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「タイムに願いを」編集後記

タイムって、なぜか神格化されるメーカーですよね。それは主に編み込み&RTMという独自の製法を自社工場で行っていること、そして独得の乗り味を備えていることが理由でしょう。もちろん、流行からは一人離れてどこか超然とした雰囲気や、ハイエンド主体という潔いラインナップも一因かもしれません。 それに影響されるのは自転車ライターも一緒で、タイムの新型車となると誰もがなにか特別なモノに接するように慎重な姿勢で、かつ無条件に絶賛するのがお約束、というのが現状です。それを少しでも変えてみたくて、あえてちょっと厳しいことも書きました。 この原稿を読んだLa routeディレクターの栗山が一言。 「でもこれって、見方によっては安井さんのタイムへのラブレターですよね」。 というわけで、タイトルは「星に願いを」からアイディアをもらいました。 さて、このサイロン。結果から言うと、手放しました。やはりペダリングフィールとハンドリングが好みではなく、自転車人生における「俺の一台」にはならなかったのです。でも、サイロンのことだけを考えていた数カ月、パーツアッセンブルや乗り方などをシコシコを煮詰めていた数カ月が無駄な時間だったとはこれっぽっちも思いません。それは僕の自転車人生において、貴重な知見となったからです。 タイムというメーカーの方向性と苦悩。密かに腐敗していたジオメトリ。フォークオフセットとハンドリングの関係性。高剛性エアロロードと各種ホイールとの相性。プレスフィット系BBの構造がフレーム剛性に与える影響……などなど。BBに関しては、これがきっかけで記事を2本書きましたし。 で、サイロンを手放したことで再び得たお金がどうなったのかというと、この僕が大人しく貯金なぞできるわけもなく、再びタイムに化けてしまうのでした。アルプデュエズ21のディスク版を買ってしまったのです。 それについては、このLa routeで長期レポート的にお伝えできればいいなと思っております。 しかし、タイム、大丈夫かな……。なんとか持ちこたえて、素晴らしいフレームを作り続けて、我々を再び唸らせて欲しいものです。 (安井行生)

2020.04.24