「EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム」に所属する門田祐輔選手の日々をお届けする「Du peloton européen」(ヨーロッパのプロトンから)。

現在オフを満喫している門田選手ですが、第13回目は、「言語について」のあれこれをお届けします。日本人なら誰しもがぶつかる言葉の壁を、門田選手はどのようにして乗り越えたのでしょうか。これからヨーロッパでプロを目指す人は必見です。

 

※来る12月2日(金)19:00~、門田祐輔選手とチームメイトである織田 聖選手のトークライブを、東京都稲城市にあるクロスコーヒーで開催します。お時間ある方はぜひ。詳細はこちらから。

皆さん、お久しぶりです、ジャパンカップから1ヶ月が経ちました、今の時期はオフなので、少し自転車から離れて変わった題材で行こうかなと。

ヨーロッパで走り始めて約5年。いろんな人からも聞かれるんですが、自分がどのようにして語学を勉強してきたのか紹介したいと思います。
今、僕が話せるのは英語とフランス語の2ヵ国語ですが、渡欧した当時の英語は中学英語レベル。フランス語はまったくといっていいほど話せず、「Bonjour(こんにちは)」と「oui」(はい)と言いまくってました(笑)。

まずは英語の話から。もともと学校の勉強はそこまで得意ではありませんでしたが、英語だけは頑張って勉強した記憶があります。嫌になるときもありましたが、将来ヨーロッパで走る上で絶対必要になると自分に言い聞かせてました。

とはいえ遠征などでなかなか時間が取れないことが多く、特にフランス滞在時はあまり勉強できませんでした、そこではじめたのがオンライン英会話です。僕がやっているのは「レアジョブ英会話」です。

はじめてから8年弱ぐらいになりますが、好きな時間にレッスンを受けれるのでコツコツとやっています。語学は話し続けないと忘れてしまうので、毎日コツコツやることが大事かなと思います。

フランス語はそもそも話せない状態でフランスに行ったので、現地でいろんな人と話して、書いてを繰り返した感じです。カフェに行って知らないおじさんに話しかけてフランス語を喋る、みたいなこともしてました(笑)。最初に所属したフランスのチームの監督が少し英語が話せたこと、そして監督の息子が当時5、6歳ぐらいだったこともあり、レース後のかなり眠い中、監督の息子さんとよくフランス語の勉強をしていたのを覚えています。子どもと自分のフランス語のレベルが合っていたんですね。

 

僕のフランス語の先生、エルワンくん。写真は2019年に一緒に走ったときのもの。

あとは現地でフランス語だけを使うように心がけていました。日本人選手と一緒にいるとどうしても日本語を使ってしまうので、それはもったいないと感じていたんです。

僕としてはフランスのチームでは、日本人1人で活動したいという思いがありました。日本人選手が同じチームに2人所属すると、片方が通訳役になってフランス語が上手くなりもう片方は話せなくなる…なんて話を聞いたこともあるので。

もうひとつはフランス人の性格についてです。フランス人はフランス語が話せるとすごくフレンドリーですが、フランス語が話せないとなると急に距離をとります。それはチームでも同じで、フランス語でコミュニケーションがとれないとチームメイトに受け入れられ辛くなります。
チームメイトに受け入れられないと、レースにも呼ばれなくなり、だんだんと自分の居場所がなくなる…という悪循環に陥ってしまいます。「oui」「oui」ばっかり言っていると「こいつははいはいとしか言わないやつ」と見られてしまい、そのままシーズン終了…。今のフランス語の能力が身についたのは、先輩方の経験やそれをもとにした助言があったのも大きかったと思います。

ちなみにフランス語も「フランティア」というオンラインスクールを使っていました。ただこのサイトには日本人講師は一人もおらず、英語でフランス語を教わるというシステムだったので、はじめたときはかなり大変でしたね。このときの苦労もあり、英語もフランス語も鍛えられたのかなと思います。

細かいことを話すと、フランス語は動詞の活用がえげつないぐらいあります、フランス人でも知らないくらい(笑)。なので、フランス語が話せる日本人の知り合いに聞いたりして、繰り返し書いて覚えました。あまり座学は好きではありませんが。

こんな感じで少しずつ勉強していった感じです。これからヨーロッパで活躍したいという人の参考になればうれしいです。

ではまた。

(門田)

これまでの連載はこちらから。
Vol.01)(Vol.02)(Vol.03)(Vol.04)(Vol.05)(Vol.06)(Vol.07)(Vol.08)(Vol.09)(Vol.10)(Vol.11)(Vol.12