CHALLENGE SANREMO|高級レストランの賄い料理
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第16回は、コットンケーシングの手作りタイヤで有名なイタリアのチャレンジから発売されたクリンチャータイヤ「サンレモ」。タイヤにまで高価格化の波が押し寄せている今、3,630円のサンレモの実力は如何なるものか。今まで低価格帯のタイヤとは距離を置いてきたという編集長の安井が試す。
2023.04.12
ANCHOR RP8試乗記・開発者インタビュー
制約の中でできること
ハイエンドモデルの高価格化が進み、それに伴ってミドルグレードへの注目度が高まっている。そんな中で生まれてきたアンカーのRP8。近年稀に見る注目作となったRP9の下位グレードである。安井行生がRP9と比較しながら試乗し、「完成度の高いRP9との差異はどれほどか」「30万8,000円のフレーム/55万円の完成車として完成度はどうか」という2つの観点から評価を下す。またブリヂストンサイクル商品企画課の村河裕紀さんにインタビューを行い、RP8の真価とコストに縛りがあるミドルグレード作りの難しさに迫った。
具体的な年式やモデル名を挙げることはあえて避けるが、かつてアンカーの“8”に辛辣な評価を下したことがある。仕方がないだろう。とにかく走らなかったのだ。ペダリングが重く、せっかく加えたパワーが一体どこに消えてしまったのかと疑問に思うほどだった。
ブリヂストンサイクル側からクレームはなかったが、某誌に掲載後、読者の方から「貴重な日本メーカーの製品をここまで悪し様に書くとは不愉快である」という旨のお便りをいただいた。もしかしたらオーナーの方だったのかもしれない。
しかしアンカーがプロフォーマット1Propulsive Force Maximization Analysis Technology=推進力最大化解析技術のアクロニム。アンカーがその母体であるブリヂストンの基盤技術部門とタッグを組んで構築した設計思想で、近年アンカーがフレーム作りのコンセプトとしている。を使うようになり、レベルを上げた“9”に引っ張られるように“8”の走りも改善されていく。RL8などはRL9よりもバランスがいいと感じたほどだ。
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La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをプチレビューする「LR Pick up」。第16回は、コットンケーシングの手作りタイヤで有名なイタリアのチャレンジから発売されたクリンチャータイヤ「サンレモ」。タイヤにまで高価格化の波が押し寄せている今、3,630円のサンレモの実力は如何なるものか。今まで低価格帯のタイヤとは距離を置いてきたという編集長の安井が試す。
2023.04.12
ディスクロードにしてフレーム重量600gを下回るという、にわかには信じがたい軽さを誇るエートス。そしてグラベルロードながら軽量ロードバイクフレーム並みの重量を実現したクラックス。それらを開発したのは、スコットのアディクトやキャノンデールのスーパーシックエボなど数々の名車を手掛けてきた、自転車界の鬼才と呼ばれるエンジニア、ピーター・デンク。La routeは、エートスが発表された1年以上も前から「デンクに話を聞きたい」と言い続け、ついに氏へのインタビューが実現した。エートスはなぜここまで軽くなったのか。なぜ従来のセオリーとは異なる形状になったのか。デンク氏から得られた回答のほぼ全てを、ここにお伝えする。
2022.02.21
やっと出てきた。アンカー初のエアロロード、そしてアンカー初のハイエンドディスクロードでもあるRP9。さらに、デュラエース完成車約120万円、フレーム価格約50万円という高価格帯への参入。アンカーにとって初めて尽くしの意欲作でもある。ライバルメーカーに対する遅れを取り戻せるか。競合ひしめくハイエンド市場で存在感を示せるか。オリンピックの興奮冷めやらぬ2021年9月の東京で、安井がRP9に乗り、真面目に考えた。
2021.09.27
コロナの影響でなかなか実現しなかったアンカー・RP9開発者インタビューが、やっと叶った。日本のメーカーだから、近くて簡単に取材できるから、なんていう消極的な理由ではない。RP9を見て、乗って、考えた結果、これはなにがなんでも開発者に話を聞かねば、と強く思ったのだ。あの走りは意図されたものなのか。もしそうなら、どうやって実現したのか。ブリヂストンサイクル上尾工場内のカーボンラボにて、RP9の秘密に触れた。
2021.11.22
普段生活していて、この会社の自転車を見ない日はないといっていい。ホダカ株式会社。「マルキン」ブランドの軽快車をはじめ、「コーダーブルーム」や「ネスト」といったスポーツバイクブランドを擁しているドメスティックブランドで、海外メーカーが隆盛なスポーツバイク業界では貴重な存在である。しかし私たち含めスポーツ自転車愛好家の多くは、その実態をほとんど知らない。今回はそんなホダカが一体どんな会社なのかを探るべく、インタビューを敢行。La routeチームは高揚感と緊張を胸に、越谷市にあるホダカ本社に向かい、代表取締役の堀田宗男さんと企画開発部部長の雀部庄司さんのお二人にお話を伺った。
2023.05.22
エアロロードが必修科目になり、ディスクロード一色になった現在のロードバイク界。しかしアンカーはエアロロードを持っていない。ディスクロードも1車種しかラインナップしていない。おい大丈夫なのかアンカー。推進力最大化とか言ってる場合か。そう思っていた人も多いだろうが、ここでやっとRL8のディスクブレーキ版RL8Dが追加された。開発陣へのインタビューを交えながら、RL8Dという自転車の価値と、アンカーというメーカーのこれからを考えた。
