SPECIALIZED S-Works Turbo試乗記|新型ターボに見るスペシャの哲学
フレームやホイールやシューズだけでなく、タイヤ市場でも存在感を増しつつあるスペシャライズド。同社のハイエンドラインであるSワークス・ターボシリーズが一新され、Sワークス・ターボ・ラピッドエアー2BR、Sワークス・ターボ2BR、Sワークス・ターボの3モデルが発表された。神奈川で行われた発表試乗会に安井が参加、新型Sワークス・ターボの実力を試し、スペシャライズドのタイヤ作りを考えた。
2022.12.12
S-WORKS MONDO 2BLISS READY
タイヤが走らせてくれた1,000km
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第24回はスペシャライズドのエンデュランスタイヤ、Sワークス モンドを取り上げる。評価を下すのは普段軽量クリンチャータイヤを愛用する高山。箱から取り出したときのもっさりした質感と重量感に、つい本人の口を突いた感想は「ママチャリのタイヤみたい」。しかしモンドはただの肉厚鈍重タイヤではなかった。通勤、峠、街中、湖畔のサイクリングロード、小雨、大雨といったさまざまなシチュエーションの中、モンドと走った1,000kmをレビューする。
1974年にアメリカで創業したスペシャライズドは、バイクフレームのみならず、シューズ、ウェア、ヘルメット、タイヤなどを揃える総合サイクリングブランド。Sワークスは、「Innovate or Die(革新を、さもなくば死を)」を行動指針に掲げる同社のハイエンドレース部門として存在し、レース仕様の最上位モデルにその名が冠されている。通称「エスワ」。ダウンチューブに燦然と光る「S-WORKS」の文字は多くの人にとっての憧れだが、個人的には「SPECIALIZED」のロゴの方が好き。ちなみにスペシャ初の商品は、実はバイクではなくタイヤだったりもする。
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フレームやホイールやシューズだけでなく、タイヤ市場でも存在感を増しつつあるスペシャライズド。同社のハイエンドラインであるSワークス・ターボシリーズが一新され、Sワークス・ターボ・ラピッドエアー2BR、Sワークス・ターボ2BR、Sワークス・ターボの3モデルが発表された。神奈川で行われた発表試乗会に安井が参加、新型Sワークス・ターボの実力を試し、スペシャライズドのタイヤ作りを考えた。
2022.12.12
La routeの制作メンバーが気になる or 自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第19回は、パナレーサーのアジリストシリーズに追加された新作、アジリスト ファストを俎上に載せる。2021年に発売したアジリストをベースに、各素材を見直し、電子線照射という手法を用い、パナレーサー史上最も低い転がり抵抗を実現したというクリンチャータイヤである。安井がノーマルのアジリストと同条件比較をしながら、この注目作を試した。
2023.08.02
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第17回は、世界三大タイヤメーカーとして知られるアメリカのグッドイヤーが発表した新作「イーグルF1 R」と、その軽量版である「イーグルF1スーパースポーツR」。これまでOEM生産が主だったグッドイヤー自転車部門だが、開発製造元であるラバーキネティックスが自社工場を設立して作り上げたという、渾身のニュータイヤ。その実力はいかなるものか。編集長の安井が25Cのチューブレスモデルを試す。
2023.06.19
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第16回は、コットンケーシングの手作りタイヤで有名なイタリアのチャレンジから発売されたクリンチャータイヤ「サンレモ」。タイヤにまで高価格化の波が押し寄せている今、3,630円のサンレモの実力は如何なるものか。今まで低価格帯のタイヤとは距離を置いてきたという編集長の安井が試す。
2023.04.12
ここまで話題になったタイヤは近年珍しいかもしれない。パナレーサーの新作、アジリスト。これまでパナレーサーのレースシリーズは、強烈なグリップや独自の味付けがレーサー達に支持されていたものの、その方向性は世界の潮流とやや乖離するものだった。トレンドをがっちり掴んだグラベルキングとは、あまりに対照的。このままではロードタイヤカテゴリで孤立してしまうのでは……。そんな心配すらしていたときにデビューしたアジリストは、どんなタイヤに仕上がっているのか。全ラインナップを一気乗りした安井のレビュー。
