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COLNAGO C68試乗記|イタリアの和三盆
押しも押されもせぬ王道ロードレーサー、コルナゴのCシリーズ。前作C64同様、10刻みではない中途半端な数字を車名に冠して登場した最新作がC68である。しかし、昨今のレースシーンで活躍するのは主にVシリーズであり、コルナゴ史上初となるツール総合優勝を達成したのもV3-RS。しかも最新世代のV4Rsに代替わりしたばかりだ。戦わなくなった“C”の存在意義はどこにあるのか。純粋なラグ構造を捨て、コンセプトまで変化させた“C”の生きる道とは。10年以上も前に乗ったEPSの衝撃がいまだに忘れられないという安井行生が、最新のC68に試乗し、考えた。
2023.01.23
interview
COLNAGO V3を通してミドルグレードの在り方を考える|これでいいのか、これがいいのか
名門コルナゴのエースを張るVシリーズがV4Rsに代替わりしたばかりだが、前作V3-RSと同形となるミドルグレード、V3は2022年にケーブル内装化というマイナーチェンジを受け、まだまだ現役である。安井行生と栗山晃靖が機材や自転車界隈のあれこれについて語り合う「La route Talk」の第3回は、そんなV3を題材に、ロードバイクの高価格化と、現代のミドルグレードの課題について語る。ミドルグレードは果たして、これでいいのか、これがいいのか。
2023.03.27
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BIANCHI ORTRE RC/PRO/COMP 試乗記|伝統芸から、空力戦争の最前線へ
2010年に登場した初代から4代目のXR4まで、コンセプトも設計も大きく変えぬまま、市場での評価も実戦での結果も手にしてきたビアンキのオルトレ。しかし5代目となる新型は、姿をがらりと変えてきた。La routeは3月末に行われたそんなオルトレの発表試乗会に参加。トップグレードの「オルトレRC」とセカンドグレードの「オルトレ プロ」に自転車ジャーナリストの吉本 司が、シリーズ末弟である「オルトレ コンプ」に編集長の安井行生が乗り、世界最古の自転車メーカーであるビアンキの生き方と行き方を考えた。
2023.05.08
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CERVELO S5試乗記|品行方正なロックスター
2022年のツール・ド・フランスでマイヨジョーヌ、マイヨアポワ、マイヨヴェールを全て獲得し、これ以上ないほどのデビューウィンを飾ったサーヴェロの新型エアロロード、S5。しかし、ツールを走っているのが新型だと気付いた人は少なかったかもしれない。無二の専用フォークと二股ステムを含め、旧型とほとんど形状が変わっていなかったからである。サーヴェロはなぜ形を変えなかったのか。そして、どこを変えたのか。前作のS5にはさほどいい印象がなかったという安井行生が、新型に冷静な評価を下す。
2022.09.26
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SPECIALIZED S-WORKS TARMAC SL8試乗記|モーガンヒルからの伝言
優秀な動力伝達性に加えて空力性能も身に付け、あの名車の誉れ高いヴェンジを廃版にしてしまうほどの万能バイクになったターマックSL7。それがまだ一級の性能を維持しているにもかかわらず、2023年、スペシャライズドはターマックをSL8へと代替わりさせた。レーシングバイクとして高い完成度を誇っていたSL7を、どう進化させたのか。群馬県の嬬恋で行われたプレスローンチに参加した安井が、Sワークスに乗り、プレゼンを聞き、現代ロード界の最重要モデルであるターマックについて考え、評価を下す。SL8に埋め込まれた開発陣からのメッセージとは?
2023.08.14
technology
YONEX CARBONEX SLD 開発譚(前編)| 数値化できない性能を求めて
2022年の末、日本のスポーツ用品メーカーであるヨネックスが、新型のカーボンフレーム「カーボネックスSLD」を発表した。コンセプトは次世代の軽量ディスクロード。540gというフレーム重量にも度肝を抜かれたが、走りも驚くべきものだった。箱根の登坂をXSサイズのカーボネックスSLDと共にした安井は、「完成の域に達したリムブレーキ車に近い性能と乗り味」と評した。なぜカーボネックスSLDはここまで軽くなり、こんな走りをするのか。ヨネックスの新潟工場に赴き、カーボネックスSLDが生まれた背景に迫る。前編では、技術開発第一部の古山少太さん、川上清高さん、綾野陽仁さんの3名に開発秘話を聞いた。
2023.06.12
interview
CAMPAGNOLO SUPER RECORD WIRELESS試乗記・担当者インタビュー|悲しい変化と前進する意思
ワイヤレス変速が当たり前になりつつあるロードコンポの世界。日本のロードバイク市場でカンパニョーロの存在感が徐々に低下しているなか、新型となるスーパーレコード ワイヤレスが発表された。変速段数は12速のままだったが、商品名の通り完全無線変速となり、時流に追い付いた。しかし、歴代カンパニョーロの最大の美点であった親指レバーが姿を消すという大変更も行われていた。その親指レバーによる独特のシフトフィールに惚れ込んでいたジャーナリストの安井が、日直商会にて行われた新型スーパーレコードの技術説明会に参加。サービスセンター・マネージャー、伊澤一嘉さんへの一問一答と短時間の試乗を通して、新型スーパーレコードの存在意義を考えた。
2024.02.05
interview
ANCHOR RP9開発憚|背景にある愛情と狂気
