マージーンはどんなブランド?

山東省の青島(チンタオ)市は、中国有数の工業都市である。製造業やハイテク産業も多く、京都市や下関市と友好姉妹都市の関係にあるらしい。そんな青島市で2015年に誕生したのがマージーン、正式社名Qingdao Magene Intelligence Technologyである。
自転車を含めたフィットネス用品メーカーで、スマートトレーナー、エアロバイク、サイクルコンピューター、パワーメーター、心拍計、レーダーテールライト、ホイールなどを開発・製造している。「Magene」とは、magnetic(磁気を帯びた、魅力のある、人を惹きつける)とgene(遺伝子)を組み合わせたものらしい。

日本でマージーンの製品を取り扱うのは、ローラー台やイコールブレーキなどで有名なパーツメーカーのグロータック。クランク型パワーメーター「P325 CS」、リアビューレーダー機能付きテールライト「L508」を相次いで日本市場に投入し、ライバル製品と比して安価に設定された価格が話題を呼んだ。

PES-P505はどんな商品?

マージーンのパワーメーター第一弾であるP325 CSは、クランク型の両脚計測タイプながら6万4,350円(交換用の専用チェーンリングは1万340円)と、パワーメーター界隈では破格の価格で注目を浴びた。今回レビューするのは、今春デビューした新型のPES-P505である。

P325 CSは左右のアームのたわみを計測する方式だったが、PES-P505はスパイダー部にひずみゲージが配されるスパイダー型に。もちろん両脚計測が可能だが、P325 CSではパワー/ケイデンス/左右バランス/トルク効率/ペダルスムーズネスの5項目が計測できていたところ、PES-P505はパワー/ケイデンス/左右バランス/ペダルスムーズネスの4項目に。スパイダー型になったことで、構造上トルク効率の計測ができなくなったが、そのぶん価格は4万3,560円と前作より下げられた。また、チェーンリングがシマノ互換に。オリジナルのチェーンリングも用意されるが、ユーザーが選べるように別売となった。

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