自転車に乗るうえでなくてはならないパーツはいくつかありますが、そのうちのひとつがペダルです。みなさんはどこのメーカーのどのモデルをお使いでしょうか。

僕のまわりには圧倒的にシマノが多数。業界関係者にもシマノペダル愛用者が多いので、メディア向け試乗会にいくと、試乗車にシマノのデュラペダルが標準でついているときもあるほどです。

信頼性、耐久性、汎用性、クリートの入手性などをトータルで考えると、シマノのペダルは間違いないセレクトですよね。「どのペダルがいい?」と聞かれたら僕もまずはシマノをすすめます。

さて、そんなシマノ一強のペダルシーンですが(※当社比)、アマノジャクな僕がつかっているロードバイク用ペダルは、MAVICです。
2008年ごろでしょうか。MAVICがオリジナルのペダルをつくっていた時期があったんです。色々とググッっていたら、フォーチュンバイクの錦織大祐さんが書かれたブログが出てきたので、プロダクトの詳細はこちらをご覧いただければと。

それまではロードに乗るときもずっとMTBタイプしか使っていなかったので、実はこのMAVICペダルが、マイファーストロードペダル。シュッとしたフォルムと、そもそもMAVIC好きということともあって発売後すぐに買った記憶があります。

 

しかし数年後、このMAVICペダルはあっけなく終売となり、その翌年、新たにTIMEのペダルにMAVICロゴを貼り付けたOEMモデルが登場。それと同時に僕の使っているMAVICのペダルは、あちこちで叩き売りされるようになっていったのです……。

終売とわかっていながらも、中古でありえない安さで売られていることもあって、さらにグレード違いのMAVICペダルを買い足すという暴挙に出る始末。我ながらアホですね。結局、我が家にはMAVICのペダルが合計3つという状態になりました。

さあ、もうお分かりですね。そこで問題になってくるのが、クリートです。当然ながらそのあとに出たTIMEのOEM(これももう終売なんですが)はおろか、他メーカークリートとの互換性もまったくないので、このペダルも僕のペダル史の闇に葬り去らなければなりません(おおげさ)。

ペダル終売を聞いた直後、少しでも延命させようとクリートをいくつも買っておいたんですが、先日久しぶりに部品保管箱を開けてみると…

あと2セットしかないじゃん…!

 

いつかこの日が来ることはわかっていたんですが…もうすでにメーカー在庫はないでしょう。さらにいえばクリートだけではなく補修部品ですら手に入らないはず。マイナーなものを使うと、こういうリスクと常に隣りあわせなんですよね。それをわかっていても手を出してしまうのは、僕のクセのようなものなんでしょうけど。

 

さて、先ほども書きましたが、MAVICは個人的に好きなメーカーのひとつです。その理由のひとつが、100年以上もの歴史がありながらも常に挑戦を続けるその姿勢です。

ご存知でしょうか。MAVICが1999年にメカトロニックという変速機をつくっていたことを。しかも今や当たり前となった電動の無線式…! YouTubeで動作シーンを見つけたので貼り付けておきます。

 

このメカトロニックの登場は業界に衝撃を与えたものの(たぶん)…そもそもの変速機構にいろいろと問題があったらしくMAVICの黒歴史になってしまったわけですが、機会があればつかってみたいものです(お持ちの方、ぜひお願いします!)。

 

挑戦には必ずリスクが伴います。そして、たとえモノがよくても、いいモノが必ず売れるわけではありません。時代性、ブランド力、値段、販売方法、それらをバックアップする資金力。

店頭に並んでいるいろんな商品を見ていると、努力すれば報われる、それだけでうまくいく世界ではないんだろうな……とぼんやりと思う今日この頃でした。新しいペダル、何買おうかな。

(栗山)