(前編はこちら

安くするのは簡単

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安井:いよいよ本題、新型エスケープです。ここからは企画課の勝本さんにも加わっていただき、開発ストーリーをお聞きすることにしましょう。まず、コンセプトに変化は?

勝本:変化はありません。ターゲットユーザーは同じ。「たくさんの人に自転車の楽しさを知ってほしい」というコンセプトも同じです。

 

勝本 丈さん。東京サイクルデザイン専門学校卒業後、ジャイアント・ジャパンに入社。ジャイアントストア勤務を経て、品質管理課で経験を積んだのち、企画課へ配属。1年ほど日本市場向けのアクセサリ類を担当し、現在はバイク本体の企画に携わる。なんと新型エスケープが初の担当車だという。見た目も物腰も柔和だが、学生時代にはトラックとロードで競技に打ち込んでいたガチの人でもある。

斎藤:あとはとにかく価格です。8万円じゃ買っていただけない。なんとか税込で6万円に抑えたい。弊社は社長も部長もプロダクト上がりなので、ターゲット設定がクリアなんです。「もうちょっと高くしちゃダメですか」「ダメだ」、「ボスハブ使えば安くできるんですけど」「ボスハブは重いからダメだ」みたいな(笑)。

安井:とにかく安く、という話ではないってことですね。

斎藤:ただ価格を下げた製品を作るのは簡単なんですよ。例えば鉄フレームでシングルスピード仕様なら5万円になる。でもそれじゃ別物になってしまう。エスケープを作るのであれば、それはできません。走りは譲れない。ライドクオリティを持ったまま6万円にするのは至難の業です。

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