CORIMA・MCC WS+ DX試乗記 ディスクロード用高性能ホイールの行方
ホイールメーカー各社がロードホイールのディスクブレーキ化に四苦八苦している。特に、スポークパターンに制限があるコンプレッション構造ホイールが難しい。しかし、コリマはトップモデルであるMCCシリーズをディスク化してみせた。それはどんな方法で、どんな作りで、どんな走りになっているのか。コリマ・MCC WS+ DX 47mmチューブラーを題材に、ディスク時代の超高性能一体型ホイールのあり方を考える。
2020.09.28
FULCRUM SPEED25
あの軽やかな走りをもう一度
La routeの制作メンバーが気になるor自腹で買ったアイテムをレビュー、100点満点で評価を下す連載「LR Pick up」。第13回は、フルクラムのスピード25。今、再び注目され始めているローハイトカテゴリに投入された新作である。ディスクブレーキ化して以来、走りが重くなる傾向にあるロードバイク。これはその“軽快感復活剤”となるか。これまで何本ものフルクラムを使ってきた編集長の安井行生が試乗し、考えた。
2022.11.02
text YUKIO YASUI
フルクラムはどんなブランド？
この間、乗鞍を上ってきた。ヒルクライムレースに出なくなってからとんとご無沙汰していたのだが、数年ぶりのエコーラインをえっちらおっちら上っていると、乗鞍に初めて上ったときのことを思い出した。ぶっつけ本番のマウンテンサイクリングin乗鞍。なんともう20年近く昔のことだ。
そのときの機材は、メッセンジャーの給料を全額突っ込んで買ったデュラエース組みのトレック・5500。そして、ホイールは自転車部の先輩にお借りした決戦用のハイペロンだ。
カタログから落ちてはや数年が経過しているので知らない方もいると思うが、ハイペロンとはカンパニョーロが作っていた軽量ホイールである。カーボンリムがまだ珍しかった2000年頃に発表されたモデルで、専用設計のカーボンハブを使って重量は約1200g（チューブラー）と、当時としては驚異的な軽さだった。
リム幅は20mm。リムハイトは前輪19mm、後輪20mm。前後専用設計のリム、ハイローフランジのリヤハブ、のむラボ用語でいうところの左右異径組み、しかも後輪はリムがオフセットしているという、当時としてはかなり進んだ、ホイール体として理想的な構造を採用していた。
その後、カーボンクリンチャー黎明期にクリンチャー版を出し、セラミックベアリングを採用したハイペロンウルトラを発売し、アルミハブ＆ステンレスベアリングの廉価版であるハイペロンワンを加えて……とラインナップを増殖させながら、高級軽量ホイールの代名詞として、ロードバイクホイール界のトップに君臨していた名品である。
そんなハイペロンと同じリムを使った姉妹モデルが、フルクラムのレーシングライトだった。
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