイク、アラヤ・マディフォックス。それはいかにして生まれ、どのように進化したのか。それはなぜ歴史的な一台となり、そしてなぜ(一度は)姿を消したのか。40年近くアラヤに在籍し、マディフォックスの誕生から現在までを知り尽くした男、内藤常美によるマディフォックス物語。日本のマウンテンバイク黎明期の知られざるストーリーを連載でお届けする。Vol.1は、初代マディフォックスの開発~発売までのエピソード。

2021.05.31

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自転車メディアは死んだのか(前編)

『サイクルスポーツ』と『バイシクルクラブ』という、日本を代表する自転車雑誌2誌の編集長経験がある岩田淳雄さん(現バイシクルクラブ編集長)と、La routeメンバー3人による座談会。雑誌とは、メディアの役割とは、ジャーナリズムとは――。違った立ち位置にいる4名が、それぞれの視点で自転車メディアについて語る。

2020.06.29

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夢の続きを

2021年1月23日。女子プロロードレーサー、萩原麻由子のSNS上で突如として発表された引退の二文字。ジャパンカップで9連覇中の沖 美穂を阻んでの優勝、カタール・ドーハで開催されたアジア自転車競技選手権大会での日本人女子初優勝、ジロ・ローザでの日本人女子初のステージ優勝――。これまで数々の栄冠を手にしてきた萩原は、何を思い、引退を決意したのか。栄光と挫折。挑戦と苦悩。萩原麻由子の素顔に迫る。

2021.02.22

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冷静と情熱の間に――。
高岡亮寛の自転車人生(前編)

U23世界選手権出場者、外資系金融機関のエリートサラリーマン、「Roppongi Express」のリーダーでありツール・ド・おきなわの覇者、そしてついには東京の目黒通り沿いに「RX BIKE」のオーナーに――。傍から見れば謎に包まれた人生を送る高岡亮寛さんは、一体何を目指し、どこへ向かっていくのだろうか。青年時代から親交のあるLa routeアドバイザーの吉本 司が、彼の自転車人生に迫る。

2020.05.30

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La route自転車研究所 其の一
最重要部品、ボルトを理解する(前編)

コンポーネントやハンドルやシートポストなどのパーツをフレームに固定しているのは、全て小さなボルトである。自転車はボルトによって組み立てられているのだ。しかしある日、はたと気付く。自転車に欠かせないボルトについて、僕らはなにも知らない。素材は? 強度は? 締め付けトルクは? 作り方は? チタンボルトに交換する意味は? 自転車用チタンボルトでも有名な興津螺旋でその全てを聞いてきた。自転車を自転車たらしめる縁の下の力持ち、ボルトに焦点を当てる。

2020.12.07

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追憶のサイクルウエア

快適性、軽さ、デザイン性――。ロードバイクの進化に呼応するように、サイクルウエアもまた時代とともに発展を遂げている。本企画では10代から自転車にのめり込み、自身もサイクルウエアに散財し続けたLa routeのアドバイザーである吉本 司が、自身の経験と照らし合わせながらそんな“サイクルウエアの進化”について振り返る。

2020.05.22

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重量半減という衝撃。
新世代チューブの真価を問う
(前編)

チューボリートとレボループ。熱可塑性ポリウレタンを素材とした、最近話題の超軽量インナーチューブである。“新世代チューブ”などと呼ばれているそれらは、クリンチャー復権を後押しする夢の新製品なのか、それともよくある時代のあだ花なのか。パナレーサーのRエア、ソーヨーのラテックスと比較しながら、新世代チューブの実力を見極める。前編では、技術者2人に話を聞きつつ、ポリウレタンチューブのメリットとデメリットを探る。

2020.07.13

column

不愛想・・・な自転車たち(Vol.01)

「スペック」や「速さ」が重視されるスポーツ自転車において、「ゆるさ」という何の数値化もできない性能で瞬く間に世を席巻した、1998年創業の自転車メーカー「SURLY」。2006年から幾度となく彼らの本拠地ミネソタに足を運んだ自転車ライター山本修二が、今までほとんど語られることのなかったSURLYのすべてをお伝えする。連載第一回目は、SURLYとの出会いと彼らがもつ魅力について。

2020.07.06

technology

プレスフィットの光と影

プレスフィット系BBについて話をしていたら、いつの間にかテーマがフレームメーカーの設計思想に変わっていた。木村さんが「最近のプレスフィット仕様のフレームは全然ダメ」だという理由は?「自転車業界の闇は深い」と嘆くその理由とは?「BBでフレームの剛性感は変わるのか」の続編。

2020.04.24

impression

TREK MADONE SLR7試乗記
なぜトレックは異形の自転車を作ったか

ピナレロのドグマも、BMCの各車も、「ウチのバイクはシルエットだけでウチのだと分かる」と、フレーム形状の個性を言い募る。2023年、彼らを赤面させるほどの独自性を備えたニューモデルが出た。しかも、そんなことを一番しそうになかった真面目なメーカーから。新型マドンである。初代マドンの登場から20年。7代目となった新作は、どんな走りをし、どんな存在になっているのか。人生の節目節目でトレックのロードバイクから衝撃を受け、自転車観が変わるほどの影響を受けているという安井行生が、新型マドンに乗って考える。

2023.03.06

interview

ジャパンブランド「ホダカ」を知る(前編)
自らの足で、立つと決めた日

普段生活していて、この会社の自転車を見ない日はないといっていい。ホダカ株式会社。「マルキン」ブランドの軽快車をはじめ、「コーダーブルーム」や「ネスト」といったスポーツバイクブランドを擁しているドメスティックブランドで、海外メーカーが隆盛なスポーツバイク業界では貴重な存在である。しかし私たち含めスポーツ自転車愛好家の多くは、その実態をほとんど知らない。今回はそんなホダカが一体どんな会社なのかを探るべく、インタビューを敢行。La routeチームは高揚感と緊張を胸に、越谷市にあるホダカ本社に向かい、代表取締役の堀田宗男さんと企画開発部部長の雀部庄司さんのお二人にお話を伺った。

2023.05.22