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シマノ・新型105試乗記│新しい世界と、滅びゆく種族

デュラエース/アルテグラと同様の12速化・電動化・セミワイヤレス化を果たし、機材好きを驚かせたシマノの105。なにより、20万円を超す価格が世をざわつかせている。ロードバイクにとってのベーシックコンポーネントである105のこの変化は、自転車界にどのような影響を与えるのか。105に与えられた機能と性能は20万円に値するものなのか。9速の時代から105に触れてきた安井行生が新型105でテストライドを実施。さらに新型発表会で開発チームのお二人にインタビューを行い、新型105の本質に迫る。

2022.07.18

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BIANCHI・SPECIALISSIMA DISC試乗記│王者の文学作品

ビッグメーカーの主要モデルの中で唯一リムブレーキだったビアンキ・スペシャリッシマが、モデルチェンジを経て遂にディスク化を果たした。エートスでもなく、ターマックでもなく、スペシャリッシマを買う意味はあるのか。先代のスペシャリッシマに乗って深く感動した編集長の安井が、箱根で新型スペシャリッシマに乗る。「あの美しい想い出を壊さないでくれ」と願いながら――。

2021.08.02

interview

CX日本ナショナルチーム監督 竹之内 悠インタビュー|いま、代表を率いることの意味

全日本選手権が終わり、目前に迫ったUCIシクロクロス世界選手権。今年は男子エリートの沢田 時を筆頭に各カテゴリから計7名の日本代表が選出された。彼らを率いるのは、昨年秋にナショナルチーム監督に就任した竹之内 悠。若くして本場ベルギーで活躍し、全日本選手権5連覇をはじめ、国内外のシクロクロスで輝かしい戦績を上げてきたのはご存じの通り。また2019年からは母校の立命館大学で自転車競技部の監督を務めており、ナショナルチームの監督としてまさに適任と言える。今回はそんな竹之内“監督”にインタビューし、世界選手権への展望はもちろん、選手と指導者という2つの立場から日本のシクロクロス界が抱える課題や可能性、希望について聞いた。

2024.01.29

interview

「東京⇔大阪キャノンボール研究」管理人 baruさんに聞く|24時間で駆け抜ける、東京〜大阪520km

東京から大阪、その距離およそ520km。通常なら3〜4日かけてのぞむようなロングライドだ。しかし自らに24時間というタイムリミットを課し、出発日時をネット上で宣言した瞬間、520kmの移動は“ツーリング”から“キャノンボール”へと意味を変質させる。多くのサイクリストにとって未知の領域であるこのキャノンボールについて、ウェブサイト「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人にして、過去に2度のキャノンボール成功を達成している「baru(ばる)」さんにインタビュー。サイクリストを惹きつけるキャノンボールの魅力から、明快な論理で導き出される攻略法に至るまで、じっくり教えてもらった。

2022.01.31

technology

La route自転車研究所 其の七│ペダルの設計意図を読み解く(前編)

自転車にまつわる様々な物事を深掘りする連載「La route自転車研究所」。第7回のテーマはビンディングペダル。第2回の「コンポメーカーの設計思想」に続き、グロータックの木村将行さんに協力していただき、シマノ、ルック、タイム、スピードプレイという4社のビンディングペダルを徹底分析。前編では、各社のフローティングや剛性感・安定感などの違いに迫る。ペダルが本当に有するべき機能とは何か?

2023.04.10

interview

GIANT ESCAPE R3開発者インタビュー(前編)|閉ざされた扉

定番クロスバイクとして絶大な人気を誇るジャイアント・エスケープ。日本国内専用モデルながらエスケープシリーズの累計販売台数は驚異の84万台。来年で20周年を迎えるベストセラーモデルであり、スポーツバイク未経験者を「こちら側」へと誘う水先案内人としても重要な役割を果たしてきた。しかし、パンデミックの影響によって大幅な値上げを余儀なくされ、昨年は売り上げが激減してしまう。そんな中、今年の9月に史上最大の変化を迫られた5代目エスケープが登場した。ジャイアントの大黒柱として、そしてスポーツバイクの世界への扉として、エスケープはどうあるべきなのか――。開発者インタビューの前編では、ジャイアント・ジャパンの斎藤朋寛さんにエスケープの歴史と功績をお聞きしながら、この重要モデルの背景に迫る。

2023.11.20

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VITTORIA ROAD TUBELESS TOOL KIT|もう指先が痛いなんて言わないよ絶対

La routeの制作メンバーが気になるアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第20回で取り上げるのはイタリアのタイヤメーカー、ヴィットリアが出した「ロード チューブレス ツール キット」。この工具はタイヤやエアライナーの脱着のほか、リムから外れなくなってしまったタイヤを外すときにも有効だという。チューブレス対応ホイールでタイヤが外れないことが何度かあったという、いじり好き、工具好きのLa routeプロデューサーの栗山が購入してテストした。果たして4,840円という価格以上の価値はあるのか。

