7月某日、僕らは群馬県の渋峠にいました。ここに来るのは2回目ですが、やっぱり好きです、渋峠。先日訪れた車坂峠の斜度はかなりキツかったですが、こちらは終始緩やか。それでいて景色もよいですし何より涼しい。頂上には「日本国道最高地点」というモニュメントもあって達成感もありますしね。ちなみに頂上付近の気温は18度と寒いぐらいでした。

今回の目的は渋峠のカンパニーライド…と言いたいところですが実はそうではありません。翌日、渋峠からほど近い群馬県の嬬恋村で開催される、とあるバイクの試乗会に参加するためです。

そのバイクとは、SNSで絶賛話題沸騰中のスペシャライズドのターマックSL8。前作のターマックSL7から早3年、ついにフルモデルチェンジを果たしました。

というわけでまずは車体から。

すでにSNS等でリークされていた通りの形状です。オルトレやマドンのような奇抜なデバイスや形状は一切なしのロードバイク然としたカタチですね。写真1枚目が安井が試乗した49サイズ、2枚目が僕が試乗した52サイズ、3枚目が高山が試乗した54サイズ。全ラインナップのグレードと主要装備、価格は以下の通り。

最軽量カラーのフレーム重量はなんと685g。プロとエキスパートのフレームは共通で重量は780g。つまり前作のエスワのSL7(800g)よりも軽くなっています。ではこちらからは全グレードのカラーを見ていきましょう。

エスワ、ターマックSL8のデュラDi2組み。カラ―展開は2色。179万3,000円。

エスワフレームにレッドのeタップ組みでカラーは2色。173万8,000円。赤のフレームはよく見ると模様が入っています。

フレームセットは全6色あり、スライドショー1枚目が最軽量となる「Ready to paint frame set」。価格はすべて73万7,000円。

プログレードのアルテDi2組みは110万円。カラー展開は2色。

プログレードのフォースeタップ組みで104万5,000円。

エキスパートはライバルのeタップ組みで3色展開。すべて82万5,000円。

当初、情報解禁日は8月下旬だったんですが、スペシャライズド側の事情で急遽繰り上がることになり8月7日(月)10:00となりました。とはいえ、この原稿を書いている8月2日時点で、車体写真はおろかスペックまでもがどこからかリークしてしまっている状態。
人の口に戸はたてられぬというものの、これではマジメに情報解禁日を守る意味がなくなってしまいます。メーカーとしても情報コントロールをしたいところでしょうが、誰もが情報発信できる時代においてそれはかなり困難でしょう。それだけターマックが注目されていることの証左でもあるんですが、今後のプロモーションのあり方を考える必要がありそうです。

さて、La routeでももちろん試乗記をお届けしますが、試乗会から解禁日までがわずか一週間しかなくしっかりとした制作時間がとれないため、本稿ではグレードと価格を軽く紹介するのみとします。その代わり8月14日(月)18:00にいつも通りの突っ込んだ内容でお届けします。

短い時間ではありましたが、もちろん僕も試乗させてもらいました。詳細なインプレは安井に譲りますが、この乗り味はめちゃくちゃ好みです。一言でいうなら圧倒的人車一体感・・・・・・・・。試乗コースのほとんどは上りと下りしかなかったんですが、どの領域でもよどみなく、そして恐ろしくスムーズに加速していく。この原稿を書いている今も、もっと時間をかけていつも走っている道をSL8で走ってみたいと思い返すほど。

聞けばSL8の開発にはあの○○○○で培った技術やノウハウがいかんなく発揮されているとのこと。やはりか。

残念だったのはラピーデCLXⅡに装着されているタイヤがチューブドだったこと。チューブレスに変えたら印象はさらに変わると思います。もちろんいい方向に。

これまで最新モデルを「良い」と感じることはあっても「欲しい」とまで思うことはあまりなかったんですが、SL8、本気で欲しくなりました。僕の用途だとエスワである必要は全くないんですが、試乗したマットホワイトのカラーが良いんですよね。
ちなみに普段乗っているヴェンジは52なのでSL8も52を試乗したんですが、合間を見て54にも乗ってみたところまさかの違和感なし。どちらのサイズにするか悩ましいところです。いやいやいや、買いませんよ、ええ。買いませんとも。

ちなみに“コブダイ”などと揶揄されていたヘッドチューブですが、ここだけ切り取るとそうだな、というレベルで実車ではまったく気になりません。

というわけで繰り返しになりますが、La routeのターマックSL8の試乗記は、8月14日(月)18:00公開です。お楽しみに。

(栗山)