取材班は、どの工場でも必ず渡される作業帽を被り、いよいよ工場の中へ。マーケティンググループ・三上勇輝さんの案内で、自転車用タイヤ製造の一から十を見る。

まずは、「タイヤのイロハ」(後編)でも触れたタイヤの構造をもう一度おさらいしておく。

ロードバイク用タイヤの構造図。これはアジリストのもので、AX-Alpha cordがケーシング、TF Super Beltがブレーカー、ZSG AGILE Compoundがトレッド、下端にある細い繊維状のものがビードである。(画像提供/パナレーサー)

(1)混練り工程

タイヤの製造は、素材となるゴムを練る工程(混練りという)から始まる。
まず配合室と呼ばれる部屋で、原料となる合成ゴムや天然ゴムに、カーボンブラックやシリカ、硫黄、その他添加剤を配合する。
それらを均一に混ぜ合わせるのが、配合室の下にある巨大なローラーだ。

この大きなローラーの上に配合室があり、そこからゴムに様々な添加剤を配合した原料が落ちてくる。それをこのローラーで均一に混ぜ合わせる。(写真提供/パナレーサー)
一度ローラーを通ったら終わり、ではない。ローラーで薄く引き伸ばされたゴムは何度も繰り返しローラーに通される。ローラーの下に落ちた原料を再びローラーの上まで持ち上げるのは、なんと手作業。「端のほうにあるゴムを真ん中にしたりと、混ざり具合などを見ながら調整を行わなければならないので、人がやる必要があるんです」(以降、注釈がない限り「」内は全て三上さんの発言)。

ゴムがローラーを通るときはバチバチとすごい音がする。内部の空気が潰れる音だ。ここで均一に練られたゴムが、トレッドやケーシング、チューブなどに使われる。もちろん、アジリストのトレッド用、グラベルキングのケーシング用、Rエア用など、それぞれ専用の配合になっている。その添加剤の組み合わせがタイヤにとっての重要なレシピだ。

この配合~混練り工程を、工場では「源泉」と呼んでいる。

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