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デイズ


「ビルダー対談」編集後記

対談時間は3時間以上。文字起こしをしたらトータル1万5000文字。思い切ってそれを全部載せちゃいました。もちろん発言の順番などは多少調整してますし、補足的に内容を足したりもしてますが、ほぼノーカット。これ、従来のメディアでは到底不可能な文章量です。例えば雑誌だと、ページデザインにもよりますが、1万5000文字って十数ページになってしまいます。対談を延々十数ページ続けるなんて普通なら考えられない。 それに、こういう対談に限らずですが、ライターは職業病的に原稿を「キレイにまとめようとしちゃう」ものなんです。起承転結を考えて、話を無理矢理にでも美しく着陸させようとしちゃう。例えば「彼らはこれからも、きっと素晴らしいフレームを作ってくれることだろう」とかなんとか。 でも今回はそうしませんでした。よくある「ビルダー礼賛」「モノづくり礼賛」になんかしたくなかったし、意見がぶつかってるところもマイルドに丸めたりなんかしませんでした。よく読んでいただけると分かると思いますが、実は各人の哲学が衝突して静かな火花を散らしてます。でも、その生々しい会話のそのままを掲載しました。テーマが唐突に変わったり終わったりもしてるし、分かりにくいところもあると思います。 なぜかというと、僕はこの記事を通して「何かを伝えよう」となんてしなかったから。面白い4人のビルダーに集まってもらったらこんな会話になった、その事実がそのまま残ればいい。そう思ったんです。 いかがでしたでしょうか。 (安井行生)

2020.04.24

    「タイムに願いを」編集後記

    タイムって、なぜか神格化されるメーカーですよね。それは主に編み込み&RTMという独自の製法を自社工場で行っていること、そして独得の乗り味を備えていることが理由でしょう。もちろん、流行からは一人離れてどこか超然とした雰囲気や、ハイエンド主体という潔いラインナップも一因かもしれません。 それに影響されるのは自転車ライターも一緒で、タイムの新型車となると誰もがなにか特別なモノに接するように慎重な姿勢で、かつ無条件に絶賛するのがお約束、というのが現状です。それを少しでも変えてみたくて、あえてちょっと厳しいことも書きました。 この原稿を読んだLa routeディレクターの栗山が一言。 「でもこれって、見方によっては安井さんのタイムへのラブレターですよね」。 というわけで、タイトルは「星に願いを」からアイディアをもらいました。 さて、このサイロン。結果から言うと、手放しました。やはりペダリングフィールとハンドリングが好みではなく、自転車人生における「俺の一台」にはならなかったのです。でも、サイロンのことだけを考えていた数カ月、パーツアッセンブルや乗り方などをシコシコを煮詰めていた数カ月が無駄な時間だったとはこれっぽっちも思いません。それは僕の自転車人生において、貴重な知見となったからです。 タイムというメーカーの方向性と苦悩。密かに腐敗していたジオメトリ。フォークオフセットとハンドリングの関係性。高剛性エアロロードと各種ホイールとの相性。プレスフィット系BBの構造がフレーム剛性に与える影響……などなど。BBに関しては、これがきっかけで記事を2本書きましたし。 で、サイロンを手放したことで再び得たお金がどうなったのかというと、この僕が大人しく貯金なぞできるわけもなく、再びタイムに化けてしまうのでした。アルプデュエズ21のディスク版を買ってしまったのです。 それについては、このLa routeで長期レポート的にお伝えできればいいなと思っております。 しかし、タイム、大丈夫かな……。なんとか持ちこたえて、素晴らしいフレームを作り続けて、我々を再び唸らせて欲しいものです。 (安井行生)

    2020.04.24