パナレーサーはどんなブランド?

1952年に創業した日本の自転車用タイヤ・チューブ専業メーカー。自転車用ラジアルタイヤの開発(1971年)、ナイロンコード製チューブラータイヤの開発(1976年)、ポリウレタン製チューブの開発(1986年)など、世界初となる技術的挑戦も多い。2013年から展開が始まったグラベルキングシリーズは、本場アメリカでもグラベルロード用タイヤの定番として愛されている。2021年には、それまでのレースシリーズからアジリストシリーズへとロードバイク用タイヤを完全刷新、話題を呼んだ。製品の多くは兵庫・丹波にある本社工場で開発から製造まで行っている。

アジリスト ファストはどんな商品?

アジリストシリーズには、万能モデルのアジリスト、軽さを重視したアジリスト ライト、耐久性に優れるアジリスト デューロの3モデルがあり、クリンチャーに加え、アジリストにはチューブラーとチューブレスレディが、アジリスト デューロにはチューブレスレディが用意される。

そんなアジリストに、アジリスト ファストという派生モデルが追加された。
サイクルモードやSNSで“本物の速さとは The Real Answer.”というコピーでティーザーキャンペーンを打ってユーザーの期待を煽り、ユーロバイクで実物をお披露目。おそらくパナレーサー史上最高の注目を集めたであろうアジリストシリーズの派生モデルとあって、こちらもかなりの話題となっている。最近のパナレーサー、マーケティングが巧みだ。

ノーマルのアジリストに対して、アジリスト ファストは「性能を追求したフラッグシップ」という位置づけになり、他のアジリストシリーズと併売される。
ノーマルモデルとの違いは素材。コンパウンド、ケーシング、耐パンクベルトが「Fマテリアル」と呼ばれる新素材に置き換えられている。

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