そうだ海外に行こう。
2016年は大変だった。
2回目の人生の転機。実は1回目も女性との別れがきっかけだった。そのときは傷ついた心を癒してもらおうと、屋久島の山中へ入ったのだった。
現地で猿を食べる秘密の地区があるという貴重な情報を得て探したが、見つけることができず、代わりに鹿を食べたことを覚えている。
今回の傷心旅行はそのときから一転、南国の島でパーッと過ごそうとも考えた。
ビーサンでポタリングしてダイビングしておいしいもの食べて、あわよくばビキニ女子大生とビーチでのんびりだ!
早速、女子大生が行きそうな人気のリゾートを調べていくと、あることに気がついた。おひとりさまだと料金が高い。
ホテルやらダイビングツアーやら、何から何までひとりだと1.5倍以上の料金になる。やはり南国リゾートはカップルや友達みんなで行くところだったのだ…。
ということで仕方なく、再び山に行こうと決めた。山といえばエベレストだ。実際に自転車でエベレストに行った人はいるのだろうか。
ネットで「自転車 エベレスト」と検索しても、出てくるのは、どうやら過去にチャレンジしたアメリカ人の写真が一枚だけ。歩いて行けることは分かったが、自転車での行き方については情報がまったくない。
さらに調べて分かったのは、エベレストはヒマラヤ山脈のひとつでチベットとネパールの国境にあること。
世界一高いのはエベレストだが、同じくらい標高の高い山がヒマラヤにはごろごろあること。
首都から結構遠いこと。
標高の高さゆえ、季節や時間帯によっては気温がマイナス10度以下になること。
ここまで把握できれば十分。リサーチは終了。
あとは現地に着いてから決めよう。エベレストが見えそうなところまで自転車で行ってみよう。
早速スカイスキャナーで1番安く行けるネパール便のチケットを取り、『地球の歩き方』を握り締め、今回の傷心旅行をはじめることとした。