2023.09.06

touring

La route栗山の環島ツアー参加レポート|夢の付き人

サイクリストなら、環島(ホァンダオ)という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。環島とは徒歩含む何らかの移動手段で台湾を一周することだが、サイクリストにとってのそれは、自転車での台湾一周を意味する。3月上旬。プロデューサーの栗山晃靖が、ふとしたきっかけで環島自転車ツアーに参加することになった。1日100kmを9日間連続で走るライドは彼にとって未知の領域。そもそもなぜ台湾を自転車で一周することになったのだろうか。果たして無事完走することはできるのだろうか。環島自転車ツアーに参加した栗山の9日に渡るレポートをお届けする。

2023.05.15

interview

CATEYE VOLT800 NEO開発ストーリー(前編)|自転車用ライトに求められるもの

Twitterでトレンド入りするほど話題となったキャットアイの新型ライト、VOLT800 NEO。名作と言われた前作VOLT800の価格はそのままに、「日本のユーザーが求めている性能」をきっちりと織り込んで進化させた“NEO”は、いかにして企画され、開発されたのか。キャットアイへのインタビューを通して、VOLT800 NEO開発の背景を紐解く。書き手は自転車用ライトに関して膨大な知見を有する「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人、baru(ばる)さんだ。前編ではキャットアイの技術者に「自転車用ライトの基本」を聞く。

2023.04.03

interview

KHODAABLOOM STRAUSS PRO RACE2試乗記・開発者インタビュー|ゴールまで、残り42km

ここ数年はずいぶんと積極的に動いているホダカのオリジナルブランド、コーダーブルーム。今春、La routeがホダカのキーマン2人にインタビューを行って記事化した際には、「日本ブランドとして海外ブランドにも負けない価格帯にチャレンジしていく」「目標は彼らと同レベルの戦いに踏み込んでいくこと」という発言が飛び出した。インタビューから数カ月、その“チャレンジ”、“目標”が具現化したようなニューモデル、ストラウス プロ レース2が発表された。果たしてその実力は如何に。試乗&開発者インタビューを通して、コーダ―ブルームの真価に迫る。

2023.10.09

interview

GHISALLO GE-110エンデュランスロード試乗記・開発者インタビュー|日本の道を見据えて

バイクパッキングでのロングライドを想定しつつ、速さも諦めない。そんなコンセプトのエンデュランスロードがフカヤのオリジナルブランド、ギザロから登場し話題を呼んだ。カーボンハンドル、カーボンステム、カーボンシートポスト込みで20万円台中盤という、この時代にあって良心的な価格も耳目を集める。そんなGE-110エンデュランスロードに試乗した安井は、バランスのとれた性能に加え、かつてのギザロとはかけ離れたブランドイメージを確立していることにも驚いた。GE-110誕生のキーマンへのインタビューを通し、問屋による日本人のためのロードバイクを考えた。

2023.07.31

technology

La route自転車研究所 其の六│ピッチ系カーボンの可能性

スチールフレームがカウンターカルチャーとして成立するほど、自転車界においてカーボンは主流になった。自転車のフレームやパーツに使われるカーボンといえば、東レという印象が強い。その東レが製造している炭素繊維は全てPAN系という種である。しかし、十数年前から“ピッチ系”という炭素繊維がハイエンドモデルを中心に使われるようになった。La route自転車研究所の第6回は、ピッチ系炭素繊維の専業メーカーである日本グラファイトファイバーの技術者へインタビューを行い、ピッチ系の利点と欠点、PAN系との違い、今後の自転車へ与える影響などを聞いた。

2023.03.13

interview

NISEKO GRAVELでシーンのあるべき姿を考えた|あの二の舞を演じないために

グラベルロードを手に入れて、イベントや日々のライドを楽しんでいる安井と栗山の2人。2023年は、日本のグラベルイベントと言えば必ずその名が挙がる「ニセコグラベル」のスプリングライドとオータムライドのどちらにも参加したが、周りを見渡すと絶賛記事しか目につかない。果たして本当のところはどうなのか? La route Talk の第6回は、安井と栗山の2人がニセコグラベル参加を通して感じた課題や、日本のグラベルシーンの行方について語る。対談の最後には、「グラベルはあんまり盛り上がらないほうがいいのかも」などという業界人らしからぬ発言も……。

2023.12.18

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SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL8試乗記|モーガンヒルからの伝言

優秀な動力伝達性に加えて空力性能も身に付け、あの名車の誉れ高いヴェンジを廃版にしてしまうほどの万能バイクになったターマックSL7。それがまだ一級の性能を維持しているにもかかわらず、2023年、スペシャライズドはターマックをSL8へと代替わりさせた。レーシングバイクとして高い完成度を誇っていたSL7を、どう進化させたのか。群馬県の嬬恋で行われたプレスローンチに参加した安井が、Sワークスに乗り、プレゼンを聞き、現代ロード界の最重要モデルであるターマックについて考え、評価を下す。SL8に埋め込まれた開発陣からのメッセージとは?

