DAY5:謎すぎる牛の生首とマッサージ体験

マルファは標高2,700m。
この日の目標は、標高800mのベニという町まで下ること。
しかし前日の夜から咳が出てきた。
ネパールはヒマラヤ以外の道は砂埃がひどく、とにかく空気が悪い。
でも呼吸がしづらくて、ついついマスクをせずに走る時間が長くなった。
そのせいで大量の砂埃を吸ってしまって咳が止まらない。
一応咳止めを飲み、マスクをしながら慎重に進むことに。

朝食を食べて早速出発。
だんだん広くなってきた川幅に沿うように走る道を、細かくアップダウンしながら下っていく。

この頃には当たり前になって感動も薄れてきた景色だけど、あらためて見るといいとこばっかり。
進む先には5,000メートルを超える山々。進むほどに近く大きくなっていく。

道はオールグラベル。
山と山の間を縫っていくように走る間、平地はほとんどない。
見た目には山が近く感じる。
視界の8割が山で埋め尽くされて、空があまり見えないような場所もあった。

標高が下がっていくほどに周囲の景色も変わってきた。
滝も川もダイナミック。
車の通りも、歩いてる人も、村の数もだんだん増えてきた。
そして車が通ると、前が見えないくらい真っ白な砂埃を巻き上げていく。

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