「地上の星」は聴こえない

フェルトやGTなどの製品を輸入・販売する代理店、ライトウェイプロダクツジャパンに、小枝指 諒こえさしりょうさんという爽やかな人がいる。
中学生でスポーツバイクに乗り始め、高校のときにバイトをしてロードバイクを購入。大学時代は自転車にキャンプ道具を積んでよく旅に出た。実家から近かったこともあり、毎週のように箱根旧道を上ったという。その経験が「人生の中で大きな要素になった」と言うほどのヒルクライム好きになった。それが高じてライトウェイプロダクツジャパンに新卒で入社したという、その中には熱いものを抱える人である。

その熱さが形になったのが、アレックスリムズ・RXD2というホイールだ。
台湾のリム・ホイールメーカー、アレックスリムズのRXD2は、小枝指さんがオファーをして生み出された、日本発案の製品なのである。
今回は、そのプロセスを記事にしようと思う。

小枝指 諒さん。新卒でライトウェイプロダクツジャパンに入社し、現在は勤続9年目。中学生のときにスポーツバイクに乗り始め、ツーリング、ヒルクライム、ロードレース、MTB、シクロクロスとスポーツバイクを幅広く楽しむ。

ただ最初に言っておくが、小枝指さんは純粋な技術者ではないため、今回の記事に、技術の力で工学的な障壁をなぎ倒しながらもの作りに邁進する……というエンジニアリング的ドラマはない。これを読んでも中島みゆきの唄は聴こえてこない。
しかし、ミドルグレードのディスクロードの走りとコストに問題意識を持ち、それを真正面から捉え、担当する海外メーカーに交渉し、その問題を解決すべく動いた人がいたこと、そしてその問題を解決できるかもしれない一つの商品が生まれたことは、事実として知っていてもいいのではないかと思うのだ。

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