latest post


column

new

column

自転車のプリミティブに触れたパリ〜ブレスト〜パリの3日間
1,200kmの向こう側にあるもの

ツール・ド・フランスよりもさらに昔、1891年に長距離ロードレースとしてはじまった「パリ~ブレスト~パリ」は、いまや世界最高峰のブルベとして世界中のサイクリストを魅了しており、今年度は7,000人弱ものサイクリストがスタート地点のパリに集った。2019年大会ではサポートクルーの一員としてPBPに帯同したというジャーナリストの小俣雄風太が、2023年大会はクルマで移動しながら現地取材を敢行。ジャーナリストとして、そしていちサイクリストとして見たPBPの現地の様子を綴る。

2023.09.25

column

パリ〜ブレスト〜パリ機材チェック
世界最高峰のブルベを走る自転車たち

本日公開の「パリ~ブレスト~パリ」レポートと一緒にお届けするのは、参加者たちの機材レポート。1,200kmもの長丁場を走るためには、一体どんなバイクと装備で挑むのか。ごく一部ではあるが、現地に赴いたジャーナリストの小俣雄風太が気になったバイクやギアを独断と偏見(?)で紹介。記事の最後にはPBPで同時開催された「コンクール・ド・マシーン」の様子もレポートする。

2023.09.25

column

ワーホリサイクリスト中内のTDF観戦記(Vol.3)
15年越しの夢のあと

ワーキングホリデー制度を活用し、愛車とともにイギリス・ロンドンで生活している中内 陸。この夏、彼はイギリスを離れてスペインへと飛んだ。目的はそう、バスク地方からのスタートとなったツール・ド・フランス2023の観戦である。3夜連続でお届けしてきたTDF観戦記の最終回は、第2ステージのフィニッシュ地点であるサンセバスチャンが舞台。大観衆の緊張と興奮が交錯するフィニッシュになだれ込む選手たち。その姿をしかと目に焼き付けてロンドンに戻った中内は、また新たな誓いを立てるのであった。

2023.09.20


column

ワーホリサイクリスト中内のTDF観戦記(Vol.2)
眼前に広がる、美しき混沌

ワーキングホリデー制度を活用し、愛車とともにイギリス・ロンドンで生活している中内 陸。この夏、彼はイギリスを離れてスペインへと飛んだ。目的はそう、ビルバオからのスタートとなったツール・ド・フランス2023の観戦である。今回、通常の「ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記」の特別編として、彼が現地で見て、感じた、人生初のツール・ド・フランス観戦記を3夜連続公開の3本立てでお届け。第2回は、いよいよ始まった第1ステージ観戦編。生プロトンとの初邂逅の興奮と、ピケ峠で体験したカオスな熱狂の様子をレポートする。

2023.09.19


column

ワーホリサイクリスト中内のTDF観戦記(Vol.1)
夢のツール観戦。熱狂のビルバオへ

ワーキングホリデー制度を活用し、愛車とともにイギリス・ロンドンで生活している中内 陸。この夏、彼はイギリスを離れてスペインへと飛んだ。目的はそう、バスク地方からのスタートとなったツール・ド・フランス2023の観戦である。今回の「ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記」は、彼が現地で見て、感じた、人生初のツール・ド・フランス観戦記を3夜連続でお届け。第1回は大盛り上がりだったチームプレゼンテーションと、観戦ポイント探しを兼ねたビルバオ散策の模様から。中内が偶然遭遇したツールの意外な舞台裏とは? 

2023.09.18


column

誰も書かなかった自転車ヘルメット着用努力義務化の闇
カスクは「ヘルメット」か?

