日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022参戦記| 現代におけるロードバイクの意味と価値(前編)
「今年を代表する1台」を選出する日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022(以下BOTY2022)。昨年に続き、この業界最大のアワードイベントにLa route編集長の安井が参加した。今年から選考委員に加わった自転車ジャーナリストの吉本 司との対談で、ノミネートされた10台の印象と、2021年のロードバイクについて語る。前編は、選考基準に関する一考察と、上位5台について。
2022.01.20
日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2023参戦記
ロードバイクよ、どこへ行く(前編)
「今年を代表する1台」を選出する日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー。8名の選考委員によって選ばれた10ベストバイクを同条件で乗り比べる最終選考会を経て、遂に2023年度の受賞車が決定した。La routeでは昨年同様、このアワードイベントに参加した自転車ジャーナリストの吉本 司とLa route編集長の安井行生の対談で、ノミネートされた10台の印象と2023年のロードバイク界について語る。前編は、選考の難しさと、上位5台について。なぜ吉本と安井は、あのバイクに3点を投じたのか。
「試乗車を用意できるのがいつになるか分かりません」。
「すいません試乗車はまだ先になりそうです」。
「54サイズ1台なら用意できるんですが……」。
ものがないという昨今特有の事情によって、例年から2ケ月遅れの開催となった日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー(以下BOTY)。「1年を代表するロードバイク」を決めるアワードである。第6回となる今年は、メーカーによるプレゼンテーションは省略。選考委員8名による10ベスト選考を経て、2023年1月26日、ヤビツ峠近くの秦野戸川公園に試乗車を集め、最終選考会が行われた。園内で撮影をした後、1日かけて周辺の一般路でノミネート車両10台をまとめて試乗、というスケジュールである。
2023年のノミネートバイクは以下の10台。
なお、本来であればここに入るべきジャイアント・プロペルは「試乗車のサイズを揃えることが難しく、正しく評価をしていただくことが難しい」として参加を辞退。また、ビアンキ・オルトレRCとスコット・フォイルは試乗車が間に合わず、参加を見送っている。
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「今年を代表する1台」を選出する日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022(以下BOTY2022)。昨年に続き、この業界最大のアワードイベントにLa route編集長の安井が参加した。今年から選考委員に加わった自転車ジャーナリストの吉本 司との対談で、ノミネートされた10台の印象と、2021年のロードバイクについて語る。前編は、選考基準に関する一考察と、上位5台について。
2022.01.20
「今年を代表する1台」を選出する日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2022(以下BOTY2022)。昨年に続き、この業界最大のアワードイベントにLa route編集長の安井が参加した。今年から選考委員に加わった吉本 司との対談で、ノミネートされた10台の印象と、2021年のロードバイクについて語るBOTY2022参戦記。後編では、残り5台をLa routeならではの辛口で評価し、続けてロードバイク界の今を斬る。
2022.01.20
「今年を代表する1台」を選出する業界最大のアワードイベント、日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021。その選考会に編集長の安井が参加した。ヒルトン成田で行われたプレゼンテーションとフレンドリーパーク下総での試乗会の様子をレポートし、各バイクの点数配分とその理由を詳述する。なぜ安井はあのバイクに3点を入れ、あのバイクを0点としたのか。
2020.12.25
今年も残すところあとわずか。2022年最後の記事は、La routeの安井行生と栗山晃靖による「La route Talk」年末特別編をお届けします。今回はいつもの編集部から一路山中湖へと飛び出し、美しい富士山をバックにしたライドと合わせて対談を実施。今年気になった機材やトピックをピックアップしながら、2022年の自転車業界を振り返ります。また来年4月に3周年を迎えるLa routeの、メディアとしての現在地や展望を語るほか、安井と栗山による「2022年の思い出深い記事TOP3」にも要注目。みなさんもこの一年を振り返りながら年末のスキマ時間にどうぞご覧ください。
2022.12.28
La routeが迎える初めての年末。2020年最後の記事は、何十年も自転車業界を見つめてきた鏑木 裕さんをゲストに迎え、アドバイザーの吉本 司と編集長の安井行生を交えてのスペシャル鼎談を行った。テーマは「2020年の自転車界を振り返る」。メディアのこと、機材のこと、eバイクのこと、業界の問題点……ここでしか読めない内容をお楽しみください。
2020.12.28
コロナの影響でなかなか実現しなかったアンカー・RP9開発者インタビューが、やっと叶った。日本のメーカーだから、近くて簡単に取材できるから、なんていう消極的な理由ではない。RP9を見て、乗って、考えた結果、これはなにがなんでも開発者に話を聞かねば、と強く思ったのだ。あの走りは意図されたものなのか。もしそうなら、どうやって実現したのか。ブリヂストンサイクル上尾工場内のカーボンラボにて、RP9の秘密に触れた。
