仕事と梅雨と体調不良で、まともに走れない日が続きました。
梅雨が明けた途端に太陽が肌を刺すようになり、心を自転車へと誘う今日この頃、半日ほど時間がとれたので山深い某峠に行くことに。
バイクは785。正確には785RS ZED。いやもっと正確には785RS ZEDのZEDクランク抜き、ですが(ZED2クランク抜いてアダプターかましてカンパのクランクで運用)。

脳天に響く強烈な剛性感。それによって生まれる凄まじいダイレクト感。
久しぶりにバイクラックから降ろした785、それは相も変わらず鮮烈な自転車でした。
ゆっくり流して気持ちのいいバイクではありません。その代わり、激坂での進みっぷりは物凄いものがあります。なんというか、爆竹みたいなバイク。

坂で速く走ろうと思ったら、こんくらいの剛性が必要だろ。
ルックのエンジニアはあっさりとそう言い放ちました。
普段ならこの剛性にシバき倒されて2時間で「はい終了」なんですが、今回は脚がフレッシュなので、5時間走ってもなんとか大丈夫。リヤをボーラにして、攻撃的な剛性感をちょっと和らげる工夫も効いてますが。

こいつで走っていると、「なにかと競う」とか「坂を速く走る」という行為の本質を剥き出しにして、目の前にドンと差し出されているような気分になります。これは、「優しくてスムーズで快適で扱いやすくて……」という時代の流れとは明らかに違う方向。同種のエンジニアリングを持つエートスともやっぱりなにかが違う。このバイクだけ異質なんです。

もうこんなバイクは出てこないかもしれない。
そんなことを思いながら、夕空に尾を引くすじ雲を眺めつつ、ヘロヘロになって帰ったのでした。

(安井行生)