2023年4月から自転車乗車時のヘルメット着用努力義務化が始まり、世間では自転車ヘルメットに注目が集まった。じつは欧米ではあまり普及していない、などのネガティブな側面はあるものの、まだ「努力」義務だということだろうか市民からの大きな反発もなく、ヘルメットが極端に品薄になるということもなかったようだ。そんななか、テレビの「タレントの◯◯さんが一日署長を務め、道行く人たちにヘルメット着用を呼びかけました」なんていうニュースを、「まあ、いいことだよねー」と思いながら見ていた元自転車雑誌編集長の岩田淳雄さん。あることが気になって調べてみたら、意外な事実にぶち当たってしまったそう。果たして、自転車用ヘルメットと一言でいっても明確な基準はあるのだろうか。カスクは? アゴひも付き野球帽は? その実態を探るべく警察庁、ヘルメットメーカー、そして製品安全協会に疑問を投げかけてみたが……。

2023.09.11

days


new

10年振りのシマナミ

8月中旬、実家のある岡山に帰省した流れでしまなみ海道に行ってきました。サイクリストにとってのしまなみ海道は、言わずと知れた広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ約70kmのサイクリングロードです。後で知ったんですが海峡を横断できる自転車道としては日本初なのだとか。今回は両親や家族も一緒の家族旅行なので、岡山から尾道までは家族みんなでクルマ移動をしたあと、僕だけ自転車に乗ってしまなみ海道を走るという流れです。

2023.09.28

ポジティブなバイブス

ここ1~2年精力的な動きを見せている印象のホダカ。先日公開したインタビューも各方面からたくさんの反響をいただきました。そんなホダカのスポーツバイク展示会が、埼玉県越谷市の本社で行われるということで、行ってきました。コロナ禍でも年1回のペースを崩さずにリアル展示会を開催してきたそうですが、La routeがじっくりお邪魔するのは今回が初めてです。

2023.09.22

正常進化のディファイと攻めのエスケープ

キャニオンのエンデュレース、スペシャのルーベに続き、ジャイアントのディファイもモデルチェンジです。大物エンデュランスロードの世代交代が続きますね。 新型ディファイの実物を見ることができたのは、横浜で行われたジャイアントの展示会。2,000㎡もある大さん橋ホールの全面にずらりとニューモデルが並ぶ様はまさに壮観。

2023.09.15

先見の明

実は、ターマックSL8のプレスローンチで発表されたモデルがもう一台ありました。新型ルーベです。なんとスペシャはレーシングバイク(ターマック)とエンデュランスロード(ルーベ)をほぼ同じタイミングでモデルチェンジさせたんです。 ちなみにルーベは来年で20周年。2004年に発表された初代ルーベは、スペシャライズドが作った最初のカーボンフレームでした。20年でここまで色んなことが変わるとは……激しい時の流れを感じます。

2023.09.13

激動のグラベルコンポ

105と同時に、グラベルロード用コンポのGRXにも12速の機械式変速が追加されました。しかも2モデル。 今までGRXは、 ・RX815シリーズ(電動変速、11速、アルテグラDi2相当) ・RX810シリーズ(機械式変速、11速、アルテグラ相当) ・RX600シリーズ(機械式変速、11速、105相当) ・RX400シリーズ(機械式変速、10速、ティアグラ相当) という4モデル構成だったわけですが、そこに ・RX820シリーズ(機械式変速、12速、新型アルテグラ相当) ・RX610シリーズ(機械式変速、12速、新型105相当) が加わります。

2023.09.08

“13万円”のために

なんかすでに懐かしい感じがしますが、約1年前に、シマノ・105Di2の試乗会が開催され、La routeも参加して記事を作成しました。長らく入門用コンポとして親しまれてきた105ですが、このとき電動化と12速化を果たしたと同時に、セット価格は20万円オーバーに。

2023.09.07

Du peloton européen(Vol.26)

「EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム」に所属する門田祐輔選手の日々をお届けする「Du peloton européen」(ヨーロッパのプロトンから)。 1か月ぶりの更新となる本連載ですが、本日のテーマは先日出場した「ツアー・オブ・ブルガリア」について。そして次なるレースは9月8日(金)~9月10日(日)に開催される「ツール・ド・北海道」。ダイジェスト動画などがYouTubeにもアップされると思うのでぜひチェックしてみてください!

