すでにこちらの記事でもお伝えした通り以前参加表明した「BEACH CROSS Crit 99」、無事完走しました。どんなイベントだったのかは記事をご覧になっていただければと思いますが、砂の上をガンガン走って転んだので、自分でできるところは一通り分解して清掃しておきたいなぁと。というわけで本日のDAYSはディヴァージュのプチ分解編をお届けします。ニセコグラベルのオータムライドも走ったのでよいタイミングかな、と。

というわけで早速スタート。

まずはディヴァージュの特徴のひとつであるフューチャーショック周りから。ヘッドベアリング周辺は上下ともに砂でジャリジャリ。すべてふき取ってパーツクリーナーで脱脂して再度グリスアップしたんですが、早めにやっておいてよかったです。

クランクも車体から取り外しました。スラムのDUB規格というんでしょうか。このタイプのクランク…というかこのディヴァージュが僕にとっての初スラムなんですが、専用工具がいるのかと思いきや、なんと取り外しは8mmのアーレンキー1本。それなりのトルクで締められていましたが、専用工具なしで脱着できるのは素晴らしい。

チェーンリング、スパイダーアーム、クランクの3つで構成されたクランク周り。ボルトはすべてトルクスです。全部外して清掃しましたが、わずかなスキマやチェーンリングの谷に小さな砂がしっかりと入り込んでいました。スパイダーアームとクランクを結合するボルトの多さにも注目。

こちらがクランク周りのボルトを除く全部品。シマノは右クランクとシャフトが一体になっていますが、スラムは左クランクとシャフトが一体になっています。また、BBへの与圧のかけ方もシンプルで、左上から2番目の部品(赤矢印)を手で締めるだけという簡単仕様。もちろんここも専用工具は不要です。
クランクの取り外し方法もそうですが、こういうところにメーカーの設計思想が垣間見えて面白いです。

フレーム内部。「砂が入り込んでいるんだろうな~」と思っていたら、ここは掃除する必要はないほどでした。ちなみにBBそのものは外し方が分からなかったのと、手で回して問題なさそうだったのでスルー。

ホイールはエンドキャップをすべて外して清掃。ゴリゴリしていたら打ち換えようと思っていましたが問題なし。

フリーホイールボディは、目視できるレベルで砂が付着していますね。

せっかくの機会だからと思いフリーホイールもオーバーホール、と気軽に書けるほどDTスイスのフリーホイールはメンテがラク。ホイール単体からこの状態にするだけだったら、リアスプロケットごとスポッと抜けるので10秒もかかりません。

ちなみにこのスターラチェット、現在は36Tが付いているんですが、54Tがアフターパーツとして売られています。フィーリングがだいぶ変わりそうなので交換してみたいところですが、1万5,000円以上するようです…。

チェーンは超音波洗浄機を使って洗浄。ディレーラーもできる範囲で分解しました。チェーンを手でクリクリしたときに「ジャリジャリ感」があったんですが、チェーンリング、スプロケ、プーリーを徹底的に掃除したらキレイになくなりました。

ここまでやったら…ということで動きの悪かったSPDペダルも分解してグリスアップ。ペダルもすこしジャリってたんですよね。なお、SPDペダルを分解するには専用工具「TL-PD40」が必要で、分解したら当然ながら球当たり調整を行う必要があります。

写真の11番が「TL-PD40」と呼ばれる専用工具。専用工具とはいっても数百円で買えるプラスチック製のものなんですが、プライヤーで代用しようとすると部品そのものが割れそうなのでケチらないほうがいいです。

今回初めて知ったんですが、ペダル根本に入っているラバーシール(赤矢印)は、リペアパーツ単体として出てこないんですね。これがダメになったらシャフトアッセンブリーで交換するしかありません。常に外部と接する部品でもあるので、分解するたびに変えたいぐらいなんですが。

これ、必要な人多いと思うんだけどなぁ。シマノさん、ぜひ部品単体での販売をお願いします。

シートポストを抜いて、ブレーキパッドや前後ローター、さらにはチェーンガードまで外して清掃して、そして最後にワコーズのバリアスコートをかけたら完成。見た目には何も変わりませんが、満足度は非常に高いです。

今回できる範囲でバラしてみたんですが、ダブルタップレバーのフード内、上下ヘッドベアリング、そしてプーリーやチェーンリングなどの谷の部分に砂が多かった印象でした。

今後やってみたいことといえば、前述したスターラチェットの交換と、フューチャーショックの交換。現在、ディヴァージュにはフューチャーショックの2.0が付いているんですが、新しく出たルーベSL8にはアップデートされたフューチャーショックが付いており、互換性があるとのこと。こちらはスターラチェット以上にお高そうなので、いつになるかわかりませんが…。

(栗山)