※7/27~7/30更新。↑の見出しをクリックすることで該当箇所へと飛べます。

6月28日(水)/フランス到着、なおも移動日

2023年のツール・ド・フランス取材の始まりは、パリから600kmを南下するドライブだった。

昨年も一ヶ月にわたり散々見た、フランスの田舎風景をひたすら車窓に眺めながらのドライブダウン。今年のグランデパールはスペイン・バスク地方の中心都市ビルバオ。パリからは1,000kmほど南下した先にある街だが、3週間後にパリに戻ってくることを考えると、パリで取材用のレンタカーを借りて返却するのが都合がよい。ということでまずは大移動から今年のツール取材は始まった。

初日の夜は、ボルドー郊外に宿をとった。何よりもワインが思い浮かぶボルドーの街だが、例によって我々取材班は高速道路出口に密集したホテルチェーンに泊まるのだから、美食に舌鼓を打つようなレストランには縁がない。しかし、フランスのチェーンレストランで僕が最も愛する「レオン」でムール貝を食べることができたので、首尾は上々なのであった。

前回のツール取材の始めと終わりにムール貝を食べたので、これを食べるとツールが始まる、という気がしてくる。昨年の本連載でも触れた「レオン」は僕が愛してやまない海鮮レストラン。

recommend post


interview

與那嶺恵理の現在地

女子プロロードレーサー、與那嶺恵理。日本国内で活躍後、2016年にアメリカのチームと契約し、その後フランスの名門チームにも所属。現在は、来期ワールドツアーチームに昇格する「ティブコ・シリコンバレーバンク」で、日本人の女子選手として唯一、ヨーロッパのトップカテゴリーで走る選手だ。「Just a bike race。誰かに言われて走るんじゃなく、自分がここでレースをしたいから走る――」。自身にとってのロードレースをそう評した與那嶺。彼女へのインタビューをもとに東京五輪を振り返りながら、日本のロードレース界を、そして與那嶺恵理の現在地を、La routeでおなじみの小俣雄風太が探る。

2021.09.06

interview

A Day in Peter Sagan

世界選手権3連覇をはじめ、グランツールで数々の偉業を果たした自転車界のスーパースター、ペテル・サガン。オーストラリアでの世界選手権の直後、そんなサガンが突如として来日。これにあわせてアジア各国のリテーラーやインフルエンサー、そして一般サイクリストを招いた「OWN YOUR ROAD」が開催された。3日間に渡って行われた一大イベントの模様を、岩崎竜太、田辺信彦の2名のフォトグラファーが切り取った珠玉の写真の数々でお届けする。

2022.11.16

touring

La route栗山の環島ツアー参加レポート|夢の付き人

サイクリストなら、環島(ホァンダオ)という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。環島とは徒歩含む何らかの移動手段で台湾を一周することだが、サイクリストにとってのそれは、自転車での台湾一周を意味する。3月上旬。プロデューサーの栗山晃靖が、ふとしたきっかけで環島自転車ツアーに参加することになった。1日100kmを9日間連続で走るライドは彼にとって未知の領域。そもそもなぜ台湾を自転車で一周することになったのだろうか。果たして無事完走することはできるのだろうか。環島自転車ツアーに参加した栗山の9日に渡るレポートをお届けする。

2023.05.15

interview

EFFECT オーナーメカニック・日比谷篤史さんインタビュー|本気か、どうか

ライディングスタイルと同様に多様化する「自転車にまつわる働き方」にスポットをあて、好きを仕事にした様々な自転車人にインタビューする連載企画「自転車で食べていく」。記念すべき第 1 回は 2013 年にスタートした、国内における自転車メンテナンス専門店のはしりともいうべき「EFFECT」のオーナーメカニック、日比谷篤史さんにお話を伺った。

2021.12.13

interview

夢の続きを

2021年1月23日。女子プロロードレーサー、萩原麻由子のSNS上で突如として発表された引退の二文字。ジャパンカップで9連覇中の沖 美穂を阻んでの優勝、カタール・ドーハで開催されたアジア自転車競技選手権大会での日本人女子初優勝、ジロ・ローザでの日本人女子初のステージ優勝――。これまで数々の栄冠を手にしてきた萩原は、何を思い、引退を決意したのか。栄光と挫折。挑戦と苦悩。萩原麻由子の素顔に迫る。

