1月21日(土)に調布市にある味の素スタジアムで開催された「ワイズロードスポーツバイクデモ2023in東京」。注目モデルの試乗車ありセール品ありと大いに盛り上がったようですが、その前日に開催されたメディア向けの「ワイズロードスポーツ自転車試乗会」にお呼びいただき、参加してきました。

出展するメーカーは約60。各社のニューモデルはもちろん、ホイールやシューズなども試せるという、大規模試乗会です。存在は知ってましたが、参加したのは初めて。

会場に到着するとすぐカーボンドライジャパンの方に「あー安井さん、これ見てってください」声をかけていただきました。シクロクロス用のビッグプーリー(シマノ・GRX専用設計)。某シクロクロス選手と共同で開発したものだとか。

ロード用と何が違うのかと思いきや、裏側がこう。

ホイールが巻き上げた泥や砂が入らないよう、肉抜きがないんですね。表側は異物が排出されるよう肉抜きされてますが、通常のビッグプーリーとは違ってベアリングのセンターはカバーするなど、シクロクロス用として形状が最適化されているそう。芸が細かい。

今最も注目されているバイクといえば、トレックの新型マドン。安井は今回が初対面でした。試乗コースを一周させてもらいましたが、隙がほぼない完璧君という第一印象。この新型マドンには、スポーツバイクデモ後に行われたBOTY(日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー)の試乗会でしっかり乗り込みました。評価は後日、記事にて公開します。

しかし見れば見るほどすんごいカタチですね。これをきっちりまとめてくるあたり、まぁなんともトレックらしい。トレックのスタッフさんたちがランチに行ったのを見計らって、シートポストを抜いてみました。こういう構造になってるんですね。ポスト側に押し子があるという珍しいタイプ。

このイベントの目玉の一つであるアンカーのRP8。僕に合う440はありませんでしたが、490にちょい乗りさせてもらいました。105完成車に付属するのはマヴィックのアクシウムですが、試乗車は105のカーボンホイールを履いているというプチ広報チューン(笑)。それを差し引いてもフレームの素性は非常にいい感じです。

しかも、RP9は電動専用でしたが、RP8は機械式変速でも組めるとのこと(ただしフルアウターになるのでフロントディレーラーはケーブル受けが付いたタイプである必要がありますが)。ケーブルルーティングを見る限り、グロータックの機械式ブレーキキャリパーでもなんとか組めそう。フレーム買いしてリムブレーキ用の軽いコンポで組めば……なかなかの1台になりそうです。フレームで約30万円。うーん、ちょっと欲しいかも。440の試乗車が用意されたら、La routeでもしっかりと試乗をする予定です。

ロード界的には注目モデルのはずなのに、なぜかあまり話題になっていない新型フォイル。自転車界にカムテールデザインを持ち込んだ近代エアロロードの父なんですけどね。聞くと、入荷数が非常に少なく、試乗車を用意したくてもできないと。残念。

S5にプロペルにマドンにこのフォイル。2023シーズンはエアロロードが大きく動く年です。ルック、スペシャ、キャノンデールがどう対抗するか――。そんな技術戦争とはちょっと離れたところで話題になっているあのモデルも来てました。フカヤのオリジナルブランド、ギザロのGE-110です。

ロングライド~ブルべ界隈で注目を集めているこのバイク、試乗車はサイズが大きすぎたため見送り(スモールサイズの試乗車が用意されたときはLa routeで試乗記を書く予定)しましたが、せっかくなのでその隣にあったシクロクロスバイクのGX-110に乗らせてもらいました。「GE-110に乗れない代わりにこれにでも乗っとくか」的なノリだったんですが、予想以上のいい走りに驚きました。まぁシクロクロスバイクを舗装路で乗ってもしょうがないんですが、基本性能はかなり高そう。これもお借りしてしっかり乗ってみたいです。

メーカーの担当者の方々とおしゃべりをしていると、時間がどんどん過ぎていきます。あっという間に試乗終了の15時に。いくつか興味深いネタも仕入れることができ、取材に繋がる打ち合わせもできと、有意義な5時間でした。

当日はワイズロードの各店舗のスタッフさんが新機材を体験するための「ワイズロードスタッフ試乗会」も併催されており、何人かの店員の方から「La route読んでます。今度ウチの店にぜひ来てください」と声をかけていただき、嬉しくておじさんちょっと泣きそうになりました(笑)。ワイズロードのNさん、お誘いいただき、ありがとうございました。

(安井)