「高山さん、この人知ってる?」

そう言って栗山から送られてきたXのリンク。開くとロードバイクに乗ったかわいらしい女の子のイラストが。

描き手の名は「ぬこー様ちゃん」。

女の子のキャラクターは、ぬこー様ちゃんさんご自身(公式Xによれば、漫画を打ち切られすぎて美少女になったそうです)。Xのフォロワー48万人にして、Kindleインディーズマンガの無料配信は600万ダウンロードを越えるという漫画家さんで、富士ヒルでブロンズリングを獲得しているロード乗りでもあります。

聞けば栗山は、ぬこー様ちゃんさんと同郷(岡山出身)かつロードバイク乗りということもあって、以前から気になる存在だったのだそう。

そんなぬこー様ちゃんさん(「さん」を付け続けるか悩む…)が代官山の蔦屋書店でトークイベントを開催するとのことで、それを知った栗山から「行ってみよう」と誘われたのです。

高山はぬこー様ちゃんさんのことはフォローしてなかったのですが、それでもかなり興味あり。かく言う僕の知り合いにも絵師がいて、その業界のことは時折話に聞いたりしていました。

というわけで急遽当日になって決まったのですが、イベントに参加すべく会場となる代官山の蔦屋書店へ行くことに。ちなみに僕は通勤で乗ってきたジオスを駆り、オフィスから自走。体調がイマイチだった栗山はホンダ・フュージョンで現地へ向かいます。

極寒の246を走ること30分、代官山の蔦屋書店に到着。ここに来るのはおよそ2年ぶり。自分の周りでも書店が減っていき、活字メディアに携わる者の端くれでありながら、本を買うにもAmazonばかり利用してしまっていた今日この頃。こうして実物の本や雑誌にまみれた空間に来ると、いやが上にもテンションが上がってしまいます。

トークイベントはぬこー様ちゃん(「さん」付け、そろそろやめようかな)とイラストレーターのさいとうなおきさんの対談形式。栗山と合流し、蔦屋書店併設の「ガーデンギャラリー」に行くと、開場時間のだいぶ前から来場者の列ができていました。

旧山手通りから最も奥まった場所にあるガーデンギャラリー。ここに来るのは初めてです。

トークイベントの参加費は2,000円で、定員は80名。会場に入るとお二人のファンで満員御礼。さらに200名限定でZOOMでのオンライン配信も行われました。

日中はこのギャラリー内で、ぬこー様ちゃんのグッズ販売とクソハデターマッくんの展示が行われてました。

そしていよいよ、ぬこー様ちゃんとさいとうなおきさんが登場。ぬこー様ちゃんはなんと、愛車のSワークス ターマックSL7(通称「クソハデターマッくん」)に乗車しながら自らの席へ。自転車から降りると、来場者の前にサラッと置いてトークがスタート。

これが、ぬこー様ちゃんのクソハデターマッくん。トーク中もこんな感じでざっくりと置かれてました。

トークは事前に募集していた来場者からの質問やお悩みに答えていくかたちで進行。チャンネル登録者数130万を誇るイラスト系YouTuberであるさいとうさん(当初のチャンネルは諸事情で凍結され、現在は新しいチャンネルで活動中)と、Kindleインディーズマンガのダウンロード収益でウン千万円を稼いだぬこー様ちゃんによる「イラストのマネタイズ」に関する話には、高山も目ん玉を丸くするばかり。

トーク内容については詳しくは触れませんが、別世界の住人たちによる雲をつかむような話ばかりかと思いきや、決して突拍子もないことだけをやっているわけではなく、タメになる話をいくつも聞くことができました。あと、ぬこー様ちゃんはたびたび「炎上」で界隈に話題を振りまいてしまうお方なのですが、トーク中の話しぶりはいたってジェントルかつスマート。その辺のギャップも面白かったです。

最後は質疑応答タイム。ここぞとばかりに隣の栗山が指先までピンと伸ばして挙手&アピールをするも、残念ながら指名はされず。ただトークイベントそのものは大盛り上がりでお開きとなりました。

最後まで手を挙げ続けた栗山曰く、ぬこー様ちゃんにロードバイクに関する質問をしたかったとのこと。たしかに。トークイベント中ずーっとターマックが目の前に鎮座しているのに、誰も触れずじまいでした。ぬこー様ちゃんがどのように自転車にハマったのか、なぜにターマックなのか、愛車遍歴は……いつか聞いてみたいですね。

蔦屋書店でぬこー様ちゃんのグッズなどを買っていたら、もう10時近く。濃いめの異業種・異文化体験を楽しんで、クソハデターマッくんの25分の1の値段のラブリージオスちゃんで寒空の下を帰ったのでした。

(高山)