2021.02.22

interview

変わりゆくプロトン、変わらない別府史之

別府史之、38歳。職業、ロードレーサー。日本人初となるツール・ド・フランス完走者のひとりであり、高校卒業後から現在に至るまで、数えきれないほどの功績を日本ロードレース界にもたらしてきた人物だ。今回のインタビューは、フランスに拠を構えている別府が帰国するという話を聞きつけ急遽実施。インタビュアーは、別府史之を古くから知る小俣雄風太が務める。

2021.06.21

column

全日本自転車競技選手権大会ロード・レース観戦記|チャンピオンとしての風格

2023年6月25日、静岡県の日本サイクルスポーツセンターで91回目となる「全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」が開催された。1周8kmを20周し、獲得標高は5,000m弱という世界的に見ても厳しいコースで勝利を掴み取ったのは、JCL TEAM UKYOに所属する山本大喜選手だった。ロードレースの実況や今年もツール・ド・フランスの取材を行うジャーナリストの小俣雄風太は、このレースを見て何を思い、感じたのか。本人の筆によるリアルレポートをお届けする。

2023.07.12

column

Le Tour ensemble(Vol.01)|14年ぶりの再会

ツール・ド・フランスの熱い夏がはじまった。選手、機材メーカー、スポンサー、オーガーナイザー、メディア、観客——。今年もそうしたすべてを飲み込み、プロトンは進んでいく。「Le Tour ensemble」では、14年ぶりに現地に赴いたジャーナリストの小俣雄風太による、ツール・ド・フランスのリアルな現地レポートを複数回にわけてお届けする。記念すべき第1回は、ツール取材を思い立ったきっかけ、そして7月4日から石畳ステージとなった7月6日までの模様を現地からレポートする。

2022.07.07

column

特別寄稿|僕たちがみた、別府史之

3大グランツールや、モニュメントと呼ばれる格式の高い5つのワンデーレースの完走、北京とロンドンオリンピック、そして世界選手権に至っては8度もの出場を重ねるなど、自転車ロードレースのトップシーンで活躍してきた別府史之。そんな彼が2021年11月6日、17年にも及ぶプロ選手のキャリアにピリオドを打つことを発表した。「僕たちが見た、別府史之」では、彼をよく知る人物からのメッセージを通じて、これまでの別府史之の軌跡を辿り、これからの別府史之にエールを送りたい。

2021.11.23

column

Imagine a cycling world without Rapha| 苦痛の先に今も栄光はあるか

2004年、イギリスで誕生した「ラファ」。多くの人にとってラファはサイクルウェアブランドの1つというイメージが強いかもしれないが、それはラファがもつ表層の一部でしかない。ではラファとは、いったい何なのか。ラファが日本国内の自転車文化にもたらしたものは、いったい何だったのか。2021年に創業者であるサイモン・モットラム氏がCEOから退任し、そして矢野大介氏がラファジャパンの代表から退いたこのタイミングで、改めてラファというブランドの足跡と本質を探ってみたい。

2022.11.14

touring

フラットペダルでいく紀伊半島自転車旅|日常と非日常の境界線

サイクリストが100人いれば、100通りの自転車旅がある。今回、自転車ジャーナリストの小俣雄風太が旅したのは、昨今自転車ツーリズムに注力している和歌山県の紀伊半島。旅の相棒に選んだのは、キャリアとフラットペダルを組み付けたクロモリフレームのdoppoだ。レース解説者であり自身もロードバイクでスピードに興じることが好きだという彼が、紀伊半島で見て、感じ、そこで得た気付きとはどんなものだったのだろうか。

2023.05.03

touring

奥鬼怒グラベルツアー参加レポート|山の奥の、そのまたむこう

「東京の奥座敷」と呼ばれる栃木県日光市の鬼怒川温泉。そこからさらに山深く入った場所にある奥鬼怒温泉は、鬼怒川の源流域にあたる。そこへ行くルートは未舗装路の奥鬼怒スーパー林道しかなく、しかも普段は自転車を含めた車両の通行が禁止されている。そんな「関東最後の秘湯」へグラベルロードで行くモニターツアーが開催され、安井行生が参加。山奥のグラベルは未経験だという安井は、“本当のグラベル遊び”を経験し、何を想ったか。

