シクロクロス世界選手権が行われたチェコから帰国して1週間後の日曜日。朝、軽めのサイクリングをして帰宅すると、何となく腰に違和感が。

時間とともに違和感は痛みへと変わり、気が付くと床から立ち上がることもままならなくなりました。座ろうとしたり、立とうとしたり、寝ようとしたり、寝がえりを打とうとしたり、とにかく何かしら動きを伴うときに腰に激痛が走ります。極めつけはコンビニでの買い物中。売り場の通路で人とすれ違おうとしたときに少し体重を右に寄せたらピキンッと来て、その場で立ち尽くしてしまったこと……(泣)。

ずっと立ちっぱなしだったり、長時間椅子に座っていても腰は痛くなるんですが、不思議なことに、あることをしているときは痛くないんです。

それが、ロードバイクに乗っているとき。

家にあるママチャリに乗ったときは痛かったんですよ。おそらく腰(お尻)に上半身の体重がすべてかかっているからなんでしょう。一方、ロードバイクの場合は前傾姿勢ですし、腕や脚でもカラダを支えているので、腰への負担が少ないのかなと推察。ただ、レーシーなポジションのアディクトに乗ると多少の痛みが伴います。

それ以来、ちょっとの移動でもロードバイク(ジオス)を使うようになりました。これほどロードバイクのありがたみを感じたことはなかったかもしれません…!(笑)

Rapha TOKYOで行ったCX世界選手権のトークイベント。DAYSで既出の写真ですが、このとき実は腰痛がピークでした……。ご覧の通り、ジオスで会場入りしています。

ちなみに腰痛の原因を自分なりに考えたんですが、ひとつは長時間のフライト。立ち上がることもなく、狭い座席で片道14時間半ほぼ座りっぱなし。僕より大柄な欧米人が平気な顔して乗ってるのがいつも不可解です。もうひとつは、慢性的に姿勢が悪いこと。子どもの頃からよく親に猫背を注意されてたんです。

そうして勝手に原因究明をしていたんですが、1週間経っても一向に腰痛は治まらない。これはおかしいということで、先日、人生初の整体に行ってきました。

栗山の奥様に紹介してもらった整体は、患部に触れずに施術するらしく、ちょっとエキセントリックな雰囲気が漂います。痛い腰をさすりながら実際に行ってみると、そこは一軒家。施術室に通されるとベッドに寝かされてしばし放置。先生はその横で深呼吸しながら、僕を触るどころか見もせずに、僕越しに遠い目をしながら何かを感じ取ろうとしている……おそらくですが、横になった僕の体から立ち上る「気」を感じようとしているのでは。

しばらくすると、「高山さん、アレルギーはお持ちですか?」と聞かれ、稲、猫、スギ、ヒノキなどのアレルギーがあると答えると、「やっぱり。それで右側の頸部のリンパが炎症を起こしてますね」とのこと。どうもその小さな炎症が原因で体の左右がゆがみ、腰痛を引き起こしているのだとか(確かこんな説明でした)。

そこで左右のバランスを整えるという施術をサラッとされて(患部を押すとか揉むとかではなく、ツボ? に軽く触れる感じ)、最後に小さなテーピングを首、肩、背中などに貼られて終了。あまりにあっけなかったんですが、不思議なことに痛みは明らかに減ってました。

こちらのコスモテープなるものを体の各部に貼っていただきました。

あとなぜか膝も触診されて、「高山さんの右膝、かなり固まっちゃってますね。膝のお皿がこれしか動かないですもの」とグニグニされました。腰痛を治すというか、その根本にある体のゆがみを是正することで膝の柔軟性も上がるらしい。これはペダリングにもいい影響があるかもしれません。

診療の最後に、長座の姿勢や入浴(シャワーは可)、飲酒など禁止事項をいくつも列挙されたので、あわてて

「あ、すみません。自転車は乗っていいですか。ハンドルがグニッとしたロードバイクってやつなんですけど」

「……あ、いいですよ」

あぶねぇ、ロードバイクはオッケーもらえた~。
というわけで、こちらの整体に週1ペースで通いながら腰の経過を見ているところです。

ロードバイクに乗ると腰や膝が痛くなるという話はチラホラ耳にしますが、今回の件を通じて健康であるありがたみを痛いほど実感した次第。早く腰の悩みから解放されて(そしてやわらかくなった膝で)、思い切り自転車を楽しみたいものです。

(高山)