2023.09.05

ウーゴさんの遺志

何年か前、デローザがブランドロゴを変更し、レトロフューチャーを合言葉に新時代へと突き進もうとしていたときのこと。創業者であるウーゴ・デローザさんと、三男であり現代表のクリスティアーノ・デローザさんに、リモートでお話を聞いたことがあるんです。お孫さんたちも登場してくれて、ファミリー企業らしくほのぼのとした雰囲気で1時間ほどのインタビューは終了。最後にウーゴさんと簡単な質疑応答をする時間を貰えました。以下のようなやり取りでした。

2023.09.01

HELLO! 一日限りの相棒

ここ1年ほど、出張やプライベートで訪れた先に愛車を持っていくことが当たり前になってきました。 夏といえば昨年も、モンスターバッシュというフェスを観に、香川県高松までクルマにアディクトを積んで約9時間の大移動。フェスを満喫した翌朝にライドをして帰ってきたのはいい思い出です。

2023.08.30

“鬼”の課題

約500個。 2022年8月からの1年間で売れた鬼ベアリングの総数です。1台につき4個の鬼ベアリングを使うので、120台分強ということ。 どうです? 多いと思いました? それとも少ない? 僕としては予想を上回る数でした。この記事で純正ベアリングと比較しつつ鬼ベアリング仕様のマヴィックに試乗、性能向上代の大きさを実感し「価値はある」と評し、さらに本社に出向いて開発者にお話しをお聞きしたうえで、「それでも高いと思う」と書きました。

2023.08.25

ある夏の日

8月4日の朝8時前。まだ誰もいない那須ガーデンアウトレットの一角にあるライドエクスペリエンスのツアーデスクには、自転車業界人が数名集まっていました。各々のバイクのホイールに付いているのは、アジリスト ファスト。

2023.08.23

メールマガジン廃止のお知らせ

いつもLa routeをご覧いただき誠にありがとうございます。 これまで毎週月曜日の記事公開前に、ご希望者にのみメールマガジンによる記事の告知メールをお送りしておりましたが、メールマガジンをお送りするための外部システムがここのところ不安定なことと、各SNS( Twitter(X)、Instagram、Facebook )でも記事の告知をしていることから、廃止させていただくことになりました。

2023.08.20

タイヤ交換、アゲイン

つい先日、電動アシスト車のタイヤを交換したという話をしたばかりですが、今回も引き続きタイヤネタ。自転車……ではなく自家用車についてです。先日車検を通したばかりなんですが、そこで「そろそろタイヤ交換のタイミングですね」と言われていたんです。

2023.08.18

雨ニモマケズ、風ニモマケズ

自転車は乗れば乗るほど消耗します。いや、自転車に限らずすべての乗り物は消耗部品のカタマリといっていいかもしれません。

2023.08.16

一通のメール、一冊の本

ある日、La routeにこんなメールが届きました。 私はこの度、『自転車競技分離派 シクロクロス観戦オタク、いろんな自転車競技を観に行く』という同人誌を発行する運びとなりました。 本書は、サブタイトルの通り、シクロクロス観戦オタクがカメラを持って6種類の自転車競技を観戦した体験記となります。

2023.08.11

ターマックSL8、ついに発表!

7月某日、僕らは群馬県の渋峠にいました。個人的に来るのは2回目ですが、やっぱり好きです、渋峠。先日の車坂峠の斜度はかなりキツかったですが、こちらは終始緩やか。それでいて景色もよいですし何より涼しい。頂上には「日本国道最高地点」というモニュメントもあって達成感もありますしね。ちなみに頂上付近は18度と寒いぐらいでした。

2023.08.07

CORNER、復活!

