La route初のツーリング記事(安井行生編小俣雄風太編)、いかがでしたでしょうか。
一緒に自転車旅をして、お互い何を書いているか知らぬまま原稿を書くという試みは、書き手としても楽しめました。結果、2人とも「安井の猫好き」を文章の冒頭にもってくるという、“猫被り”が発生したりもしてますが(笑)、それも含めて楽しんでいただければと思います。

さて、安井はといえば、西伊豆ツーリング前後の1週間で、連続してメカトラに見舞われておりました。

ツーリングの前々日。タイムでいつもの練習コースを走っていたとき、信号待ちでローターの左クランクのキャップが外れていることに気付きました。もちろんボルトで固定しているのでクランクがすぐに外れることはないんですが、これがないと取り付け時にBBベアリングに予圧をかけることができない。しょうがないので使ってないクランクからキャップを頂戴しました。このキャップ、単体で買うと結構しそうだなぁ。ここ結構振動で緩んじゃうんですよね。ロックタイト塗っておくべきだったか。

ツーリングの最中には、原稿には(あまりに恥ずかしいので)書きませんでしたが、しょーもない自分の整備ミスでチェーントラブルを起こしてしまいました。無事に復帰できましたが、小俣さんにしっかりと目撃されてしまうという……。「お願いだから原稿には書かないでください」と懇願しておきました。

そんな西伊豆ツーリングから帰宅した翌日。軽く脚を回しとくか、とツーリングで使ったシャマルをタイムからスーパーシックスエボに付け替えて、近所のアップダウンを走っていると、カンパ特有のジャーッという五月蠅いフリーの音が、下りでフッと消えました。
あ、フリー死んだ。
ペダルを回してみると爪はかかっているようで、なんとか走れます。祈りながら走って帰宅して、フリーを開けてみると、やっぱり爪起こし用のバネがバラバラになってました。なってましたが、長く残ってたヤツが爪を1つだけ起こしてくれて、かろうじて走って帰れたということでしょう。

これがツーリング中に起こっていたと思うとぞっとします。さすがに復帰できません。モンキーなんか持って走ってないし、フリー開けたところでスペアのバネなんか持ってない。細い輪ゴムとかで代用できたりするのかなぁ。カンパのフリーはこれがやっかいですね。こんな脆弱なバネが折れるだけで走行不能に陥ってしまう。しかもチェックしにくいし前兆も感じにくい。設計的に問題がありそうにも思えますが、安い部品なので定期的に交換すればいいんでしょう。

その2日後、La routeの撮影をしている最中、アルテグラの右シフトレバーがトラブりました。なんかの拍子にシフトレバーのタイコがズレて変なところに挟まっちまったんです。
リヤディレーラーを押さえるなど、ディレーラーのバネの張力を殺した状態でレバーの解除操作をしてしまったんでしょう。これがまたうまいこと挟まってタイコが取れない。幸いにも某ガレージにいたときだったので、あらゆる工具を駆使すること1時間、なんとかかんとか直せましたが、その間カメラマン氏と栗山を待たせてしまいました。優しい高柳カメラマンだったからよかったものの、気性が荒いカメラマンだったら怒って帰ってしまったかもしれません。

自分で言うのもなんですが、メカトラには臆病なほうで、結構小まめにチェックしているつもりなんです。事実、メカトラって今までほとんど起きてませんでした。なのにこの1週間で4回も……。
思いましたね。あぁ、これはメカトラの神様が降りてこられているんだな、と。
パンクの神様の存在は広く知られていますが、メカトラの神様はパンクの神様の上位におられる方、要するにもっとやっかいです。
ただし今回は、4回ともなんとか現場で復帰もしくは帰宅できており、どうしようもない状態に陥ることは避けられてます。落車や事故にもなっていない。どうやらお情けをかけていただいている様子。ありがたいことです。

今後も自転車道に精進しますので、そろそろ許してくださいメカトラの神様。
皆さまもお気を付けください。

(安井行生)

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