のむラボ訪問記│通過点、あるいは最終目的地
機材好き界隈ではこれほど有名なのに、メディアでの露出が一切ないショップがある。手組みホイールで有名な大阪の「のむラボ」だ。ブログでの毒舌が独り歩きしている感もあるが、店主の野村泰文さんとはどういう人なのか。そして、彼が作るホイールはぶっちゃけどうなのか。安井がのむラボを訪ね、話を聞き、のむラボホイールをオーダーし、乗ってみた。(おそらく)自転車メディア初の、のむラボ訪問記&のむラボホイール試乗記。
2021.11.01
La route、コミケに潜入する
正体不明の熱気の中で
今回で100回目を迎える世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット」、通称コミケ。メディアで「オタクの祭典」的な扱いをされることも多く、アニメ・二次元・美少女のイラスト・二次創作などのイメージがあるが、それだけではない。対象となるジャンルは無限と言いたくなるほど幅広く、その中にはもちろん「自転車」もある。人気ブログ「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人を務めるbaruさんにお誘いを受けたLa routeチームは、コミケに初潜入。自転車系サークルが集結する、いわゆる“自転車島”で、参加者の熱気を浴びてきた。
大混雑のぎゅうぎゅうの電車を想像していたのだが、意外と車内は空いており、難なく座れるほどだった。ゆりかもめに乗って台風8号と共に降り立ったのは東京ビッグサイト。
La routeでも度々執筆をお願いしているbaruさんにお誘いを受け、コミケ(コミックマーケット、世界最大の同人誌即売会)へ、スタッフ高山と一緒に初参加することになったのだ。行ってから知ったのだが、今回は記念すべき100回目だったそう。
コミケとか同人誌1世間的には「アニメ、漫画、ゲームなどを題材にしたファンアート」、いわゆる二次創作というイメージが強いが、本来は「同好の士が執筆・編集して作成する刊行物」全般を意味するものであり、ジャンルは問わない。明治時代、文豪たちが集って発行した文芸誌が同人誌の先駆けとされる。と聞くと、門外漢にとっては二次元の美少女や大人な二次創作物や過激なコスプレをイメージしてしまうが(それらも立派な日本の文化)、それだけではないことも今回初めて知った。それが“評論”と呼ばれるジャンルだ。
評論のテーマは歴史、軍事、政治、食べ物、お酒、動物、旅行、文学、音楽、スポーツ、デザイン、美術・芸術、建物、住宅、法律、医療、金融、船舶、鉄道、クルマ、オートバイ、航空機、写真、植物、科学、工学、宇宙……と、まさに多種多様千差万別種々雑多。
あまりにディープすぎて一般メディアで取り扱うのは難しい濃厚で個性的な情報が、ここに集結している。まぁ玉石混交だったりもするのだが、フォーカスエリアが狭いだけに専門誌より深く掘り下げられているものもある。
数多あるジャンルの中に、もちろん“自転車”も存在する。自転車をテーマに出展しているサークルは40ほど。今回の目的はそれら自転車系サークルだ。いざ突撃。
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機材好き界隈ではこれほど有名なのに、メディアでの露出が一切ないショップがある。手組みホイールで有名な大阪の「のむラボ」だ。ブログでの毒舌が独り歩きしている感もあるが、店主の野村泰文さんとはどういう人なのか。そして、彼が作るホイールはぶっちゃけどうなのか。安井がのむラボを訪ね、話を聞き、のむラボホイールをオーダーし、乗ってみた。(おそらく)自転車メディア初の、のむラボ訪問記&のむラボホイール試乗記。
2021.11.01
日本最南端の佐多岬から、最北端の宗谷岬まで。総距離2,700km、獲得標高約23,000mを一気に走り切る日本縦断ブルべ。それに人生をかけて挑戦した一人の男がいた。とあるイベントでパールイズミの激坂ジャージを着ていたがために“激坂さん”と呼ばれることになった、一人息子と妻と自転車と山を愛するその男は、なぜこのウルトラブルべを走ろうと思ったのか。国内最速でも、ギネス挑戦でもない、普通の自転車乗りによる日本縦断ブルべ参戦記。Vol.1は、参戦を決めた理由と、本番までの苦悩と苦労を綴る。直前になって頻発するトラブル。激坂さん、身を挺してまでネタを作らなくてもよかったんですが……。
