マニアの感想

いまさらマグ?

マニアの成れの果てが抱く感想としては、まぁそんなもんである。

確かに、マグネシウムフレームは、ロード界で一時期輝いていた。マグネシウム時代のドグマは、当時としては・・・・・・素晴らしい走りをした。
マグ時代最後のドグマ、初代から数えて3代目にあたるドグマFPXに試乗してその走りに感動し、その後某ショップのデッドストック品だった初代ドグマを手に入れた。結局もったいなくてほとんど乗らず、所有しただけで手放してしまったが、マグネシウムという素材はレース界でもマーケットでも存在感を確立していた。

しかしそれとて、ピナレロが自慢のオンダフォークと合わせて性能をなんとかかんとかまとめ上げていたに過ぎない。今から思えば、だが。
事実、マグネシウムの時代は一瞬だった。大径アルミ同等の剛性を持ちながら、振動の減衰が速いという独特の特性によって、「マイルドだが力強く走る」という味わいを有していたが、軽さなど分かりやすいスペックがない、空力的に洗練させにくい、加工に手間(コスト)がかかる、耐食性が低い、などの理由によって他素材を駆逐するまでには至らず、いつしか市場から消えてしまった。アルミやチタンやスチールは生き残っているが、マグネシウムはほぼ絶滅した種。終わった素材だったのだ。

そこに突然ヴァーストというアメリカのメーカーが「マグネシウムで行きまーす」である。いまさら、の印象も無理からぬことなのだ。

ドグマのデビューは2002年。マグネシウム合金のメインフレームにオンダフォーク、カーボンバックという構成で、プロレース界でも大活躍した。2度のマイナーチェンジを経験しているが(ドグマ→ドグマFP→ドグマFPX)、基本的な構造は変わらず。2009年にはカーボン化したドグマに旗艦の座を譲り、姿を消した。(画像提供/ピナレロジャパン)

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