久々にやっちまった気がします(笑)。
機械式シフトレバーをネタに、各コンポメーカーの個性について解説した記事(前編はこちら、後編はこちら)。グロータックの協力のもと実現したものです。

グロータックの木村さんは、取材中に何度も「こんなマニアックな内容、読者の方は面白がってくれますかね?」と心配されていました。
僕は「大丈夫です。La routeの会員の方なら絶対大丈夫」と言ってはみたものの、さすがに不安でした。ずっとやってみたかった企画なんですが、いささか暴走した気もしないでもありません。

確かに、こんなことを知ったって実利はなにもないんです。シフトが速くなるわけではないし、異性にモテるようになるわけでもない。

でも、機材に対する意識は変わります。

シマノのSTIレバーで変速をするとき、「あぁ、今このブラケットの中では複雑怪奇なラチェット機構が機械時計のように緻密に動いて、手の平のすぐ下ではメインの爪がメイン歯車と噛み合ってるんだなぁ。これがメンテフリーで壊れず動くなんて素晴らしいなぁ」と、シマノ技術陣の苦労に思いを馳せることができるようになります。

カンパのエルゴパワーの親指レバーをガチンと押し込むとき、「あぁ、今このブラケットの中では凹凸プレートの凹凸をボールプレートのボールが飛び越えてるんだなぁ。これぞ“フィーリングを設計する”というカンパの匠の技だなぁ」と感動できるようになります。

それって、機材を使って楽しむ趣味において、なかなか素敵なことだと思うんですね。
同じように思ってくださる読者の方がいてくれたなら嬉しいです。

(安井行生)