正解なんてない、という話
小畑メカの「言いたい放題」のvol.3を公開しました。
タイトルで「最も優れたタイヤシステムは?」と謳っているにもかかわらず、「正解は〇〇〇です」と断言はしていません。
「使う環境」「求めている性能」「乗り手の知識や技術」などによって正解は変わるからです。言い換えれば、「唯一絶対の正解なんてない」んです。
これはタイヤ/ホイールシステムに限った話ではありません。
フレーム、コンポ、その他パーツ、ポジション、ペダリング、タイヤの幅や空気圧、走り方、楽しみ方、自転車との付き合い方などにも言えること。要するに自転車にまつわるあらゆることに正解はないんです。
色んな技術者に話を聞いても同じ。皆さん口を揃えてこう言われます。
「ただ一つの“正しい設計”なんてありません。正解は、使う環境、目的、素材、コスト、様々な前提条件によって変わります」。
自転車って、真面目に考えれば考えるほどそういう思考に帰結していきます。
テストの回答みたいに、自転車の機材や乗り方にただ一つの正解を求めたくなるのも分かります。誰もが「正しいポジション」とか「一番速いバイク」を知りたいと思っているはずですから。
でも、自転車が本当に面白くなってくるのは、「正解はたくさんある」ことに気づいてから。「自分だけの正解を見つけるためのプロセス」が自転車趣味の楽しみでもあることが分かってからだと思うんです。
正解がないからこそ自転車は面白い。僕はそう思います。
だから、「これが正解です」という分かりやすい答えは提示できないかもしれません。
でも、小畑さんの知識と経験をお借りしつつ、読者の皆さん各人の正解への道案内はできるかもしれない、と思ってます。
この連載が、自転車と共に暮らす日々のヒントになると嬉しいです。
(安井行生)
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