もう10年近くも前、ネットでたまたま白いスチールフレームの写真を見かけました。イーストンのテーパードフォークを刺し、鉄なのにどこか新しく、いかにもよく走りそうな雰囲気を湛えた美しいフレーム。それがコーナーでした。スチールフレームに大径ヘッドを組み合わせた、所謂モダンスチールが出始めた頃の話です。

2023.08.04

車坂峠にも神様がいた

長野県の小諸市方面に出張があったので、車坂峠に上ってきました。このときもそうですが、出張があれば自転車を持っていってサイクリングするというのが僕らのライフワークになりつつあります。

2023.07.28

recommend post


technology

YONEX CARBONEX SLD 開発譚(前編)
数値化できない性能を求めて

2022年の末、日本のスポーツ用品メーカーであるヨネックスが、新型のカーボンフレーム「カーボネックスSLD」を発表した。コンセプトは次世代の軽量ディスクロード。540gというフレーム重量にも度肝を抜かれたが、走りも驚くべきものだった。箱根の登坂をXSサイズのカーボネックスSLDと共にした安井は、「完成の域に達したリムブレーキ車に近い性能と乗り味」と評した。なぜカーボネックスSLDはここまで軽くなり、こんな走りをするのか。ヨネックスの新潟工場に赴き、カーボネックスSLDが生まれた背景に迫る。前編では、技術開発第一部の古山少太さん、川上清高さん、綾野陽仁さんの3名に開発秘話を聞いた。

2023.06.12

technology

ピーター・デンク氏インタビュー
鬼才が語る、フレーム設計の新事実

ディスクロードにしてフレーム重量600gを下回るという、にわかには信じがたい軽さを誇るエートス。そしてグラベルロードながら軽量ロードバイクフレーム並みの重量を実現したクラックス。それらを開発したのは、スコットのアディクトやキャノンデールのスーパーシックエボなど数々の名車を手掛けてきた、自転車界の鬼才と呼ばれるエンジニア、ピーター・デンク。La routeは、エートスが発表された1年以上も前から「デンクに話を聞きたい」と言い続け、ついに氏へのインタビューが実現した。エートスはなぜここまで軽くなったのか。なぜ従来のセオリーとは異なる形状になったのか。デンク氏から得られた回答のほぼ全てを、ここにお伝えする。

2022.02.21

column

La route高山のCX世界選手権観戦記
熱狂の渦の、ど真ん中へ

マチュー・ファンデルプールとワウト・ファンアールトの一騎打ちとなった「2023 UCIシクロクロス世界選手権」。あの凄まじいデッドヒートの現場に、La routeスタッフ高山がいた。毎年世界選手権を撮影しているフォトグラファー、田辺信彦さんからの同行のお誘いを受け、パスポートもない、語学力もない、シクロクロスも1年半前まで知らなかったという“ないない”尽くしの不惑ライターが過ごしたオランダ、ベルギーでの1週間。ただひたすらに見た、聞いた、感じた、世界選手権期間中のリアルなレポートをお届けする。

2023.02.27

column

メカニック小畑の言いたい放題(Vol.7)
高価格化と整備性と納期問題を考える

スポーツバイクの高価格化が叫ばれる昨今。一昔前は100万円を超えるモデルが珍しかったが、今や105完成車でもその価格に達する時代だ。さらに、「納期未定・売るものがない」問題、「ケーブル内蔵による整備性・ポジション自由度低下」問題が折り重なり、ロードバイク界は混乱の最中にある。なるしまフレンドのメカニック小畑 郁が、編集長の安井行生とともに自転車業界のあれこれを本音で語る連載「メカニック小畑の言いたい放題」のVol.7は、そんな現代ロードバイク問題の渦中にいる小畑さんに、現状と解決策を聞く。

2023.03.27

interview

ビルダー4名が語る、
金属フレームのこれから(前編)

年齢も性格もビジネスの形態も使う素材も考え方も違う。しかし日本のオーダーフレーム界を背負って立つという点では同じ。そんな4人のフレームビルダーが、各々のフレームを持ってLa routeの編集部に集まってくれた。金属フレームの可能性について、オーダーフレームの意味について、業界の未来について、モノづくりについて、忌憚なく語り合うために。その会話の全記録。

2020.04.24

interview

変わりゆくプロトン、変わらない別府史之

別府史之、38歳。職業、ロードレーサー。日本人初となるツール・ド・フランス完走者のひとりであり、高校卒業後から現在に至るまで、数えきれないほどの功績を日本ロードレース界にもたらしてきた人物だ。今回のインタビューは、フランスに拠を構えている別府が帰国するという話を聞きつけ急遽実施。インタビュアーは、別府史之を古くから知る小俣雄風太が務める。