2023.08.14

column

アラヤ・マディフォックス物語(Vol.01)| 銀輪が生んだ和製マウンテンバイク

1982年にデビューした日本初の量産マウンテンバイク、アラヤ・マディフォックス。それはいかにして生まれ、どのように進化したのか。それはなぜ歴史的な一台となり、そしてなぜ(一度は)姿を消したのか。40年近くアラヤに在籍し、マディフォックスの誕生から現在までを知り尽くした男、内藤常美によるマディフォックス物語。日本のマウンテンバイク黎明期の知られざるストーリーを連載でお届けする。Vol.1は、初代マディフォックスの開発~発売までのエピソード。

2021.05.31

interview

EFFECT オーナーメカニック・日比谷篤史さんインタビュー|本気か、どうか

ライディングスタイルと同様に多様化する「自転車にまつわる働き方」にスポットをあて、好きを仕事にした様々な自転車人にインタビューする連載企画「自転車で食べていく」。記念すべき第 1 回は 2013 年にスタートした、国内における自転車メンテナンス専門店のはしりともいうべき「EFFECT」のオーナーメカニック、日比谷篤史さんにお話を伺った。

2021.12.13

interview

のむラボ訪問記│通過点、あるいは最終目的地

機材好き界隈ではこれほど有名なのに、メディアでの露出が一切ないショップがある。手組みホイールで有名な大阪の「のむラボ」だ。ブログでの毒舌が独り歩きしている感もあるが、店主の野村泰文さんとはどういう人なのか。そして、彼が作るホイールはぶっちゃけどうなのか。安井がのむラボを訪ね、話を聞き、のむラボホイールをオーダーし、乗ってみた。(おそらく)自転車メディア初の、のむラボ訪問記&のむラボホイール試乗記。

2021.11.01

interview

ドリアーノ・デローザ氏インタビュー|イタリアンロードの逡巡

2015年に誕生したイタリアのビクシズ。名工として知られるウーゴ・デローザの次男、ドリアーノ・デローザ氏が立ち上げた、ハンドメイドフレームブランドである。プリマ、パトス、エポペア……チタンとスチールを使ったそのラインナップは、「正統派イタリアンロード」の王道を行くものだった。しかし2022年、アメリカンバイクカルチャーの後を追うようにグラベルロード、フロンダを発表する。なぜあのビクシズがグラベルロードを? 違和感を覚えたLa routeは、ドリアーノ氏本人にインタビューを申し込んだ。ビクシズにとってフロンダは、新たな挑戦か、時代への迎合か。

2022.10.24

column

不愛想な自転車たち(Vol.01)

「スペック」や「速さ」が重視されるスポーツ自転車において、「ゆるさ」という何の数値化もできない性能で瞬く間に世を席巻した、1998年創業の自転車メーカー「SURLY」。2006年から幾度となく彼らの本拠地ミネソタに足を運んだ自転車ライター山本修二が、今までほとんど語られることのなかったSURLYのすべてをお伝えする。連載第一回目は、SURLYとの出会いと彼らがもつ魅力について。

2020.07.06

interview

北米3大自転車ブランド座談会(前編)|ニッポンのグラベルロードの未来

日本のサイクリングシーンで「グラベル」という言葉を耳にしない日はなくなった。しかし、バイクの種類も増え、各メディアでその楽しみ方が紹介されるようになってなお、掴みどころのない幅広さを感じるのも事実である。そこで今回は、グラベルカルチャー発祥の北米を代表する3大自転車ブランド、キャノンデール、スペシャライズド、トレックのマーケッターに集まって頂き、グラベルの世界的な動向や日本市場の今を語ってもらった。ファシリテーションは、La routeでもおなじみの小俣雄風太が務める。世にも珍しい同業他社による、あけすけなグラベルトークを前編・後編に分けてお届けする。

2022.05.30

technology

ピーター・デンク氏インタビュー| 鬼才が語る、フレーム設計の新事実

ディスクロードにしてフレーム重量600gを下回るという、にわかには信じがたい軽さを誇るエートス。そしてグラベルロードながら軽量ロードバイクフレーム並みの重量を実現したクラックス。それらを開発したのは、スコットのアディクトやキャノンデールのスーパーシックエボなど数々の名車を手掛けてきた、自転車界の鬼才と呼ばれるエンジニア、ピーター・デンク。La routeは、エートスが発表された1年以上も前から「デンクに話を聞きたい」と言い続け、ついに氏へのインタビューが実現した。エートスはなぜここまで軽くなったのか。なぜ従来のセオリーとは異なる形状になったのか。デンク氏から得られた回答のほぼ全てを、ここにお伝えする。

2022.02.21

column

挑戦者、シマノ(Vol.01)

1921年に創業したシマノ。スポーツ自転車向けパーツシェアが8割を超えていることからも、シマノが自転車業界の中心的存在であることに異を唱える者はいないだろう。しかし、そんな自転車界の王者とも言うべきシマノにも挑戦者だった時代が、確かにあった。100周年という節目の年に、スポーツジャーナリストとして多方面で活躍する山口和幸が、シマノが挑戦者として歩んできたこれまでの軌跡を複数回にわたって辿る。第1回はエアロダイナミクスを追求したaxや社内に巨大な風洞実験室をつくるなど、機能路線を牽引した島野敬三にスポットをあてる。

2021.12.20