2021.11.22
やっと出てきた。アンカー初のエアロロード、そしてアンカー初のハイエンドディスクロードでもあるRP9。さらに、デュラエース完成車約120万円、フレーム価格約50万円という高価格帯への参入。アンカーにとって初めて尽くしの意欲作でもある。ライバルメーカーに対する遅れを取り戻せるか。競合ひしめくハイエンド市場で存在感を示せるか。オリンピックの興奮冷めやらぬ2021年9月の東京で、安井がRP9に乗り、真面目に考えた。
2021.09.27
キャノンデールのエンデュランスロード「シナプス」がモデルチェンジを遂げて5代目となった。その姿を見た安井の第一声は「これは果たしてシナプスなのか?」であった。平凡になったフレームワーク、ハイモッドバージョンの消滅、バイクパッキングに対応した台座の数々、そして安全装備「スマートセンス」を一番の売りとしてアピール―—。かつてはツール・ド・フランスにも投入されたこともあるあの「シナプス」は一体どこへいってしまったのだろうか。編集長の安井行生が、キャノンデール・ジャパンへのインタビューも踏まえ新型シナプスの本質に迫る。
2022.03.14
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをレビューする「LR Pick up」。第14回は、ユーザー直売による高いコストパフォーマンスを武器とするキャニオンの新型アルティメット。“エアロ”と“グラベル”が存在感を増す中、キャニオンは軽量万能バイクをどう進化させたのか。
2022.12.14
ほとんどサバイバルの様相を呈している昨今のロードバイクシーン。そんななかで、一定の地位を築いているカナダのサーヴェロが、主力モデルであるR5を一新した。先代R5のバランス極上の走りとCシリーズ~カレドニアの魔法の絨毯的走行フィールに感動し、サーヴェロのフレームの仕立て方には敬意を払っているという編集長の安井。しかし、新型R5のファーストインプレッションは芳しいものではなかった―。
2021.11.15
2022年のツール・ド・フランスでマイヨジョーヌ、マイヨアポワ、マイヨヴェールを全て獲得し、これ以上ないほどのデビューウィンを飾ったサーヴェロの新型エアロロード、S5。しかし、ツールを走っているのが新型だと気付いた人は少なかったかもしれない。無二の専用フォークと二股ステムを含め、旧型とほとんど形状が変わっていなかったからである。サーヴェロはなぜ形を変えなかったのか。そして、どこを変えたのか。前作のS5にはさほどいい印象がなかったという安井行生が、新型に冷静な評価を下す。
2022.09.26
S5を発表したばかりのサーヴェロが、返す刀で伝統のネーミングを復活させた。かつて強豪選手が乗りレース界で暴れまくった名車であり、現代のエアロロードの始祖とも言えるソロイストである。ただし、当時のソロイストの精神をより濃く受け継ぐのはS5だ。空力を追求し、グランツールで華々しい勝利を挙げるS5こそ、ソロイストの皇位継承者に相応しい。では、新型ソロイストとは一体なんなのか。名ばかりの復活なのか、それとも――。安井行生がS5、R5、カレドニアと比較試乗し、新型ソロイストの存在意義を考える。
2022.12.26
この日本でも人気が高まっているニュージーランドのチャプター2が、REREに次ぐ2作目のエアロロードを発表した。マオリの言葉で「飛翔」を意味するKOKOである。ライバル他社がエアロロードを進化させる中、チャプター2はKOKOをどう仕上げたのか。そして、小規模ながら独自の存在感を放つチャプター2は、ロードバイク界の生存競争をどう勝ち抜くのか。小田原で開催されたメディア試乗会に参加した安井のレポートをお届けする。
2022.03.28
押しも押されもせぬ王道ロードレーサー、コルナゴのCシリーズ。前作C64同様、10刻みではない中途半端な数字を車名に冠して登場した最新作がC68である。しかし、昨今のレースシーンで活躍するのは主にVシリーズであり、コルナゴ史上初となるツール総合優勝を達成したのもV3-RS。しかも最新世代のV4Rsに代替わりしたばかりだ。戦わなくなった“C”の存在意義はどこにあるのか。純粋なラグ構造を捨て、コンセプトまで変化させた“C”の生きる道とは。10年以上も前に乗ったEPSの衝撃がいまだに忘れられないという安井行生が、最新のC68に試乗し、考えた。
2023.01.23
La routeの安井行生と栗山晃靖が機材や自転車界隈のあれこれについて語り合う「La route Talk」。第1回目は新型のトレック・ドマーネを取り上げる。ピュアロード、エアロロード、エンデュランスロード、グラベルロード、オールロード。ロードバイクのカテゴリーが多様化し続ける一方で、それぞれの棲み分けはどんどん曖昧模糊になっている。その中でもとりわけ存在感が薄くなりつつあるのが、グラベルロード人気の煽りを食っている様相のエンデュランスロードだ。今回、第4世代となった新型ドマーネで安井と栗山が約70kmのライドを敢行し、その印象とエンデュランスロードの存在意義をあらためて語ることにした。街中、グラベル、峠を走った先に見えた、エンデュランスロードの行く末とは。
2022.12.19
ピナレロのドグマも、BMCの各車も、「ウチのバイクはシルエットだけでウチのだと分かる」と、フレーム形状の個性を言い募る。2023年、彼らを赤面させるほどの独自性を備えたニューモデルが出た。しかも、そんなことを一番しそうになかった真面目なメーカーから。新型マドンである。初代マドンの登場から20年。7代目となった新作は、どんな走りをし、どんな存在になっているのか。人生の節目節目でトレックのロードバイクから衝撃を受け、自転車観が変わるほどの影響を受けているという安井行生が、新型マドンに乗って考える。
2023.03.06