2021.06.21

technology

La route自転車研究所 其の二
コンポメーカー各社の設計思想(前編)

自転車にまつわる様々な物事を深掘りする連載「La route自転車研究所」。第二回のテーマは「コンポメーカーの設計思想」。グロータックの木村将行さんと杉山健司さんに協力していただき、カンパニョーロ、シマノ、スラムという3社の機械式シフトレバーの設計を徹底分析。なぜカンパだけ多段シフトが可能なのか。シマノが目指す理想の変速機とは。スラムはなぜここまで軽くできたのか――。性能や使い心地、スペックの違いの理由を探る。

2021.03.22

impression

GIANT PROPEL ADVANCED PRO 0試乗記
巨人の挑戦とその結末

トレック・マドン、サーヴェロ・S5、スコット・フォイル、ビアンキのオルトレRC……主要メーカーがエアロロードを刷新した2022年、本命と目されているのがジャイアントの新型プロペルである。今作で3代目となる世界最大のスポーツバイクメーカーのエアロロードは、いかなる出来なのか。ポジションの関係でトップモデルのアドバンスドSLには試乗できなかったが、弟分であるアドバンスドプロに乗り、安井行生がジャイアントの開発姿勢を考えた。La route初のジャイアント試乗記ということで、大いに期待していたのだが……。

2022.12.05

impression

La routeに
新型アルテがやってきた
(前編)

R9200系デュラエースと同時に発表されたR8100系アルテグラ。デュラの衝撃に隠れてしまった感もあったが、セミワイヤレス化、12速化、ローターの音鳴り解消など、デュラエース同様の進化を遂げた。シマノから新型アルテグラ一式をお借りしたLa routeは、なるしまフレンドの小畑 郁メカニックに組付けをお願いし、小畑×安井の対談で整備性、使用感、性能、その存在意義まで、多角的に新型アルテグラを検分する。デュラ同様に大幅な値上げをしたアルテグラに、その価値はあるのか。

2022.01.10

touring

“激坂さん”の日本縦断ブルべ参戦記(Vol.2)
暴風雨とハイビスカスと友人の激励

日本最南端の佐多岬から、最北端の宗谷岬まで。総距離2,700km、獲得標高約23,000mを一気に走り切る日本縦断ブルべ。それに人生をかけて挑戦した一人の男がいた。とあるイベントでパールイズミの激坂ジャージを着ていたがために“激坂さん”と呼ばれることになった、一人息子と妻と自転車と山を愛するその男は、なぜこのウルトラブルべを走ろうと思ったのか。国内最速でも、ギネス挑戦でもない、普通の自転車乗りによる日本縦断ブルべ参戦記。数々のトラブルに見舞われながら、なんとか準備を終えた激坂さん。vol.2では、出走前日から兵庫までの記録を綴る。トラブルの神様はまだ激坂さんに憑いているようで……。

2022.08.02

interview

ANCHOR RP9開発憚
背景にある愛情と狂気

コロナの影響でなかなか実現しなかったアンカー・RP9開発者インタビューが、やっと叶った。日本のメーカーだから、近くて簡単に取材できるから、なんていう消極的な理由ではない。RP9を見て、乗って、考えた結果、これはなにがなんでも開発者に話を聞かねば、と強く思ったのだ。あの走りは意図されたものなのか。もしそうなら、どうやって実現したのか。ブリヂストンサイクル上尾工場内のカーボンラボにて、RP9の秘密に触れた。

2021.11.22

interview

北米3大自転車ブランド座談会(前編)
ニッポンのグラベルロードの未来

日本のサイクリングシーンで「グラベル」という言葉を耳にしない日はなくなった。しかし、バイクの種類も増え、各メディアでその楽しみ方が紹介されるようになってなお、掴みどころのない幅広さを感じるのも事実である。そこで今回は、グラベルカルチャー発祥の北米を代表する3大自転車ブランド、キャノンデール、スペシャライズド、トレックのマーケッターに集まって頂き、グラベルの世界的な動向や日本市場の今を語ってもらった。ファシリテーションは、La routeでもおなじみの小俣雄風太が務める。世にも珍しい同業他社による、あけすけなグラベルトークを前編・後編に分けてお届けする。