コロナの影響でなかなか実現しなかったアンカー・RP9開発者インタビューが、やっと叶った。日本のメーカーだから、近くて簡単に取材できるから、なんていう消極的な理由ではない。RP9を見て、乗って、考えた結果、これはなにがなんでも開発者に話を聞かねば、と強く思ったのだ。あの走りは意図されたものなのか。もしそうなら、どうやって実現したのか。ブリヂストンサイクル上尾工場内のカーボンラボにて、RP9の秘密に触れた。
2021.11.22
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ANCHOR・RP9試乗記| そこに“なにか”はあるか
やっと出てきた。アンカー初のエアロロード、そしてアンカー初のハイエンドディスクロードでもあるRP9。さらに、デュラエース完成車約120万円、フレーム価格約50万円という高価格帯への参入。アンカーにとって初めて尽くしの意欲作でもある。ライバルメーカーに対する遅れを取り戻せるか。競合ひしめくハイエンド市場で存在感を示せるか。オリンピックの興奮冷めやらぬ2021年9月の東京で、安井がRP9に乗り、真面目に考えた。
2021.09.27
interview
GHISALLO GE-110エンデュランスロード試乗記・開発者インタビュー|日本の道を見据えて
バイクパッキングでのロングライドを想定しつつ、速さも諦めない。そんなコンセプトのエンデュランスロードがフカヤのオリジナルブランド、ギザロから登場し話題を呼んだ。カーボンハンドル、カーボンステム、カーボンシートポスト込みで20万円台中盤という、この時代にあって良心的な価格も耳目を集める。そんなGE-110エンデュランスロードに試乗した安井は、バランスのとれた性能に加え、かつてのギザロとはかけ離れたブランドイメージを確立していることにも驚いた。GE-110誕生のキーマンへのインタビューを通し、問屋による日本人のためのロードバイクを考えた。
2023.07.31
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グロータック・EQUALキャリパー試乗|機械式ディスクブレーキの可能性(前編)
安物、低グレード、効かない、レバーの引きが重い。ケーブルでパッドをローターに押し付ける機械式ディスクブレーキキャリパーに抱くイメージとは、まぁそんなところだろう。だから現在のロード界では、ディスクロード≒油圧である。しかし常に予想の斜め上を行くグロータックから、”本気の機械式ディスクブレーキキャリパー”が発売された。シマノのST-R8020の重さに嫌気がさしていた編集長の安井が、自腹で購入し、使ってみた。その実力や如何に。
2021.06.07
technology
グロータック・EQUALキャリパー開発譚|機械式ディスクブレーキの可能性(後編)
「ディスクブレーキ≒油圧」という等式が成り立っている現在のロード界。しかし、“本気の機械式ディスクブレーキキャリパー”を発売したグロータックが、そこに一石を投じた。そのEQUAL機械式ディスクブレーキキャリパーを自腹購入した安井が、改めて機械式ディスクブレーキの可能性を探る。後編では、グロータック代表、木村将行氏に「油圧に負けない機械式ディスクブレーキキャリパー」の開発譚を聞く。
2021.06.14
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MAVIC COSMIC SLR45/SL45試乗記 時代の終わりか、それともはじまりか
経営母体の交代。R-SYS、ジクラルスポーク、エグザリットリムの消滅を伴うラインナップ一新。ツール・ド・フランスニュートラルサービスからの撤退――。いちユーザーからすれば混迷を極めていると思えなくもないマヴィックだが、果たして注目の新作、コスミックSLR45とSL45の実力やいかに。同モデルを編集長の安井が試乗した。
2021.02.08
technology
YONEX CARBONEX SLD 開発譚(後編)| カーボンフレームが生まれる瞬間
ミリ単位で積層設計を行い、グラム単位で軽量化をし、フレームの中に織り込まれたった数本の糸が乗り味を左右するという、緻密の極致のようなレベルで設計されたカーボネックスSLD。当然、大雑把にプリプレグを貼ってみたり、塗料を大量に吹き付けたりしたら、開発者の苦労が全てパーである。開発譚をお聞きした後は、ヨネックス新潟工場でカーボネックスSLDの製造工程を見学させていただき、プリプレグの貼り付け、金型での加熱と加圧、こだわりの塗装法などを写真に収め、レポートと共に多数掲載した。世界最軽量級のカーボンフレームが生まれる瞬間を、じっくりとご覧いただきたい。
2023.06.19
touring
乗鞍を再発見する私的自転車小旅行|冷泉小屋での白昼夢
岐阜県と長野県の県境にある乗鞍。登山、スキー、温泉などの山岳観光地として知られるが、自転車乗りにとっては「ヒルクライムの聖地」である。1986年からはヒルクライム大会が開催され、多くのクライマーが頂上に向けてペダルを踏む。そんな乗鞍の中腹にぽつんと建っている古ぼけた山小屋、冷泉小屋。16年間閉鎖されていたが、今年リニューアルし営業を再開した。かつてはタイムを縮めるために毎年通っていた安井行生が、数年ぶりに乗鞍を訪れ、冷泉小屋に宿泊。かつての安井にとっては“力試しの場”でしかなかった乗鞍は、今、彼に何を語るのか。
2022.10.03
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ANCHOR RL8D試乗記│“売れる自転車”と“いい自転車”
エアロロードが必修科目になり、ディスクロード一色になった現在のロードバイク界。しかしアンカーはエアロロードを持っていない。ディスクロードも1車種しかラインナップしていない。おい大丈夫なのかアンカー。推進力最大化とか言ってる場合か。そう思っていた人も多いだろうが、ここでやっとRL8のディスクブレーキ版RL8Dが追加された。開発陣へのインタビューを交えながら、RL8Dという自転車の価値と、アンカーというメーカーのこれからを考えた。
2021.04.19