La routeが2020年から参加している日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー(BOTY)ですが、今年も参加することになりました。

改めて説明すると、日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー(BOTY)はその年を代表するモデルを選ぶというアワードイベントで、今年で6回目。過去の受賞バイクを振り返ると、第1回となる2018年はジャイアントの初代プロペル。2019年はかの名車スペシャライズド・ヴェンジ。2020年は新世代万能ロード、キャノンデール・スーパーシックスエボ。2021年はロードバイク界に衝撃を与えたスペシャライズド・エートスで、昨年はアンカーのRP9でした。

選考基準などはここここで書いたものと基本的には変わりはありませんが、ノミネートバイクの決定に関しては昨年と方法が変わりました。昨年までは選考委員の投票によって決められていたのですが、今年は試乗車の有無などを考慮しなければならないケースが多かったため、ミーティングで話し合い、意見が分かれたバイクについては多数決によって決定されました。今年も選考対象は純粋なロードバイクのみですが、来年からはグラベルロードも含める方向で動いています。

さて、今年のノミネートバイクが発表されたのでお伝えします。以下の10台です。

昨年モデルチェンジしたキャノンデールのエンデュランスロード、シナプスカーボン1RLE。フロントライトとリヤビューレーダーなどを統合した安全装備「スマートセンス」が特徴。La routeでは「キャノンデールはシナプスを捨てたのか」と題した試乗記を作成。
こちらも2022年に発表された第5世代。キャニオンの軽量バイク、アルティメットCFR。フレームは上からCFR、SLX、SLの3種類で、La routeではSLXに試乗し記事を作成したが、トップグレードのCFRに乗るのは初めて。
2022年のツール・ド・フランスでマイヨジョーヌ、マイヨアポワ、マイヨヴェールを全て獲得し、今最もホットなエアロロードともいえるサーヴェロ・S5。La routeの試乗記事では、先代との比較やハンドル形状の技術的考察などを行っている。
かつてラインナップされていたエアロロード、S3の現代版として復活したサーヴェロ・ソロイスト。S5の弟分に当たる存在である。BOTYにトップグレード以外のバイクがノミネートされるのは珍しい。昨年末、S5、R5、カレドニア5との比較試乗記を公開した。
2021年にモデルチェンジが発表され第3世代となっているラピエール・ゼリウス。昨今の事情で出荷が遅れていたが、今年やっと試乗できることになり、めでたくノミネートされた。試乗車の都合でノミネートバイクはセカンドグレードのゼリウスSL8.0となる。
ニュージーランドのチャプター2が、REREに次ぐ2作目のエアロロードとして発表したココ。昨年、安井は小田原で開催されたメディア試乗会に参加し、試乗記を書いた。
泣く子も黙る名門コルナゴの旗艦、C68ディスク。前作C64からフレーム構造を変更、完全なラグドフレームから一部を一体化している。La routeではC68の試乗記を近日公開予定。
4代目へと進化したトレックのエンデュランスロード、ドマーネ。ノミネートされたのはドマーネSLR。La routeでは、この新型ドマーネをネタに安井と栗山がエンデュランスロードのあるべき姿を語り合った。
今や高性能エアロロードの代名詞となったトレック・マドン。シートチューブにぽっかりと大きな穴を開けたそのルックスは世に衝撃を与えた。ノミネートされたのはトップグレードのマドンSLR。
ノミネートバイクの選考途中で発表され、急遽10ベストに加わることとなったヨネックスの新型軽量バイク、カーボネックスSLD。未塗装とはいえ540gという驚きのフレーム重量が与えたインパクトは大きい。これを選考委員はどう評価するか。昨年のアンカー・RP9に続き2年連続で日本車が受賞するのか。注目が集まる。

注目のバイクを複数台発表したサーヴェロとトレックからは2台がノミネートされました。ジャイアント・プロペルは「選考委員に最適なフレームサイズの試乗車の手配が難しく、万全の体制で臨めない」との理由で辞退。また、ビアンキの新型オルトレも試乗車が間に合わず不参加となっています。

なお、昨年11月にバイシクルクラブでBOTY2023の10ベストバイクが発表されましたが、このときは投票は行われておらず、ノミネート基準が曖昧だったため、審査委員による選考を改めて実施したうえで上記10台となっています。

選考委員は以下の8名。
・山口博久/バイシクルクラブ編集長
・管 洋介/自転車ジャーナリスト
・橋本謙司/自転車ジャーナリスト
・浅野真則/自転車ジャーナリスト
・難波賢二/自転車ジャーナリスト
・田村明寛/フレイムディレクター
・吉本 司/自転車ジャーナリスト
・安井行生/La route編集長

(敬称略)

今後、某所で試乗選考会を行い、選考委員の採点をもとに、3月20日に受賞車が発表されます。すでにLa routeの試乗記で乗っているモデルも多いですが、同条件で10台を比較すると、また見えてくるものがあります。
La routeでは、10ベストバイクの評価、各バイクの点数配分とその理由、2023モデルの傾向、選考会の様子などを含めた記事を3月20日に公開します。お楽しみに。

(安井)