冷静と情熱の間に――。高岡亮寛の自転車人生(前編)
U23世界選手権出場者、外資系金融機関のエリートサラリーマン、「Roppongi Express」のリーダーでありツール・ド・おきなわの覇者、そしてついには東京の目黒通り沿いに「RX BIKE」のオーナーに――。傍から見れば謎に包まれた人生を送る高岡亮寛さんは、一体何を目指し、どこへ向かっていくのだろうか。青年時代から親交のあるLa routeアドバイザーの吉本 司が、彼の自転車人生に迫る。
2020.05.30
冷静と情熱の間に――。
高岡亮寛の自転車人生(後編)
U23世界選手権出場者、外資系金融機関のエリートサラリーマン、「Roppongi Express」のリーダーでありツール・ド・おきなわの覇者、そしてついには東京の目黒通り沿いに「RX BIKE」のオーナーに――。傍から見れば謎に包まれた人生を送る高岡亮寛さんは、一体何を目指し、どこへ向かっていくのだろうか。青年時代から親交のあるLa routeアドバイザーの吉本 司が、彼の自転車人生に迫る。
※前編はこちら。
公私共にこれまで多くのサイクリストと出会ってきたが、熱心に競技に取り組んできた選手はそのキャリアに終止符を打つと、そのまま自転車の世界から遠ざかることも決して少なくはない。彼らにとってペダルを踏む行為は“勝利”という自己表現の手段に他ならず、自転車に乗ることの根源的な魅力である“自らの力で移動する喜び”“風を切る喜び”“機材と一体となる喜び”といった感覚は、心の片隅なのだろう。それ故“勝利”という目標がなければ自転車と距離を置くのは必然であり、それは別に悪いことはない。人の数だけ自転車との関わり方があるのだから。
本稿の前編でも記したが、学生の頃の高岡は冷静に“自らが輝ける場”を冷静に分析して、それに向かって努力を一つひとつ積み上げることのできる、目標に対して明晰な選手といった印象を持つ。それだけに冒頭にも述べたように、卒業したらあっさりと自転車を止めても別に不思議はないと想像していた。
高岡:就職(2001年)してからというもの、自転車に乗るのは月に1回くらいでした。たまに体を動かすと気持ちいい程度で、自転車も大学時代(学連登録時)に作った三連勝のクロモリのロードバイクをそのまま乗っていました。当時はレジャーという感覚で、2002年には会社の同じフロアの人たちと「イベントに出ましょう」という感じで、お揃いのジャージも作って富士チャレ(富士チャレンジ200㎞)を走り、その勢いで「ツール・ド・おきなわ」にも参加することになって。おきなわのコースは楽しかったですね。
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U23世界選手権出場者、外資系金融機関のエリートサラリーマン、「Roppongi Express」のリーダーでありツール・ド・おきなわの覇者、そしてついには東京の目黒通り沿いに「RX BIKE」のオーナーに――。傍から見れば謎に包まれた人生を送る高岡亮寛さんは、一体何を目指し、どこへ向かっていくのだろうか。青年時代から親交のあるLa routeアドバイザーの吉本 司が、彼の自転車人生に迫る。
2020.05.30
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2020.04.24