ポリウレタンチューブの可能性
まずはお詫びを。前編をアップした数日後に後編を公開しようと思っていたのですが、梅雨でほとんど乗れず。今回はチューブのインプレなので、転がり抵抗が変わるウェット状態だと正確な比較ができない。ドライになるタイミングを探っていたら、前編から公開が1週間後になってしまいました。すいません。
チューボリートとレボループ。もちろん各所で話題になっており、メディアやブログで多数紹介されています。検索するとインプレも使用レポートもたくさんヒットします。
でも、ジャーナリスト視点で書かれた文章はどこにもなかった。なので、前編ではタイヤ業界にいる技術者の知識を借り、ポリウレタンチューブを俯瞰する文章を書きました。プロの視点が入るとやはり違います。
「チューボリートとレボループが主張するように、重量が半分以下になって耐パンク性も上がってエア抜けも問題ないなら、なぜ今までポリウレタンチューブが主流にならなかったのか?」という僕の疑問が、2人のおかげですっかり氷解しました。面白がって色々と教えてくれた2人には感謝します。
しかしパナレーサーが86年にポリウレタンチューブを作ってたなんて知りませんでした。記事内では当時の広告を掲載していますが、これはかなり貴重な資料だと思いますよ。検索してもほとんど出てこないので。
後編ではもちろんインプレをやったわけですが、いやーこれが難儀しました。ホイールやフレームのように、パッと乗り換えることができないからです。1本のチューブに乗り終えたら、ホイールを外し、空気を抜き、タイヤとチューブを外し、新しいチューブを入れ、青筋立てながらタイヤをはめ、ゼエゼエ言いながら空気を入れ、エアゲージで空気圧を確認し、ホイールをはめる……という一連の作業が必要になります。
そうなると試乗と試乗の間隔が空くので、直前に乗ったチューブの印象が薄れてしまい、正確な試乗をするのに手間取ったんです。一日かけてなんとか比較試乗を終えることができました。
後編でも色んな欠点を指摘していますが、でも走り自体はものすごくよかった。23gは伊達じゃない。繋ぎ目やバルブ部の弱点が改善されれば、これほど費用対効果の大きいパーツはないかもしれません。
どうしても持っても走っても重くなりがちなディスクロード。100万以上出せばそりゃ軽くて速い一台が買えますが、たいていの人はそんなもの買えない。僕を含め、多くの人は、ミドルグレードのディスクロード買って、やっぱちょっと重いかなぁなんて思いながら楽しんでる(推測ですけど)。
20g強のチューボリートとレボループは、そんなディスクロードの走りを激変させる可能性を秘めている製品です。あくまで、秘めているという段階ですが。今後の進化を期待します。
(安井行生)
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