(前編はこちら

ことの始まり

2023年8月、仕事でマンチェスターに行くことになった。マンチェスターはすでに何回か訪問したことがあり、中内にとってもイギリスの中で好きな都市の一つ。今回も行くのを楽しみにしていた。ただマンチェスターから西に60kmのリバプールにはまだ一度も行ったことが無かったのである。リバプールといえば、サッカーにビートルズ、タイタニックで有名な街だ。観光もしたいし自転車も乗りたい。あ、それなら自転車でロンドンに帰ればいいじゃん。距離は390km。これまでのライド最長距離を更新できそうだしいいかもいいかも。

中内は計画が苦手だ。サイクリングの計画はいつもこんな感じ。自己最長距離更新のサイクリングトリップはこうして出発前日に決まったのである。

ワーホリサイクリスト中内から、ただのサイクリストになった中内 陸、26歳。ロンドン編の連載も本稿が正真正銘最後となる。なお現在は日本に帰国中で、どうやら四国の方で暮らしているらしい。さらに今年中に再び日本からの脱出を企てているとかなんとか。

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日本最南端の佐多岬から、最北端の宗谷岬まで。総距離2,700km、獲得標高約23,000mを一気に走り切る日本縦断ブルべ。それに人生をかけて挑戦した一人の男がいた。とあるイベントでパールイズミの激坂ジャージを着ていたがために“激坂さん”と呼ばれることになった、一人息子と妻と自転車と山を愛するその男は、なぜこのウルトラブルべを走ろうと思ったのか。国内最速でも、ギネス挑戦でもない、普通の自転車乗りによる日本縦断ブルべ参戦記。Vol.1は、参戦を決めた理由と、本番までの苦悩と苦労を綴る。直前になって頻発するトラブル。激坂さん、身を挺してまでネタを作らなくてもよかったんですが……。

2022.08.01

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川口真平のセンチメンタルジャーニー(Vol.1)|僕がヒマラヤへ向かった理由

突如「メキシコを自転車で旅したい!」と思い立ち、ブルーラグでバイクをオーダーしたことをきっかけに、いきなり東京〜富士山ライドを敢行したり、過酷なことで知られるラファジェントルマンレースに嬉々として参加したり。あっという間に自転車沼にハマった生粋の自転車遊び人、川口真平。ただ2017年冬のツーリングだけは、彼を人生のどん底に突き落とした「傷心」がきっかけだった。マウンテンバイクをかつぎ、救いを求めるように向かった先はヒマラヤ山脈。そんな行き当たりばったりで過酷な9日間の自転車旅を、彼がスマホで記録した写真の数々と日記で振り返っていく。渡航のハードルは緩和されてきたものの、気軽に海外ライドとは行きにくいこのご時世。彼のマイペースかつリアルな言葉を通じて、異国の旅を追体験してもらえれば幸いだ。第1回はこの旅のきっかけとなるプロローグと、ヒマラヤ入山に備えるネパールでの最初の2日間の模様をお届けする。

2022.11.28

touring

La route栗山の環島ツアー参加レポート|夢の付き人

サイクリストなら、環島(ホァンダオ)という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。環島とは徒歩含む何らかの移動手段で台湾を一周することだが、サイクリストにとってのそれは、自転車での台湾一周を意味する。3月上旬。プロデューサーの栗山晃靖が、ふとしたきっかけで環島自転車ツアーに参加することになった。1日100kmを9日間連続で走るライドは彼にとって未知の領域。そもそもなぜ台湾を自転車で一周することになったのだろうか。果たして無事完走することはできるのだろうか。環島自転車ツアーに参加した栗山の9日に渡るレポートをお届けする。

2023.05.15

column

自転車のプリミティブに触れたPBPの3日間|1,200kmの向こう側にあるもの

ツール・ド・フランスよりもさらに昔、1891年に長距離ロードレースとしてはじまった「パリ~ブレスト~パリ」は、いまや世界最高峰のブルベとして世界中のサイクリストを魅了しており、今年度は7,000人弱ものサイクリストがスタート地点のパリに集った。2019年大会ではサポートクルーの一員としてPBPに帯同したというジャーナリストの小俣雄風太が、2023年大会はクルマで移動しながら現地取材を敢行。ジャーナリストとして、そしていちサイクリストとして見たPBPの現地の様子を綴る。

2023.09.25

touring

男ふたり、西伊豆へ(安井行生編)

年齢も、生まれた場所も、自転車との付き合いかたも、文章のテイストも異なる、安井行生と小俣雄風太。ほぼ赤の他人と言ってもいい彼らの共通言語は「自転車が好き」、ただそれだけだ。彼らが向かった先は、西伊豆。小俣と安井がそれぞれの視点で、それぞれが感じたことをお届けする、極私的なふたりぼっちのツーリング記。

2021.05.10

touring

男ふたり、西伊豆へ(小俣雄風太編)

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2021.05.10

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CATEYE VOLT800 NEO開発ストーリー(前編)|自転車用ライトに求められるもの

Twitterでトレンド入りするほど話題となったキャットアイの新型ライト、VOLT800 NEO。名作と言われた前作VOLT800の価格はそのままに、「日本のユーザーが求めている性能」をきっちりと織り込んで進化させた“NEO”は、いかにして企画され、開発されたのか。キャットアイへのインタビューを通して、VOLT800 NEO開発の背景を紐解く。書き手は自転車用ライトに関して膨大な知見を有する「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人、baru(ばる)さんだ。前編ではキャットアイの技術者に「自転車用ライトの基本」を聞く。

2023.04.03

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S-WORKS MONDO 2BLISS READY|タイヤが走らせてくれた1,000km

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2023.11.08

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2004年、イギリスで誕生した「ラファ」。多くの人にとってラファはサイクルウェアブランドの1つというイメージが強いかもしれないが、それはラファがもつ表層の一部でしかない。ではラファとは、いったい何なのか。ラファが日本国内の自転車文化にもたらしたものは、いったい何だったのか。2021年に創業者であるサイモン・モットラム氏がCEOから退任し、そして矢野大介氏がラファジャパンの代表から退いたこのタイミングで、改めてラファというブランドの足跡と本質を探ってみたい。

2022.11.14

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2023.09.18

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台湾KOMチャレンジ参戦記|海抜0mから標高3,275mの世界へ

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2023.11.27

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「東京⇔大阪キャノンボール研究」管理人 baruさんに聞く|24時間で駆け抜ける、東京〜大阪520km

東京から大阪、その距離およそ520km。通常なら3〜4日かけてのぞむようなロングライドだ。しかし自らに24時間というタイムリミットを課し、出発日時をネット上で宣言した瞬間、520kmの移動は“ツーリング”から“キャノンボール”へと意味を変質させる。多くのサイクリストにとって未知の領域であるこのキャノンボールについて、ウェブサイト「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人にして、過去に2度のキャノンボール成功を達成している「baru(ばる)」さんにインタビュー。サイクリストを惹きつけるキャノンボールの魅力から、明快な論理で導き出される攻略法に至るまで、じっくり教えてもらった。

2022.01.31