タイヤにもマジになるスペシャ

トータルインテグレーションが進んだ今、バイクメーカーが自社のパーツブランドを展開することは珍しくない。しかし、メーカーの垣根を超えて他社バイクのユーザーに使われるレベルに達しているのは数社のみだ。ジャイアントのカデックス、トレックのボントレガー……。
スポーツバイクにとって最重要部品の一つであるタイヤになると、タイヤ専業メーカー以外で気を吐いているバイクメーカーは1社しかない。スペシャライズドである。

2世代前のSワークス・ターボ(クリンチャー)に試乗したとき、その性能に驚き、スペシャライズドはタイヤメーカーとして化けると思った。
その予想は間違っておらず、ターボ・コットン、チューブレスの初代ラピッドエアーと、良作を立て続けに発売、スペシャライズドオーナー以外にも愛用されるようになる。

9月末、スペシャライズドは、タイヤのハイエンドラインであるSワークス・ターボを刷新、Sワークス・ターボ・ラピッドエアー2BR(チューブレス)、Sワークス・ターボ2BR(チューブレス)、Sワークス・ターボ(クリンチャー)の3モデルを同時に発表した。発表に先立ってメディアを招待しての発表試乗会が行われ全モデルに試乗できたので、印象をお伝えする。ちなみに、“2BR”とは2BLISS READYの略で、チューブレスレディをスペシャ流に言い換えたものである。

午前中に本厚木にあるスペシャライズド・ジャパンのオフィス内でプレゼンテーションを受け、その後宮ケ瀬湖畔に移動して試乗を行った。こんなふうに新型タイヤのローンチイベントをわざわざ行うバイクメーカーはスペシャライズドくらいかもしれない。

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