自転車を買うときの注意事項

「自転車を購入したら記事を書かなければいけない」

La routeメンバーにそんな掟があるのかどうかは定かではないが、また自転車を買ったのでこうして再び筆をとっている。スポーツバイクだけに限って言えば、これが人生で7台目の自転車となる。メインカットに匂わせ写真を使ってしまったが、これ以上じらしてもしょうがないので、まずは買った自転車を紹介したい。

スペシャライズドのディヴァージュである。グレードはプロ カーボン。新車ではなく、知り合いからお手頃価格で譲っていただいたのだ。

思い返せば昨年のこと。

「ラファのグラベルイベントに参加しませんか?」
「ニセコグラベル、いきませんか?」
「アンバウンド・グラベル、取材しないんですか?」
「グラベル系タイヤの一気乗り企画やってほしいんですよね」

そんなお誘いやご要望をいろんな方から頂いていたものの、そのたびに「あ、自転車ないんですよねー」とやる気のない返答を繰り返していた。そもそも運動音痴だしオフロードスキルもゼロなので、ハードなグラベルライドに誘われたところで走り切れる気がまったくしないのだが。

ただ、ハシケンさんをゲストにした「ハシケンと安井のグラベルロード体験記」、「スペシャライズド・グラベルロード3種試乗会レポート」、北米3メーカーのマーケット担当者による「北米3大自転車ブランド座談会」、さらに「奥鬼怒グラベルツアー参加レポート」、なんなら世界で高いシェアを誇るパナレーサーのグラベルタイヤ「グラベルキング開発譚」など、パッと思い浮かべるだけでもいくつものグラベル関連記事を公開している。

これだけ自分たちのメディアでグラベルグラベルと言っているのに、当の本人たちが1台も所有していないのはいかがなものか、と常々思っていたのだ(ちなみに安井が買ったレモンのポップラッドは正確にはシクロクロス車です)。

そんなある日のこと。

「栗山さん、この自転車買いません?」

recommend post


column

プロデューサー栗山の自転車購入記│関西から来た、漆黒のサラブレッド

サイクリストにとって「自転車を買う」のは特別な行為だ。どのブランドのどのモデルか、はたまたどんなカラーなのか――。洋服選びと同じように、自転車選びにはその人のセンスや人格が現れるといっても過言ではないだろう。La routeでもおなじみの辻 啓氏や小俣雄風太氏のカレドニアも含め、ここのところ自転車業界人のバイク購入報告が相次いであったが、La routeプロデューサーの栗山も新しい自転車を手に入れたらしい。非競技志向かつのんびりライド中心の彼が選んだバイクは、まさかのあの漆黒のマシンだった。

2022.05.25

interview

カレドニアにまつわるエトセトラ(前編)

サイクルフォトグラファーの辻 啓と編集ライターの小俣雄風太。旧知の仲でもある二人だが、申し合わせるでもなく同じタイミングで、しかも同じカラーのバイクを購入するという偶然が起きた。バイクは舗装路から未舗装路まで幅広い走行シーンを想定した、サーヴェロのカレドニアー5。小俣氏に関してはLa routeでも購入記を綴ってもらったが、それにしてもなぜ2人は同じバイクを買ったのか?
共に「J SPORTS」や「GCN」で海外ロードレースの実況解説を担う両名が、いま海外で起きているレーストレンドを踏まえつつ、自分の理想のライドやカレドニアというバイクの魅力、ひいてはそれぞれのロードバイク観について行った対談を、前編と後編に分けてお届けする。

2022.04.04

interview

安井×栗山のLa route年末対談|2022年の自転車業界と3年目のLa route

今年も残すところあとわずか。2022年最後の記事は、La routeの安井行生と栗山晃靖による「La route Talk」年末特別編をお届けします。今回はいつもの編集部から一路山中湖へと飛び出し、美しい富士山をバックにしたライドと合わせて対談を実施。今年気になった機材やトピックをピックアップしながら、2022年の自転車業界を振り返ります。また来年4月に3周年を迎えるLa routeの、メディアとしての現在地や展望を語るほか、安井と栗山による「2022年の思い出深い記事TOP3」にも要注目。みなさんもこの一年を振り返りながら年末のスキマ時間にどうぞご覧ください。

2022.12.28

interview

カレドニアにまつわるエトセトラ(前編)

サイクルフォトグラファーの辻 啓と編集ライターの小俣雄風太。旧知の仲でもある二人だが、申し合わせるでもなく同じタイミングで、しかも同じカラーのバイクを購入するという偶然が起きた。バイクは舗装路から未舗装路まで幅広い走行シーンを想定した、サーヴェロのカレドニアー5。小俣氏に関してはLa routeでも購入記を綴ってもらったが、それにしてもなぜ2人は同じバイクを買ったのか?
共に「J SPORTS」や「GCN」で海外ロードレースの実況解説を担う両名が、いま海外で起きているレーストレンドを踏まえつつ、自分の理想のライドやカレドニアというバイクの魅力、ひいてはそれぞれのロードバイク観について行った対談を、前編と後編に分けてお届けする。

