大阪でどうしても行ってみたいお店がありました。自転車工房「のむラボ」です。La route読者の皆さんには説明不要かとは思いますが、ブログ「のむラボ日記」でおなじみのあの方です。

のむラボ日記は毎日更新。ディープかつときに辛辣ながらも、自転車愛とユーモアがあふれており、自転車に真正面から向き合っているのが、店主である野村さんの文章から伝わってくるんですね。
いっぽうで、筋が通っていないことがあれば徹底的に糾弾することでも知られています。その根底にあるのはお客さんの不利益になることは許さない、という確固たる姿勢。これらはあくまでブログを読んだうえでの印象なので実際のところはどうなのかはわかりません。ただ、小難しい話は抜きにしても、読み物としてもシンプルに面白いので以前から気になる存在だったんです。

ただ、のむラボに行ったことのある方のブログやレビューを読むと、めっちゃ怒られそうだな…怖そうな人だなとやや及び腰になっていたのも事実…。メディアにも一切出てないので実際のところは何もわからないわけです。

「一体どんな方なんだろう…?」

若干の緊張とともにドアを開けると「あ、電話してきた人ですか? どーされました」と。

事前の電話ではお店が何時から営業しているかしか聞かなかったので、かくかくしかじかこういうものですと挨拶をしたら、安井とは過去に一度面識があったようで、ぶっきらぼうながらもホイールを組みつつ、お客さんの接客をしつつ、いろいろと話をしてくれました。

野村さんが考える良いホイールとダメなホイール、スポークの本数、結線の意味、輪ゴムの話、自転車業界のこと、メディアのこと、お店の在り方など、話はとにかく多岐にわたりました。そしてその間も、野村さんの腕を頼ってやってくる何人ものお客さんたち。

「正式にインタビューさせてほしい」
「野村さんの考える理想のホイールをテーマにした記事を書いてほしい」

実は話の途中でそんなお願いもしましたが、「あー無理ですね」と予想はしていたものの、即答できっぱりとお断りされました(笑)。そのほかの詳細なやり取りはここには書きませんが、訪れたのが15:00過ぎ、お店を出たのが19:00過ぎ。気が付けば4時間以上も滞在していたことになります。はい、めちゃくちゃ面白かったからです。

帰り際に「あのカニが好きなんですよね。野村さんが書かれているんですか?」と帰り際に伝えると、ブログでよく見るあのホワイトボードに……

のむラボ

………!

野村さん、お忙しい中ありがとうございました。とても学びのある時間でした。また来ます(来るなって言われそうですけど)。

(栗山)