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最後に筆者の大好きな未知谷の自転車本を3冊紹介したい。左から「ツール・ド・フランス物語」(1997年、原著は1994年刊行)、「自転車チャンピオン」(2005年、原著は1959年刊行)、「俺たちはみんな神様だった」(2017年、原著は2006年刊行)。「ツール・ド〜」は当時の日本では貴重だった選手の声を多数収録。今日とのツールの違いも面白いが、ほとんど変わらないツールらしさもまた読み取れて面白い。「自転車チャンピオン」はルイゾン・ボベの自伝。ボベのことを知らなくても、若者が困難に直面しながらレースで勝ち上がっていく青春の成長記として秀逸。レース中の心情表現は、レースを走ったことのある人なら必ず共感できる。「俺たちは〜」は社会学者の目で1948年のツールを丸ごと概観するという、未知谷にしか出せないような一冊。ツールというレースの表現形態として非常に興味深く、インスピレーションの塊。(photo YUFTA OMATA)

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