2022.12.07

column

路上の囚人たち(Vol.01)

社会派ジャーナリスト、アルベール・ロンドル(1884―1932)。生前、精神病患者の悲惨な境遇、黒人奴隷売買の実態、南米のフランス人女性売春などをルポルタージュし、社会に大きな反響を巻き起こすとともに社会改革のきっかけをつくり、後世のジャーナリストに影響を与え続けた人物である。そんな彼が、1924年にあるテーマについて取材を行った。読者の皆さんもご存知の「ツール・ド・フランス」である。自転車競技についてまったくの素人である彼に、フランス全土を熱狂させていたこのスポーツイベントは一体どう映ったのだろうか――。アルベール・ロンドルが1924年6月22日~7月20日までの全行程5425kmの大会期間中に『ル・プチ・パリジャン』紙に寄稿したルポルタージュを、スポーツライターであり自身もフランス在住経験もある小俣雄風太の翻訳でお届けする。

2020.08.17

touring

ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記(Vol.02)|パンクの神と拾う神

中内 陸、25歳。2022年3月からワーキングホリデー制度を活用し、愛車とともにイギリス・ロンドンで生活している。「ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記」では、そんな中内 陸が見て、感じた、イギリスの自転車事情を綴っていく。第2回目は、仕事のついで(?)に行ったウェールズからロンドンまでの270kmロングライドレポート。暗闇と寒さの中、果たして彼は無事にロンドンに辿り着いたのだろうか…?

2023.01.23

touring

ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記|脱水症状になる前に

中内 陸、25歳。専門学校卒業後に日本の大手旅行会社に就職し順風満帆の社会人生活がはじまった。しかしコロナ禍で会社が大打撃をうけたことをきっかけに、ワーキングホリデー制度を活用し、2022年3月から愛車とともにイギリス・ロンドンでの生活をスタートさせることに。「ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記」では、そんな中内 陸が見て、感じた、イギリスの自転車事情を彼自身のリアルな目線で綴っていく。第1回目はイギリスに暮らし始めて初となるロングライドレポートをお届けする。ロンドナーの定番コース「ロンドン→ブライトン」を走った理由は、「水分補給」にあった。

2022.12.02

column

明日もまた、カレドニアで

La routeでもおなじみの書き手であり、編集者であり、実況リポーターでもある小俣雄風太氏が自転車を買ったらしい。「モダン・ロードバイク」を掲げるサーヴェロ・カレドニア-5である。エアロ、軽量、ファンライドといろんな要素をクロスオーバーさせたカレドニアは、ともすれば中途半端な存在にもなりかねないが、なぜ小俣氏はそんなカレドニアに引き寄せられたのか。カレドニア購入にまつわる小俣雄風太の極私的な購入&試乗ストーリー。

2021.10.15

interview

カレドニアにまつわるエトセトラ(前編)

サイクルフォトグラファーの辻 啓と編集ライターの小俣雄風太。旧知の仲でもある二人だが、申し合わせるでもなく同じタイミングで、しかも同じカラーのバイクを購入するという偶然が起きた。バイクは舗装路から未舗装路まで幅広い走行シーンを想定した、サーヴェロのカレドニアー5。小俣氏に関してはLa routeでも購入記を綴ってもらったが、それにしてもなぜ2人は同じバイクを買ったのか?
共に「J SPORTS」や「GCN」で海外ロードレースの実況解説を担う両名が、いま海外で起きているレーストレンドを踏まえつつ、自分の理想のライドやカレドニアというバイクの魅力、ひいてはそれぞれのロードバイク観について行った対談を、前編と後編に分けてお届けする。

2022.04.04

interview

日本のオフロードを考える(Vol.4)|NCMTの魅力と課題と可能性

日本のオフロードシーンにメスを入れるべく始まった連載企画「日本のオフロードを考える」。Vol.3では日本の国立公園初となるパブリックトレイル、「のりくらコミュニティマウンテンバイクトレイルズ」(NCMT)の誕生秘話をお伝えしたが、Vol.4では安井行生によるNCMTの実走レポートと、NCMTの誕生に尽力したキーマン、山口 謙氏のインタビューをお届けする。NCMTの本格運用から早数か月。乗鞍高原の自然を活かしたコースを走って、キーマンに話を聞いたからこそ見えてきた、NCMTと日本のMTBシーンの課題とは。

