「シリアスに走る人たちの集まりとか、セレブのグループだと思ってる方、多いみたいなんですよねぇ」と苦笑いするのは、RCC(ラファサイクリングクラブ)のとあるメンバー。

まぁ確かにRCCにそういうイメージがないわけではありません。
でも実際は全くそんなことありませんでした。

La routeの会員さんであり、RCCのメンバーでもあるEvonosukeさんから、「RCCのライドに参加してみませんか?」とお誘いをいただきました。どんな世界か興味があったので、「ぜひ!」とお返事。先週末、La routeの連載「不惑からはじめるロードバイクライフ」を執筆している高山と一緒に参加してきました。

ご存知の方も多いと思いますが、RCCとはラファが主宰する世界的なサイクリング・コミュニティ。メンバーになるには年会費(1万1,500円)が必要になりますが、専用ウエアや他ブランドとのコラボ商品の購入権、RCCメンバー限定のグループライドへの参加、クラブハウスでのコーヒーが半額、さらに自転車保険が付帯するなどの特典があります。

中には排他的なグループもあるのかもしれませんが、今回参加させてもらったグループの雰囲気は超アットホーム。もちろん「ラファが好き」という共通項はあるのでしょうが、ラファというブランドに対する忠誠心とか熱狂とか、そういう(外部から見ればネガティブな印象を抱きがちな)ものとは無縁の皆さんでした。

朝8時半に矢野口ローソンに集合し、自己紹介とブリーフィングを行い、スタート。60km/700mアップというコースを作ってくださったのは、今回のライドリーダーも務めてくださったEvonosukeさん。最高気温36度の予報ですし、女性も数名参加されているので、あくまでペースはゆっくり。

スタート前。左から、安井、La routeプロデューサーの栗山(早朝ライドを終えてRCCライドの見送りに来た)、「ついていけなかったらどうしよう……」とビビっている高山。右にいるのが、体脂肪率5%台前半だというEvonosukeさん。手脚に浮き出た血管がハンパない。僕の腹周りに付き始めたやつ、ちょっと分けてあげましょうか?
今回のRCCライドに参加するみなさん。スタート前の自己紹介&ブリーフィング。
人数が多かったので、2グループに分かれて尾根幹のバーミヤン坂を上る。

まずは尾根幹を一路津久井湖へ。心配された暑さですが、うっすらと雲がかかる時間もあり、熱中症の心配はさほどしなくてよさそう。
湖周のアップダウンを楽しみ、所々で写真を撮りながら、手作りシチューで有名なレストラン「ハックルベリー」へ。ランチで同席したライドメンバーの方(PBPを完走されたというランドヌーズ。クオリスのチタンバイクのオーナー!)に、僕が知らない領域の面白いお話をお聞きできました。これもグループライドの大きな魅力です。

津久井湖畔。湖を左手に見ながら、木立の中を走る気持ちのいいコース。

腹を満たした後は、手作りジェラート専門店「ジェラテリア レガリーノ」に寄り道しつつ、野猿街道で連光寺坂へ。ただ連光寺坂を通過するのではなく、一本裏側の記念館通り(激坂)を入れるあたり、坂ジャンキーEvonosukeさんならではのコースメイクです。

最後に12%ほどの坂で脚に刺激を入れたあとは、ゆうひの丘で絶景を眺めながら休憩。川崎街道で矢野ローまで戻り、アイスで体を内部から冷却しつつ自転車談義と、贅沢な一日でした。

「ジェラテリア レガリーノ」のジェラートはやばいくらいにうまかった。今度家族を連れてこよう。
ゆうひの丘で集合写真。前列はなぜか「すしざんまい」のポーズ。

僕が一人で走るときは、基本的にただ走るだけ。ただ無心になってペダルを踏むだけ。そういう自転車要素100%のライドも楽しいものです。でも、そういう走り方をしていると、自分の内面に深く深く潜航していくような精神状態になります。瞑想に近いかもしれない。
一方、今回のような多人数でわいわいとやるライドには、色んな性格の、色んな脚質の、色んな機材の、色んな価値観のメンバーが集まります。年代も職業もバックグラウンドも違う。自ずと精神状態は外界に開かれ、自分にとっていい意味で異質なものを取り入れることができます。刺激にもなるし、勉強にもなる。それは瞑想ライドとは正反対ですが、同じくらい楽しい。

ロードとMTBの間にグラベルロードというカテゴリができ、バイクパッキングという遊びが発明され、スポーツバイクの世界は多様になった、と言われます。でも多様化したのは機材とかカテゴリだけじゃない。
かつてはショップやチームの練習会か仲間内でやるツーリングくらいのものだったのが、昨今はSNSやラファのような存在によって数えきれないほどのコミュニティが形成され、インドア含め多種多様なライドが行われています。走り方・仲間との出会い方も多様になりました。

いい時代になった、と思います。今回のRCCライドで、それを再認識しました。
Evonosukeさん、一緒に走ってくださった皆さん、ありがとうございました。また行きましょう。

(安井)