レース撮影に必要なモトとクルマについて

「これを見れば明日からツールで仕事ができる」というものではないので悪しからず。

前回の連載で説明した通り、ツール・ド・フランスに代表されるロードレースのフォトグラファーは、大きく分けるとモーターバイクの後部座席に乗って撮影するフォトグラファーと、自分で運転する車で場所を転々として撮影するフォトグラファーに二分される。

厳密に言えば、コロナ禍でレースバブル(外界と接触しない選手や関係者のグループ)方式が進んだ2020年以降は、24時間チームにつきっきりで撮影する(チームカーに乗ったりする)チームお抱えフォトグラファーという新種も存在しているが、彼らは登録上チームスタッフなので今回の連載では触れない。

モーターバイクに乗って撮影するフォトグラファー(以下モトフォトグラファー)の数は制限されており、誰でも簡単に乗れるわけではない。ツールでは12台のモトが稼働しており、そのヒエラルキーの頂点にいるのがオーガナイザー枠とフランスのレキップ紙

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