アメリカでグラベルという遊びが話題になり始めたのが2012年頃。まだパナレーサーのグラベルキングは世に存在していませんでした。
それから11年が過ぎた現在の日本。遊べる場所が少ないと言われつつも、グラベルロードという乗り物がある程度定着し、グラベルキングは定番商品としてパナレーサーの主力商品にまでなり……と、グラベル遊びはものすごい勢いで浸透しています。

そんなわけで、La routeのライドイベント第二弾はグラベルライドになりました。今回のゲストはパナレーサーでマーケティングを担当している三上勇輝さん。日本の、というか世界のグラベルシーンを牽引するメーカーの一つでもあるだけに、グラベルイベントのゲストに相応しい。当初は「グラベルもしくはMTBに限定して参加者は集まるのだろうか」と心配していましたが、蓋を開けてみればすぐに定員に達し、お声がけしていた関係者を含めると総勢18名に。

当日は朝8時半に編集部に集合、自己紹介とブリーフィングを経て、穏やかな天気の中スタートします。今回はオフロードコースの途中でコーヒー休憩をとる予定なので、編集部の隣にあるNARUTO COFFEEで淹れたてのコーヒーを仕入れました。La routeメンバーはコーヒー3リットルを背負って走ります。

今回のゲストライダー、パナレーサーの三上さん。買ったばかりだというサーヴェロ・アスペロで参加。
業界関係者の参加も多かった今回のイベント。エクイリブリウムのCXバイクに乗るMAGNETの柴山大輔さん(写真左)は三上さんと情報交換。

コースは、まず多摩サイのグラベルを少しだけ走ったあと尾根幹へ。舗装路を10kmほど走って野山広がるエリアまで行き、そこで各所にちらばるオフロードをたっぷり楽しんだあと、再び尾根幹で編集部まで戻ってくるというもの。

参加メンバーの自転車は、定番のトップストーンやグレイル、アスペロをはじめ、組んだばかりのオールシティ、完成したてのShin・服部製作所のCXバイク、エクイリブリウムのCXバイク、コメンサルのMTB、最新のディヴァージュSTRなど多種多様。バイクのコンセプトからタイヤのサイズまで、かなりの幅があります。となると心配になるのが速度域の差。速すぎると遅いメンバーに負担をかけるし、遅すぎると速いメンバーにストレスをかける。

しかし今回はさほど心配する必要はありませんでした。前半の10kmは舗装路だったので慎重に走りましたが、オフロード区間はニセコのようにグラベルが延々と続いているわけではなく、濃厚なコースが数km毎に点在しており、そこを舗装路で繋ぎながら楽しむ感じ。オフロードを楽しく走ったあとにみんなでワイワイしながら待つのが苦ではないので、舗装路が遅くても速くても、オフロード巧者でも初心者でも、ストレスなく楽しめたのではないかと思います。

ま、一番待たせてしまったのはこの僕なんですけど。中盤と終盤で2回もパンク。イベントの主催側としてあるまじき失態(笑)。32Cというサイズなのに調子に乗って空気圧を下げすぎたのが原因でした。いやお恥ずかしい。しかしなぜイベントになるとパンクの神が降りてくるのか……。今回のコースでパンクしたことなんてないのに。

途中、ドロップオフに挑戦してみたり、派手にでんぐり返しをしてみたりと、ロードライドにはない「土遊び」な感じが最高でした。

コースの中間地点ではコーヒータイム。
コーヒーカップを片手に自転車談義に花が咲く。贅沢な時間です。
La routeでも多くの記事を執筆してくれている小俣雄風太さんも駆けつけてくれました。バイクはSim Worksのオリジナルフレーム、doppo…に荷物を運ぶわけではないのにリアキャリア搭載(笑)。ピンクのイコールブレーキは安井とお揃い。
スペシャライズド・ジャパンの下松 仁さんは最新のグラベルロード、ディヴァージュSTRで参加者の注目を集めておりました。ヘルメットを忘れて30分以上遅刻したのはここだけの話で…。
Shin・服部製作所のCXバイクで参加された尾島航基さんはグロータックの技術者。安井のレモンに付いたポストマウントのイコールブレーキを見て「このポストマウント化は僕が設計を担当したんです」。
尾島さんのバイクにはもちろんイコールブレーキとイコールカーボンリムが。おやこのレバーはなんだろう……。
2回目にしてイベント恒例(?)となった安井のパンク。業界関係者に見守られながら修理。
様々な自転車歴を持つ参加者同士の交流も。

ゲストがパナレーサーの中の人ということで、ライドの合間にはタイヤのサイズや空気圧などのセッティングについて三上さんに質問される方も見られ、メーカーとユーザーの貴重な交流の場ともなっておりました。
最後は、各々調達した昼食を持って、多摩川沿いの公園でプチピクニック。自転車と乗り手との関わり合い方は自転車乗りの数だけ存在しますが、昼食を食べながら、参加者の方のこれまでの数奇な自転車人生をお聞きすることができ、これまた贅沢な時間を過ごしたのでありました。

参加していただいた皆さん、三上さん、ありがとうございました。
今回は急遽参加できなくなってしまった方からも、今回参加された方からも、「またやってほしい」と言っていただいております。実は、もっといいコースがあるんです。今度はそっち、行きましょう。

(安井)