「EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム」に所属する門田祐輔選手の日々をお届けする「Du peloton européen」(ヨーロッパのプロトンから)。

第9回目のテーマは9月9日(金)~9月11日(日)に北海道で開催された「ツール・ド・北海道」で、総合優勝を果たした門田選手のレースレポートをお届けします…!

はじめてのツール・ド・北海道。チームのスポンサーでもあるNIPPOが大会スポンサーでもあるので、なんとしてでも良い結果を残したいところ。

個人としてはステージ優勝が目標です。

レースに参加する選手は、直前で参加しなくなったチームや選手がいて多少の変化はあったものの、「ツアー・オブ・ジャパン」や「ツール・ド・熊野」とそれほど変わらず。強いて言えば大学生チームが多数参加しているのがいつもと違うところかなと。

僕らのチームは大会開始の6日前に現地入りしました。ツール・ド・北海道はすべてラインレース1周回ではなくA地点からB地点までを走るレースのこと。なので、しっかりと下見をしてコースの重要な箇所をチェックしました。初日、2日目はタイム差がつきやすいコース設定。3日間という短いステージレースでは小さな差が大きな差につながるので、1日1日の結果がかなり重要になってきます。

今回のチームメイトは、写真左から僕、織田 聖、岡 篤志、留目夕陽、研修生の山田拓海の5名。メンバー紹介はこちらの記事をご覧ください。

9月9日(金)

初日はチーム全員で逃げにトライ、最初の上りを終えて逃げができていればいい感じ、といったところ。結果的には2つ目の上りで逃げができた形になりました。チームからは僕と山田拓海と留目夕陽が逃げに入り総勢約16人。上りで抜け出した力のあるメンバーだったので、これは最後まで逃げ切れるのではないかと感じていました。

3つ目の上りでペースアップがあり、人数が絞られていきます。一度上りで遅れるも残り10km地点の平坦で先頭集団に復帰。そこからのアタック合戦で再び第2集団に。結果的に前には追いつかずに第2グループの7位でのゴールとなりました。
リーダーとのタイム差は40秒ですが、明日のコース的にすぐにひっくり返るぐらいのタイム差だと感じていました。

9月10日(土)

ステージ優勝、あわよくば総合ジャンプアップを目指してスタート。基本は集団待機で大人数の逃げが行けば自分もそこに乗るという作戦です。

序盤は総合に関係のない逃げが行ったので、集団はゆっくり淡々と進んでいましたが、中盤あたりでブリヂストンが集団牽引をストップ。そこから再びアタック合戦になります。

バラバラと数人が抜け出していき、自分は最終便で抜け出しに成功。追いつくのに少し時間がかかりましたが、先頭集団に入ることができました。

チームメイト全員が前に入ることができたので、そこからはなるべく力を使いすぎずにペースをコントロールしてレースを展開していきます。

問題はここから。

どのようにチームを動かして勝利に持っていくか、エースで臨んだこのステージはなんとしても勝ちにつなげなければいけません。

波状攻撃か、ペースアップして人数を絞っていくか、

僕としてはトマ・ルバ選手と松田祥位選手に差をつければ総合リーダーになれるので、彼ら2人の動きをよく見ていました。

残り10km地点の上りになるとチームでペースアップ。上ってからは予想通り、横風で集団が大きく2つに分かれるもその後また1つに。

残り5km。

アタック合戦になるも決定打はなく、上りのスプリント勝負に。
仕掛けるなら残り150m、いやもっとフィニッシュに近くても良いと考えていたのですが、キンテロ選手が早めに仕掛けてきていきなり差が広がってしまったので、こちらもつい焦ってしまい残り300mぐらいでペースアップ。

そこからはもう全開です。少し垂れてしまったところで谷 順成選手に抜かれましたが、いっぱいいっぱいで対応出来ず…。なんとか差を広げないようにし、最後もう一度踏み直しましたが、結局届かずステージ2位でのゴールとなりました。

結果的にリーダージャージを獲得。良かった。
ステージも獲れていたらなお良かったんですが、ルバ選手とは5秒、松田選手とは29秒とまだまだ気が抜けません。最終ステージはハードになると確信していました。

9月11日(日)

今日はなんとしてもリーダーを守って総合優勝したい、それだけです。

5人前後の逃げを容認し、あとはペースをコントロールしてゴールする。それが僕がイメージしたシナリオです。

10人逃げ。ちょっと多いがタイム差は4分とまだかなり余裕があります。オーバーペースにならないように、そして差が開きすぎないようにチームメイトと細かく話しながらレースを進めます。

正直、リーダージャージを着用しているという実感はあまりなく、この日はかなり落ち着いてレースを進めることができました。レース中も特に危ない場面はなく、ほぼ想定通り。

結果的に逃げとは1分差の集団でゴール。総合リーダーを守ることができ総合優勝です。最終日が一番ハードだったにも関わらず、全員がしっかりとそれぞれの役割をこなしてくれました。チームメイトには感謝しかありません。
さらにチームではU26団体1位、留目選手も山岳賞を獲得することができたので、本当にうれしいの一言です。ゴール後はあまりピンときていなかったんですが、時間が経つにつれてだんだんと優勝したことへの実感が湧いてきています。

また、ルバ選手は今まで勝てそうで勝てなかった選手。今回初めて彼に勝つことができて、自分にとっては大きな自信になりました。この勝利を必ず次につなげていきます。

最後になりますが2日目のレースで物議をかもしたことで、ロードレースファンの皆様ならび関係者の方々に心配をおかけしてしまったこと、この場を借りてお詫び申し上げます。今回の総合優勝で得たリーダージャージに恥じぬ強さを身につけ、これからも人として、選手として更に飛躍すべく努力していきます。
そして、応援してくれたファンの皆様、3日間沢山の声援ありがとうございました。毎日それが励みでUCIレースで初めての総合優勝が出来ました。今後の予定はまだわかりませんが、次のレースも応援よろしくお願いします!

(門田)

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