2021.04.19
コロナの影響でなかなか実現しなかったアンカー・RP9開発者インタビューが、やっと叶った。日本のメーカーだから、近くて簡単に取材できるから、なんていう消極的な理由ではない。RP9を見て、乗って、考えた結果、これはなにがなんでも開発者に話を聞かねば、と強く思ったのだ。あの走りは意図されたものなのか。もしそうなら、どうやって実現したのか。ブリヂストンサイクル上尾工場内のカーボンラボにて、RP9の秘密に触れた。
2021.11.22
Twitterでトレンド入りするほど話題となったキャットアイの新型ライト、VOLT800 NEO。名作と言われた前作VOLT800の価格はそのままに、「日本のユーザーが求めている性能」をきっちりと織り込んで進化させた“NEO”は、いかにして企画され、開発されたのか。キャットアイへのインタビューを通して、VOLT800 NEO開発の背景を紐解く。書き手は自転車用ライトに関して膨大な知見を有する「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人、baru(ばる)さんだ。前編ではキャットアイの技術者に「自転車用ライトの基本」を聞く。
2023.04.03
キャノンデールのエンデュランスロード「シナプス」がモデルチェンジを遂げて5代目となった。その姿を見た安井の第一声は「これは果たしてシナプスなのか?」であった。平凡になったフレームワーク、ハイモッドバージョンの消滅、バイクパッキングに対応した台座の数々、そして安全装備「スマートセンス」を一番の売りとしてアピール―—。かつてはツール・ド・フランスにも投入されたこともあるあの「シナプス」は一体どこへいってしまったのだろうか。編集長の安井行生が、キャノンデール・ジャパンへのインタビューも踏まえ新型シナプスの本質に迫る。
2022.03.14
S5を発表したばかりのサーヴェロが、返す刀で伝統のネーミングを復活させた。かつて強豪選手が乗りレース界で暴れまくった名車であり、現代のエアロロードの始祖とも言えるソロイストである。ただし、当時のソロイストの精神をより濃く受け継ぐのはS5だ。空力を追求し、グランツールで華々しい勝利を挙げるS5こそ、ソロイストの皇位継承者に相応しい。では、新型ソロイストとは一体なんなのか。名ばかりの復活なのか、それとも――。安井行生がS5、R5、カレドニアと比較試乗し、新型ソロイストの存在意義を考える。
2022.12.26
名門コルナゴのエースを張るVシリーズがV4Rsに代替わりしたばかりだが、前作V3-RSと同形となるミドルグレード、V3は2022年にケーブル内装化というマイナーチェンジを受け、まだまだ現役である。安井行生と栗山晃靖が機材や自転車界隈のあれこれについて語り合う「La route Talk」の第3回は、そんなV3を題材に、ロードバイクの高価格化と、現代のミドルグレードの課題について語る。ミドルグレードは果たして、これでいいのか、これがいいのか。
2023.03.27
量産ディスクロードながらフレーム重量500g台、完成車重量5kg台という軽さを実現し、大きな話題を呼んだスペシャライズド・エートス。La routeでも3回に渡ってエートスの記事を公開した。しかしLa routeはハイエンドバイク専門メディアではない。近年稀に見るエポックメーカー、エートスならミドルグレードの試乗もすべきだろう。エートスの購入を本気で検討しているLa routeのテクニカルディレクター、藤田宗親を加え、リアルな買い手目線のエートスグレード間比較試乗記をお届けする。
2021.07.19
スペシャライズドのグラベルロード、ディヴァージュに“STR”のサフィックスを付けたニューモデルが追加された。トップチューブ後端から何かが伸びて、シートチューブに繋がっている。またスペシャがなにか新しいことを考え付いたらしい。STR =Suspend the Rider。「ライダーを振動から切り離す」だけなら、古の技術であるフルサスでいいはずだ。スペシャライズドはなぜ、ステム直下とシートポストに衝撃吸収機構を仕込んだのか。新作ディヴァージュSTRをネタに、安井行生が「自転車の速さと快適性」、そして「グラベルロードの在り方」を考える。
2023.05.01
La routeの安井行生と栗山晃靖が機材や自転車界隈のあれこれについて語り合う「La route Talk」。第1回目は新型のトレック・ドマーネを取り上げる。ピュアロード、エアロロード、エンデュランスロード、グラベルロード、オールロード。ロードバイクのカテゴリーが多様化し続ける一方で、それぞれの棲み分けはどんどん曖昧模糊になっている。その中でもとりわけ存在感が薄くなりつつあるのが、グラベルロード人気の煽りを食っている様相のエンデュランスロードだ。今回、第4世代となった新型ドマーネで安井と栗山が約70kmのライドを敢行し、その印象とエンデュランスロードの存在意義をあらためて語ることにした。街中、グラベル、峠を走った先に見えた、エンデュランスロードの行く末とは。
2022.12.19
2022年の末、日本のスポーツ用品メーカーであるヨネックスが、新型のカーボンフレーム「カーボネックスSLD」を発表した。コンセプトは次世代の軽量ディスクロード。540gというフレーム重量にも度肝を抜かれたが、走りも驚くべきものだった。箱根の登坂をXSサイズのカーボネックスSLDと共にした安井は、「完成の域に達したリムブレーキ車に近い性能と乗り味」と評した。なぜカーボネックスSLDはここまで軽くなり、こんな走りをするのか。ヨネックスの新潟工場に赴き、カーボネックスSLDが生まれた背景に迫る。前編では、技術開発第一部の古山少太さん、川上清高さん、綾野陽仁さんの3名に開発秘話を聞いた。
2023.06.12