2022.05.30

impression

ANCHOR・RP9試乗記
そこに“なにか”はあるか

やっと出てきた。アンカー初のエアロロード、そしてアンカー初のハイエンドディスクロードでもあるRP9。さらに、デュラエース完成車約120万円、フレーム価格約50万円という高価格帯への参入。アンカーにとって初めて尽くしの意欲作でもある。ライバルメーカーに対する遅れを取り戻せるか。競合ひしめくハイエンド市場で存在感を示せるか。オリンピックの興奮冷めやらぬ2021年9月の東京で、安井がRP9に乗り、真面目に考えた。

2021.09.27

impression

La routeに
新型アルテがやってきた
(前編)

R9200系デュラエースと同時に発表されたR8100系アルテグラ。デュラの衝撃に隠れてしまった感もあったが、セミワイヤレス化、12速化、ローターの音鳴り解消など、デュラエース同様の進化を遂げた。シマノから新型アルテグラ一式をお借りしたLa routeは、なるしまフレンドの小畑 郁メカニックに組付けをお願いし、小畑×安井の対談で整備性、使用感、性能、その存在意義まで、多角的に新型アルテグラを検分する。デュラ同様に大幅な値上げをしたアルテグラに、その価値はあるのか。

2022.01.10

impression

異端か、正統か
(SPECIALIZED AETHOS 評論/前編)

スペシャライズドは、2020年7月に新型ターマックを発表、同時に販売もスタートさせた。そのわずか3カ月後、ディスクロードにしてフレーム重量600gを下回る超軽量バイク、エートスがデビュー。この時代に空力は完全無視、ダウンチューブにロゴはなく、レースでも使われることはない。スペシャライズドは今、何を考えているのか。なにもかもが異例づくしのエートスを、編集長の安井が考察する。

2020.10.26

column

アラヤ・マディフォックス物語(vol.01)
銀輪が生んだ和製マウンテンバイク

1982年にデビューした日本初の量産マウンテンバイク、アラヤ・マディフォックス。それはいかにして生まれ、どのように進化したのか。それはなぜ歴史的な一台となり、そしてなぜ(一度は)姿を消したのか。40年近くアラヤに在籍し、マディフォックスの誕生から現在までを知り尽くした男、内藤常美によるマディフォックス物語。日本のマウンテンバイク黎明期の知られざるストーリーを連載でお届けする。Vol.1は、初代マディフォックスの開発~発売までのエピソード。

2021.05.31

interview

自転車メディアは死んだのか(前編)

『サイクルスポーツ』と『バイシクルクラブ』という、日本を代表する自転車雑誌2誌の編集長経験がある岩田淳雄さん(現バイシクルクラブ編集長)と、La routeメンバー3人による座談会。雑誌とは、メディアの役割とは、ジャーナリズムとは――。違った立ち位置にいる4名が、それぞれの視点で自転車メディアについて語る。

2020.06.29

interview

夢の続きを

2021年1月23日。女子プロロードレーサー、萩原麻由子のSNS上で突如として発表された引退の二文字。ジャパンカップで9連覇中の沖 美穂を阻んでの優勝、カタール・ドーハで開催されたアジア自転車競技選手権大会での日本人女子初優勝、ジロ・ローザでの日本人女子初のステージ優勝――。これまで数々の栄冠を手にしてきた萩原は、何を思い、引退を決意したのか。栄光と挫折。挑戦と苦悩。萩原麻由子の素顔に迫る。

2021.02.22

interview

冷静と情熱の間に――。
高岡亮寛の自転車人生(前編)

U23世界選手権出場者、外資系金融機関のエリートサラリーマン、「Roppongi Express」のリーダーでありツール・ド・おきなわの覇者、そしてついには東京の目黒通り沿いに「RX BIKE」のオーナーに――。傍から見れば謎に包まれた人生を送る高岡亮寛さんは、一体何を目指し、どこへ向かっていくのだろうか。青年時代から親交のあるLa routeアドバイザーの吉本 司が、彼の自転車人生に迫る。