2022.04.11
ホイールを含め、ロードバイク用タイヤのトレンドは完全にチューブレスに向いている。しかしこの2022年、パナレーサー、ミシュラン、iRC、ヴィットリアというトップメーカーが相次いで注目の新型クリンチャータイヤを発表した。しかも、チューブレスの悪癖がいまだ改善されないことに業を煮やし、クリンチャーへと回帰するサイクリストも散見されるようになった。そこで、評者に高岡亮寛さんを迎え、安井行生と共に注目の最新クリンチャータイヤに試乗してもらった。最新クリンチャータイヤの現状を知り、最良の1本を決めるために。
2022.10.17
アジリスト全モデルに試乗し、パナレーサー本社でタイヤについて勉強し、工場で製造工程を見たあと、さらにアジリストの開発ストーリーをお聞きしようと思ったのは、タイヤに関する見識に奥行きを与えるためだ。従来のレースシリーズから大きく変化したアジリスト。コンセプトの変更、目標性能の設定、構造の見直し、試験、味付け、煮詰め作業は、どのように行われたのか。アジリストの開発を主導した4人のキーマンに、タイヤ開発の長い道のりを聞く。
2022.07.11
ヴィットリア・コルサ。多くのメーカーが採用するナイロンケーシングではなく、しなやかで快適性に優れるコットンケーシングを使う高級タイヤの代名詞である。トッププロにも愛されてきた歴史あるコルサが今年、史上最大のモデルチェンジを受けた。コットンケーシングながら加硫製法を採用し、タイヤの構造を大きく変化させたのである。20年以上も前からコルサを使い続けている安井行生が、イタリア本社の技術者へのインタビューを交えつつ、新型コルサ プロへ評価を下す。
2023.08.21
なるしまフレンドのメカニック小畑 郁が、編集長の安井とともに自転車業界のアレコレを本音で語る連載対談企画。定番のクリンチャー、人気のチューブレス/チューブレスレディ、話題のフックレス、そして古のチューブラー。どのホイール/タイヤシステムが優れているのか。フックレスは普及するのか。第3回目は、性能、脱着性、汎用性、ユーザビリティを含め、様々な角度からホイール/タイヤシステムを考える。
2021.03.08
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをレビュー、100点満点で評価を下す連載「LR Pick up」。第23回は、マージーンの「エクサー TPUチューブ」を取り上げる。一般的なブチルチューブに比べ、重さはおよそ半分。そして価格も1,650円と手頃で、クリンチャー派にとっては福音と言っていい商品だ。そこで普段からクリンチャーをメインに愛用しているLa routeスタッフの高山が、インナーチューブをブチル製からエクサー TPUチューブに換装。果たしてロードバイク歴の浅い高山でも分かるほどの違いはあったのか。
2023.10.23
La routeアドバイザーの吉本と打ち合わせをしていたとき。カフェの窓から街路樹に括り付けられた彼のトップストーンを見ると、リムからオレンジのバルブが覗いていた。「チューボリート使ってるんですか」「乗り味はちょっとパリパリしますが、太いタイヤと組み合わせるといいんですよ……」。そんな雑談から生まれた今記事。なぜチューボリートは太いタイヤとの相性がいいのか。タイヤの専門家の話も交えつつ、吉本がチューボリート×太幅タイヤについて語る。
2020.11.30
チューボリートとレボループ。熱可塑性ポリウレタンを素材とした、最近話題の超軽量インナーチューブである。“新世代チューブ”などと呼ばれているそれらは、クリンチャー復権を後押しする夢の新製品なのか、それともよくある時代のあだ花なのか。パナレーサーのRエア、ソーヨーのラテックスと比較しながら、新世代チューブの実力を見極める。前編では、技術者2人に話を聞きつつ、ポリウレタンチューブのメリットとデメリットを探る。
2020.07.13
東日本大震災で大きな被害を受けた福島県の沿岸部を舞台にしたロードレース「ツールドふくしま」。震災後に立ち入りが禁じられた市町村や自転車での通行が許されなかった道路などを繋いで構成されたコースは、国内の公道ロードレースでは最長距離となる211km――。スケールの大きさはもちろん、震災から12年を経た福島の「今」に触れられる意味でも意義のあるイベントとなるはずだった。そんなツールドふくしまを取材すべく、大雨が降りしきるなか福島へと向かったLa routeチームだったのだが……。
2023.10.16