La route読者のみなさま、はじめまして。三宗広歩みつむねひろむと申します。

1ヶ月ほど前からアシスタントとしてLa routeのお手伝いをさせてもらっています。
自転車に関しては、ロードバイクでのツーリング、MTBにピストクリテ、冬はCXレースに参戦したりと雑食的にいろいろやっています。
今後も僕が関わった記事等が公開されていく予定ですので、どうぞよろしくお願いします。

さて7月中旬のある日のこと。「北海道日本ハムファイターズとスペシャライズド・ジャパンのパートナーシップ締結のお知らせ」というリリースが編集部に届きました。

これを見て真っ先に思い浮かんだのは“BIG BOSS“こと日ハムの新庄剛志監督がピカピカのS-ワークスにまたがり球場へ入ってきたあの姿。自分の中でふたつの出来事が繋がり思わず「なるほど…」とつぶやいてしまいました。

リリースを読むと、北海道日本ハムファイターズは札幌市の隣に位置する北広島市に「ES CON FIELD HOKKAIDO」(エスコンフィールド 北海道)の建設と、その新球場を中心とする「北海道ボールパークFビレッジ」という都市開発を進めており、そこにスペシャライズド・ジャパンが何かしら関わるということのようです。

約32haという広大な敷地に野球場、レジデンス、農園、商業施設などが集まります。(写真提供/©H.N.F.)

というわけで、7月26日に札幌市モエレ沼公園内イベントスペースで開催されたファイターズスポーツ&エンターテイメント(Fビレッジを管理・運営するために新しく立ち上げられた会社)とスペシャライズド・ジャパンのパートナーシップ契約締結の記者会見に参加してきました。

といっても北海道まで行くことは叶わず、メディア向けに限定公開されたオンライン配信での参加です。

記者会見はまず、ファイターズスポーツ&エンターテイメント 事業統轄本部 事業企画部長 小林 兼氏の概要説明からスタート。

2023年3月、Fビレッジの中核施設となる商空間「THE LODGE」にスペシャライズド・ジャパンの直営店が開業すること。さらにそれはアジア初となる「エクスペリエンスセンター」という形態(直営店の正式名称は「SPECIALIZED HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE EXPERIENCE CENTER」)となることが発表されました。

手前にあるロッジ風の商業施設。その向かって左側にスペシャライズド・ジャパンの店舗が入る予定。(写真提供/©H.N.F.)
内観イメージ画像より。モダンな内装で商品の陳列は最小限。この日登壇したルックマン氏曰く「ここはあくまでエクスペリエンスセンター。販売はサイドビジネス」とのこと。(写真提供/©スペシャライズド)

「エクスペリエンスセンター」とはライダーへ向けてスペシャライズド製品を使ったライド体験の提供を行う施設で、ここFビレッジではe-Bikeやロードバイクの試乗、レンタル、ガイドツアーなどサイクリング体験の提供に重点を置いた店舗づくりをしていくといいます。

続けて、スペシャライズド・ジャパンからマーケティングディレクターのゴチエ・ルックマン氏が登壇し、「エクスペリエンスセンター」を中心としたライドツアーの企画・運営、Fビレッジおよび周辺のサイクリング環境の整備や充実に向けたサイクリング文化の発信、さらに来場者に手軽にマウンテンバイクを体験してもらえる「パンプトラック」の設置など、具体的な取り組みについての説明がありました。

概要の紹介を終えると、小林氏とルックマン氏への質疑応答タイムへ。しかし残念ながらオンラインでは質問不可。聞きたいことがかなりあったのですが、残念……。

そして今回の記者会見の最後は、スペシャルゲストとゴチエ・ルックマン氏のトークセッション。ゲストとして登場したのは、元北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹氏です。

斎藤さん、すでにスペシャライズドのe-Bikeを所有しているそうで、サイクリングの楽しみ方やe-Bikeの魅力、また趣味の写真についてなど、多彩なテーマでルックマン氏と軽妙なトークを交わしていました。

配信を食い入るように見ながらメモを取る三宗。(photo La route)

さて、そんな記者会見だったのですが、三宗的にいくつか気になった点があったのでピックアップします。

まずひとつ目は、この「エクスペリエンスセンター」がアジア初の開業という点。
エクスペリエンスセンターなる施設はアジア初どころか、現在はアメリカに2店舗しか存在しません。ヨーロッパや他の地域を飛び越えて北海道に開業するということで、いかに本国スペシャライズドがこのFビレッジに注目しているかが伺えます。

ふたつ目は、周辺のサイクリング環境の整備・充実といった今回の説明の中でも、とりわけ具体性を感じた「パンプトラックの設置」というワード。これは筆者的に合点がいきました。というのもスペシャライズドは、アメリカ各地にあるローカルバイクパークに出資して次々とパンプトラックを造成。本社の裏にも大規模なパンプトラックを設けるなど、かなり力を入れている分野なのです。

さらに調べてみると、先述の北米のエクスペリエンスセンターにもパンプトラックが存在するようなので、今回Fビレッジに作られるのも必然だったと言えます。これをきっかけに、日本にもパンプトラックカルチャーが根づいていくのか注目です。

Fビレッジは、自転車で20分圏内にロードバイクやグラベル、MTBを楽しむことができるフィールドが広がっているという恵まれた環境の中にあります。アジア初、世界で3店目となる「エクスペリエンスセンター」がそんなFビレッジとどのような化学反応を起こすのか。来年の開業が今から楽しみです。

(三宗)