2022.11.21

touring

乗鞍を再発見する私的自転車小旅行|冷泉小屋での白昼夢

岐阜県と長野県の県境にある乗鞍。登山、スキー、温泉などの山岳観光地として知られるが、自転車乗りにとっては「ヒルクライムの聖地」である。1986年からはヒルクライム大会が開催され、多くのクライマーが頂上に向けてペダルを踏む。そんな乗鞍の中腹にぽつんと建っている古ぼけた山小屋、冷泉小屋。16年間閉鎖されていたが、今年リニューアルし営業を再開した。かつてはタイムを縮めるために毎年通っていた安井行生が、数年ぶりに乗鞍を訪れ、冷泉小屋に宿泊。かつての安井にとっては“力試しの場”でしかなかった乗鞍は、今、彼に何を語るのか。

2022.10.03

touring

男ふたり、西伊豆へ(安井行生編)

年齢も、生まれた場所も、自転車との付き合いかたも、文章のテイストも異なる、安井行生と小俣雄風太。ほぼ赤の他人と言ってもいい彼らの共通言語は「自転車が好き」、ただそれだけだ。彼らが向かった先は、西伊豆。小俣と安井がそれぞれの視点で、それぞれが感じたことをお届けする、極私的なふたりぼっちのツーリング記。

2021.05.10

touring

男ふたり、西伊豆へ(小俣雄風太編)

年齢も、生まれた場所も、自転車との付き合いかたも文章のテイストも異なる、安井行生と小俣雄風太。ほぼ赤の他人と言ってもいい彼らの共通言語は「自転車が好き」、ただそれだけだ。彼らが向かった先は、西伊豆。小俣と安井がそれぞれの視点で、それぞれが感じたことをお届けする、極私的なふたりぼっちのツーリング記。

2021.05.10

interview

「東京⇔大阪キャノンボール研究」管理人 baruさんに聞く|24時間で駆け抜ける、東京〜大阪520km

東京から大阪、その距離およそ520km。通常なら3〜4日かけてのぞむようなロングライドだ。しかし自らに24時間というタイムリミットを課し、出発日時をネット上で宣言した瞬間、520kmの移動は“ツーリング”から“キャノンボール”へと意味を変質させる。多くのサイクリストにとって未知の領域であるこのキャノンボールについて、ウェブサイト「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人にして、過去に2度のキャノンボール成功を達成している「baru(ばる)」さんにインタビュー。サイクリストを惹きつけるキャノンボールの魅力から、明快な論理で導き出される攻略法に至るまで、じっくり教えてもらった。

2022.01.31

touring

“激坂さん”の日本縦断ブルべ参戦記(Vol.1)|ランドヌールは北を目指す

日本最南端の佐多岬から、最北端の宗谷岬まで。総距離2,700km、獲得標高約23,000mを一気に走り切る日本縦断ブルべ。それに人生をかけて挑戦した一人の男がいた。とあるイベントでパールイズミの激坂ジャージを着ていたがために“激坂さん”と呼ばれることになった、一人息子と妻と自転車と山を愛するその男は、なぜこのウルトラブルべを走ろうと思ったのか。国内最速でも、ギネス挑戦でもない、普通の自転車乗りによる日本縦断ブルべ参戦記。Vol.1は、参戦を決めた理由と、本番までの苦悩と苦労を綴る。直前になって頻発するトラブル。激坂さん、身を挺してまでネタを作らなくてもよかったんですが……。

2022.08.01

interview

北米3大自転車ブランド座談会(前編)|ニッポンのグラベルロードの未来

日本のサイクリングシーンで「グラベル」という言葉を耳にしない日はなくなった。しかし、バイクの種類も増え、各メディアでその楽しみ方が紹介されるようになってなお、掴みどころのない幅広さを感じるのも事実である。そこで今回は、グラベルカルチャー発祥の北米を代表する3大自転車ブランド、キャノンデール、スペシャライズド、トレックのマーケッターに集まって頂き、グラベルの世界的な動向や日本市場の今を語ってもらった。ファシリテーションは、La routeでもおなじみの小俣雄風太が務める。世にも珍しい同業他社による、あけすけなグラベルトークを前編・後編に分けてお届けする。

2022.05.30