2020.05.30

technology

La route自転車研究所 其の一
最重要部品、ボルトを理解する(前編)

コンポーネントやハンドルやシートポストなどのパーツをフレームに固定しているのは、全て小さなボルトである。自転車はボルトによって組み立てられているのだ。しかしある日、はたと気付く。自転車に欠かせないボルトについて、僕らはなにも知らない。素材は? 強度は? 締め付けトルクは? 作り方は? チタンボルトに交換する意味は? 自転車用チタンボルトでも有名な興津螺旋でその全てを聞いてきた。自転車を自転車たらしめる縁の下の力持ち、ボルトに焦点を当てる。

2020.12.07

column

追憶のサイクルウエア

快適性、軽さ、デザイン性――。ロードバイクの進化に呼応するように、サイクルウエアもまた時代とともに発展を遂げている。本企画では10代から自転車にのめり込み、自身もサイクルウエアに散財し続けたLa routeのアドバイザーである吉本 司が、自身の経験と照らし合わせながらそんな“サイクルウエアの進化”について振り返る。

2020.05.22

technology

重量半減という衝撃。
新世代チューブの真価を問う
(前編)

チューボリートとレボループ。熱可塑性ポリウレタンを素材とした、最近話題の超軽量インナーチューブである。“新世代チューブ”などと呼ばれているそれらは、クリンチャー復権を後押しする夢の新製品なのか、それともよくある時代のあだ花なのか。パナレーサーのRエア、ソーヨーのラテックスと比較しながら、新世代チューブの実力を見極める。前編では、技術者2人に話を聞きつつ、ポリウレタンチューブのメリットとデメリットを探る。

2020.07.13

column

不愛想・・・な自転車たち(Vol.01)

「スペック」や「速さ」が重視されるスポーツ自転車において、「ゆるさ」という何の数値化もできない性能で瞬く間に世を席巻した、1998年創業の自転車メーカー「SURLY」。2006年から幾度となく彼らの本拠地ミネソタに足を運んだ自転車ライター山本修二が、今までほとんど語られることのなかったSURLYのすべてをお伝えする。連載第一回目は、SURLYとの出会いと彼らがもつ魅力について。

2020.07.06

technology

プレスフィットの光と影

プレスフィット系BBについて話をしていたら、いつの間にかテーマがフレームメーカーの設計思想に変わっていた。木村さんが「最近のプレスフィット仕様のフレームは全然ダメ」だという理由は?「自転車業界の闇は深い」と嘆くその理由とは?「BBでフレームの剛性感は変わるのか」の続編。

2020.04.24

interview

のむラボ訪問記
通過点、あるいは最終目的地

機材好き界隈ではこれほど有名なのに、メディアでの露出が一切ないショップがある。手組みホイールで有名な大阪の「のむラボ」だ。ブログでの毒舌が独り歩きしている感もあるが、店主の野村泰文さんとはどういう人なのか。そして、彼が作るホイールはぶっちゃけどうなのか。安井がのむラボを訪ね、話を聞き、のむラボホイールをオーダーし、乗ってみた。(おそらく)自転車メディア初の、のむラボ訪問記&のむラボホイール試乗記。

2021.11.01

impression

TREK MADONE SLR7試乗記
なぜトレックは異形の自転車を作ったか

ピナレロのドグマも、BMCの各車も、「ウチのバイクはシルエットだけでウチのだと分かる」と、フレーム形状の個性を言い募る。2023年、彼らを赤面させるほどの独自性を備えたニューモデルが出た。しかも、そんなことを一番しそうになかった真面目なメーカーから。新型マドンである。初代マドンの登場から20年。7代目となった新作は、どんな走りをし、どんな存在になっているのか。人生の節目節目でトレックのロードバイクから衝撃を受け、自転車観が変わるほどの影響を受けているという安井行生が、新型マドンに乗って考える。

2023.03.06