読者のみなさん、改めてあけましておめでとうございます。

La route新年一発目の記事は、「スポーツ自転車ショップのこれから」をテーマにした座談会を前編後編に分けてお届けしました。

かつて行った「ビルダー4名が語る、金属フレームのこれから」や「自転車メディアは死んだのか」もそうですが、この手の企画って、好き嫌い…いや賛否が分かれるんです。基本的には「参加メンバーの本音が聞けてすごく面白かった」「こういう記事をLa routeでもっとやってほしい」という肯定していただける意見が多いものの、「業界の内輪話では?」「これを読んで誰が得するんですか?」という声も一定数あるんです。

でも、自転車ではない他のメディアを見渡すと……

「日本でなぜITイノベーションは起こらないのか」
「製造業におけるAIの可能性」
「音楽ビジネスの新しい形とは」
「ファッション業界を覆すECという黒船」
※上記4つは僕が想像してつけたタイトルなので実在するわけではありません。

など、業界がどうあるべきか、これからどこに向かっていくべきなのかといった、建設的な議論があちこちでなされているんですね(一部そうではないものもありますが)。

この手のコンテンツに通じるもの。それは「この業界をもっとよくしたい」というマインドです。ショップ座談会記事も、ショップの裏側を暴きたいとかどこかの誰かをディスってケンカするつもりなんてこれっぽっちもなく、この業界がどうやったらもっと良くなるのだろうかとの想いから。だから、自転車業界ももっとこういう本音の議論をするべきだと思うし、こういう議論する場を提供するのも、現代におけるメディアの役割のひとつではないかと考えています。

メディアとして発信する側としては、ただの愚痴や罵詈雑言になってしまったらそもそも記事にする価値はないですし、エンターテイメントとしても成立させなければいけないので、内心ヒヤヒヤではあるんですけどね。

今回の記事が面白いかったかどうかは、読者の皆さんの判断におまかせしますが、僕ら含めた多くのサイクリストがこの記事を通してそういったもろもろを「じぶんごと」にすることで、自転車業界の未来が今よりもっと明るくなり、「自転車文化」が根付く一助になればいいなーと思っています。

(栗山晃靖)

座談会