2022.04.04

column

明日もまた、カレドニアで

La routeでもおなじみの書き手であり、編集者であり、実況リポーターでもある小俣雄風太氏が自転車を買ったらしい。「モダン・ロードバイク」を掲げるサーヴェロ・カレドニア-5である。エアロ、軽量、ファンライドといろんな要素をクロスオーバーさせたカレドニアは、ともすれば中途半端な存在にもなりかねないが、なぜ小俣氏はそんなカレドニアに引き寄せられたのか。カレドニア購入にまつわる小俣雄風太の極私的な購入&試乗ストーリー。

2021.10.15

interview

辻、栗山、安井がキッズバイクについて考える|こどもと、じてんしゃ

どうせすぐ乗れなくなるから。子供は荒っぽく扱うから。幼少期に乗る自転車、いわゆるキッズバイクは、そんな理由で軽視されがちである。そもそも数万円の使い捨てママチャリが蔓延するこの国で、高品質なキッズバイクを求める家庭は少なく、子供たちは自ずと安価で重いバイクで自転車人生をスタートさせることになる。しかし、子供時代に自転車でもっといい経験をしていれば、もっと軽やかにスムーズに走る自転車に乗っていれば、今の日本の自転車界はもう少し明るかったかもしれない。業界人として、サイクリストとして、父として、そんな状況を憂う3人、辻 啓・栗山晃靖・安井行生が、親としての自身の経験をもとに「子供と自転車」を考える。

2022.09.12

impression

スペシャライズド・グラベルロード3種試乗会参加レポート| 飛ぶか、這うか

グラベルロードというカテゴリーが盛り上がり始めて数年。各社から個性的なバイクが次々と登場し、市場は戦場の様相を呈している。そんな流れのなか、スペシャライズドの「メディア向けグラベルバイク試乗会」が開催され、同社の「クラックス」「ディヴァージュ」「クレオ」というまったく性格の異なる3台を同条件で比較させていただく機会を得た。ロードバイクを主戦場とする安井行生は、その3台に乗って何を思い、何を感じるのか。3台と3つのホイールをとっかえひっかえした、グラベル尽くしの試乗会レポートをお届けする。

2022.02.07

column

ハシケンと安井のグラベルロード体験記|僕らを悪路に連れてって

首までどっぷりとロードバイクに浸かっている、スポーツジャーナリストの橋本謙司さんとLa route編集長の安井行生。「ロードバイクが好き」という以外にも共通点の多い二人だが、そのうちのひとつが「ほぼグラベル遊び未経験」ということ。今回の企画では、今までロードバイク一筋だった二人が、グラベルロードに乗って悪路を走ったらどう感じるのか? を検証。グラベル遊びの先生役としてグロータック代表の木村将行さんを迎え、木村さんの庭ともいうべき多摩川のグラベルコースを走りこんだ。

2021.10.18

interview

パナレーサー・グラベルキング開発譚│北米を席捲したメイド・イン・ジャパン

国内外でトップシェアを誇るグラベル用タイヤ、パナレーサーのグラベルキング。アメリカ主導のムーブメントにおいて、なぜ日本メーカーのタイヤが覇権を握ったのか。それまでマーケットが存在しなかった「グラベル」というカテゴリの商品を、いかにして作り、いかにして定番化させたのか。前半は、海外事業課の岡田雅人さんにグラベルキング誕生のきっかけを聞く。後半では、技術部技術・開発グループの久利隆治さんと佐藤優人さん、マーケティンググループの三上勇輝さんにグラベルキングの開発ストーリーを尋ねる。近年稀にみる、王の誕生の物語。

2022.08.22

interview

北米3大自転車ブランド座談会(前編)|ニッポンのグラベルロードの未来

日本のサイクリングシーンで「グラベル」という言葉を耳にしない日はなくなった。しかし、バイクの種類も増え、各メディアでその楽しみ方が紹介されるようになってなお、掴みどころのない幅広さを感じるのも事実である。そこで今回は、グラベルカルチャー発祥の北米を代表する3大自転車ブランド、キャノンデール、スペシャライズド、トレックのマーケッターに集まって頂き、グラベルの世界的な動向や日本市場の今を語ってもらった。ファシリテーションは、La routeでもおなじみの小俣雄風太が務める。世にも珍しい同業他社による、あけすけなグラベルトークを前編・後編に分けてお届けする。

2022.05.30

touring

奥鬼怒グラベルツアー参加レポート|山の奥の、そのまたむこう

「東京の奥座敷」と呼ばれる栃木県日光市の鬼怒川温泉。そこからさらに山深く入った場所にある奥鬼怒温泉は、鬼怒川の源流域にあたる。そこへ行くルートは未舗装路の奥鬼怒スーパー林道しかなく、しかも普段は自転車を含めた車両の通行が禁止されている。そんな「関東最後の秘湯」へグラベルロードで行くモニターツアーが開催され、安井行生が参加。山奥のグラベルは未経験だという安井は、“本当のグラベル遊び”を経験し、何を想ったか。

2022.12.07