辻啓

すでに連載2回目となった、サイクルフォトグラファー辻 啓さんの「SakaiからSekaiへ」(第1回はこちら)。

先日、知り合いに「あの連載名は誰がつけたの?」と聞かれたんですが、連載スタート前に辻さんと打ち合わせしたとき、彼が「シマノのお膝元である大阪府堺市出身」ということがわかり、いくつかの候補のなかからその場のノリと語感の良さで思案の末に決まったものです。まさに今現在、辻さんがツールに帯同していることからも、この連載名でよかったなぁと勝手に思っています(笑)。

そんな「SakaiからSekaiへ」の楽しみのひとつといえば、辻さんから届く写真の数々です。第2回のメインカットももちろん彼がいくつか送ってくれたなかの一葉。構図の大部分がモトをしめていて、その隙間から覗くように4名の選手が写っています。

撮影場所は、2020年ツール・ド・フランス第9ステージの終盤に登場した1級山岳マリーブランク峠。左からベルナル、ランダ、ポガチャル、ログリッチで、先頭を引っ張っているのは2020年ツールの覇者、ポガチャルです。

「こういう写真が自転車メディアで使われることはほとんどないんです」とは辻さん。

求められるのは何台ものモトが去り、視界が開けたその瞬間。そういう意味では、”レース写真”としては落第なのかもしれませんが、むしろ僕はこの写真に現場のリアリティと選手たちの熱量を感じました。1枚の写真のなかにいろんな人の想いや物語が詰まっているというか。

いい写真の定義はひとそれぞれなので正解はありませんが、この写真はスマホではなくぜひパソコンの大きなモニターで見てほしいなぁと思います。

そうそう。
本当に偶然なんですが、僕が第2回の公開日を6月28日(月)にしたいと辻さんに伝えたら「え、その日は僕の誕生日ですよ(笑)」とのお返事が。日本から遠く離れた彼の地で38歳になる辻さん。改めて誕生日おめでとうございます…!

辻さんのインスタグラムのアカウントでは、ストーリー(24時間で消える写真や動画)や現地からのライブなどもちょこちょこやっているようなので、是非チェックしてみてください。6月28日(月)のインスタライブをご覧になった方(やるかどうかわかりませんが)はバースデーメッセージをお忘れなく…!(笑)

「辻 啓のSakaiからSekaiへ」の第3回は、ツール期間中に公開予定です。お楽しみに。

(栗山)