少し遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

今年は例年に比べて年末年始の休暇を多めに取ることができ、編集部もこれを書いている1月9日より本格始動しました。

さてそんな年末年始における高山のライド事情ですが、特に昨年後半などは「自転車に乗る時間がない」と憤っていたにもかかわらず、実際はあまり乗れていません。

高齢になった両親と家族水入らずの時間を過ごしたり、部屋に積まれた未読本を読み進めたり、買い物や初詣、推し活(笑)、近々予定している引っ越しのための物件選びなど、時間ができたらできたでやりたいこと、やるべきことがいくつも噴出してきて、そのあおりで自転車の序列が下がってしまった日々でした。

前回のDAYSでは「Festive500」にチャレンジし始めた旨を記しましたが、こちらも未達成で白旗。実は200km走破した翌日あたりから体調が今一つで、12月27~28日はベッドの上で過ごす羽目に。回復した29日にはナイトライドを敢行して60kmほど距離を積みましたが、31日まであと2日という段階で、500km到達に必要な距離は220kmほど。不可能な数字ではなかったんですが、2日連続で100km以上走るのは身体に堪えると弱気になり、チャレンジはフェードアウトしてしまったのです……。

その代わりと言っては何ですが、30日と31日の2日間で、勝手な個人的チャレンジを敢行してみました。

「Festive50,000」

どうですか。5万ですよ、5万!
これは、ウォーキング/散歩も趣味としている僕が、2日間で50,000歩を歩こうという企画。ちなみに僕がウォーキングクレイジーであることは、こちらの記事でも少し触れています。

歩くことの魅力は何と言ってもめちゃくちゃ気楽な点。服装も寒さをしのげれば何でもいいし、持ち物もスマホと財布くらいでいい。自転車も機動力の高い遊びですが、数十万円する乗り物にまたがってる時点で「身軽」とは言いにくい。もちろん自転車に乗るのは楽しいし大好きなんですが、ほぼ自分の身一つで着の身着のまま自由に動けるという点では、ウォーキングに軍配が上がります。

というわけで、Festive50,000チャレンジの1日目は、自宅(世田谷区内)のそばにある緑道を端まで歩いてみることに。自分が通っていた小学校の裏にある緑道で、最寄り駅へ行く際に使うルートの一つなんですが、この緑道の終わりを見たことはありませんでした。緑道沿いにあるマップを見てみると、どうやら目黒川のほうまで続いているらしい。まずまずの距離が稼げそうです。

普段は見向きもしていなかった緑道マップをチェック。この日はゆるゆると続く緑道に身を任せて歩くのみ。スマホの地図アプリも必要なし!

「ここは歩いたことあるな」「ここでこの道とぶつかるのか」など心の中で独り言をつぶやきながらせっせと歩いていると、1時間半ほどで終点に到着。そこは東急田園都市線の池尻大橋駅の脇でした。しかしまだまだ余力はありますし、ここから公共交通機関で帰るという選択肢はもちろん皆無。246と山手通りが交差するところにある某スーパーで、サイクリングでは禁断のアルコールという燃料を補給し、体内を温めたところでウォーキングを再開。

結局この日は、山手通りを北上していき、方南通りを西に進んで世田谷区内に戻るというルートで、歩行距離22.3km。チャレンジ初日にして30,000歩をクリアしました。

iPhone内蔵のアプリ「ヘルスケア」で確認したところ、1日目の距離と歩数はこんな感じ。Stravaでルートも記録しておけばよかった……。

2日目は小田急線の線路に沿うようにして東へ。人気のない下北沢の商店街や、明らかにクルマが少ない井の頭通りなどを進みながら、新宿までを往復。電車なら往復30分で運賃400円の道のりを、4時間半かけて運賃ゼロ円で移動してみせました。この日は歩行距離21km。歩数は25,000歩越えで、見事Festive50,000を達成です……!

さすがに大みそかの下北沢は静か。
2日目の記録。両日合わせて43.3km、56,397歩で、Festive50,000を達成。ちなみに年明けもほとんどの移動を徒歩で済ませた結果、1月1日~8日までに112.3kmも歩いてました。

La routeメンバーなのに歩いてばっかですみません。さすがに罪悪感を覚えた僕はその日の夜、年越しを迎えるや眠りにつき、朝4時に起床。東京湾に面した城南島海浜公園まで、自転車を走らせて初日の出を拝みに行ったのでした。

ちなみにこのときのライド、どういうわけかめちゃくちゃ気持ち良かったんですよね。

真っ暗な元日朝方の山手通り。「今この道を走っているのは僕だけなんじゃないか」と妄想しながら走り抜けるワクワク。
少しずつ空が明るくなっていく中、ベイエリアにかかる橋を越えていく高揚感。
「お昼までに帰れればいいや」と無駄に遠回りをして、雲ひとつない空の下、なーんにも考えずにペダルを回す爽快感。

自転車だから味わえるこの手の多幸感は、淡々とやり切ってしまった50,000歩ウォークの直後だったからこそ、より際立って感じられたような気がします。

徹底的に身軽で自由度の高いウォーキングと、より速くより遠くへ誘ってくれる快楽性の高いサイクリング。この2つのアクティビティをバランスよく楽しみながら、心も身体も健康な一年にしていきたい。そんなことを考えた2024年のスタートでした。

(高山)