2022.08.01
コンポーネントやハンドルやシートポストなどのパーツをフレームに固定しているのは、全て小さなボルトである。自転車はボルトによって組み立てられているのだ。しかしある日、はたと気付く。自転車に欠かせないボルトについて、僕らはなにも知らない。素材は? 強度は? 締め付けトルクは? 作り方は? チタンボルトに交換する意味は? 自転車用チタンボルトでも有名な興津螺旋でその全てを聞いてきた。自転車を自転車たらしめる縁の下の力持ち、ボルトに焦点を当てる。
2020.12.07
自転車にまつわる様々な物事を深掘りする連載「La route自転車研究所」。第二回のテーマは「コンポメーカーの設計思想」。グロータックの木村将行さんと杉山健司さんに協力していただき、カンパニョーロ、シマノ、スラムという3社の機械式シフトレバーの設計を徹底分析。なぜカンパだけ多段シフトが可能なのか。シマノが目指す理想の変速機とは。スラムはなぜここまで軽くできたのか――。性能や使い心地、スペックの違いの理由を探る。
2021.03.22
水中プラズマにより金属表面に微細構造を有するセラミックス結晶性皮膜を形成し……。ダイヤモンドと黒鉛の物性を併せ持つ非晶質の硬質炭素膜を各種基材表面に被せ……。まったく表面処理ほど分かりにくい技術もない。なにせミクロンレベルの世界。目に見える違いは色や質感のみであり、構造を視覚的に理解できないからだ。La route自転車研究所では、そんな自転車乗りにとって身近ながらも遠い存在の「表面処理」を理解するため、独自のめっき技術を有する千代田第一工業に話を聞いた。アルマイトって、金属の表面に六角柱がニョキニョキ生えてくるんですよ。知ってました?
2021.04.26
自転車にまつわる様々な物事を深掘りする連載「La route自転車研究所」。第四回のテーマは「タイヤ」だ。加速、旋回、制動、自転車の全ての運動を司るタイヤ。チューブレス化とワイド化が急激に進み、激動の真っただ中にあるタイヤ。「なぜ自転車は曲がるのか」「グリップ“感”とは何か」「転がり抵抗とは」「ロードインフォメーションとは」―― そんな素朴な疑問に今、改めて真正面からぶつかってみる。取材先は、アジリストとグラベルキングで話題沸騰のパナレーサー。兵庫県丹波市にある本社に訪問し、技術部技術開発グループ久利隆治さん、佐藤優人さん、マーケティンググループ高橋 諭さん、三上勇輝さんの4名に4時間にわたってお話を伺った。
2022.06.13
「Zwifter」という言葉が出てくるほど、ズイフトが盛況だ。しかし、La route編集長の安井はインドアサイクリングには全く興味がない、根っからの実走派。なおかつ、バーチャルサイクリングという存在そのものにも懐疑的である。しかし、食わず嫌いはよくない。聞きたいこともたくさんある。各メディアで大々的に特集が組まれ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのズイフトの本質は一体どこにあるのだろうか? 本企画では、ズイフトジャパンのスタッフのインタビューとともに、実際にズイフトを体験した安井のレポートをお届けする。
2022.02.14
1982年にデビューした日本初の量産マウンテンバイク、アラヤ・マディフォックス。それはいかにして生まれ、どのように進化したのか。それはなぜ歴史的な一台となり、そしてなぜ(一度は)姿を消したのか。40年近くアラヤに在籍し、マディフォックスの誕生から現在までを知り尽くした男、内藤常美によるマディフォックス物語。日本のマウンテンバイク黎明期の知られざるストーリーを連載でお届けする。Vol.1は、初代マディフォックスの開発~発売までのエピソード。
2021.05.31