column
自転車のプリミティブに触れたPBPの3日間|1,200kmの向こう側にあるもの
ツール・ド・フランスよりもさらに昔、1891年に長距離ロードレースとしてはじまった「パリ~ブレスト~パリ」は、いまや世界最高峰のブルベとして世界中のサイクリストを魅了しており、今年度は7,000人弱ものサイクリストがスタート地点のパリに集った。2019年大会ではサポートクルーの一員としてPBPに帯同したというジャーナリストの小俣雄風太が、2023年大会はクルマで移動しながら現地取材を敢行。ジャーナリストとして、そしていちサイクリストとして見たPBPの現地の様子を綴る。
2023.09.25
column
小俣雄風太のTDF現地取材レポート|Le Tour Ensemble 2023
世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」。2023年も選手、機材メーカー、メディア、観客、そしてオーガナイザーまでをも飲み込みながらプロトンは突き進み、そして数々の物語を生み出した。La routeでは昨年好評だった、ジャーナリスト小俣雄風太のツール現地取材日記「Le Tour Ensemble」を1か月に渡ってお届けする。中継には写らない現地の空気感を、世界最高峰のレース取材の裏側を、そして小俣雄風太が見て、聞いて、感じたツール・ド・フランスをぜひご覧いただきたい。
2023.08.02
touring
“激坂さん”の日本縦断ブルべ参戦記(Vol.1)|ランドヌールは北を目指す
日本最南端の佐多岬から、最北端の宗谷岬まで。総距離2,700km、獲得標高約23,000mを一気に走り切る日本縦断ブルべ。それに人生をかけて挑戦した一人の男がいた。とあるイベントでパールイズミの激坂ジャージを着ていたがために“激坂さん”と呼ばれることになった、一人息子と妻と自転車と山を愛するその男は、なぜこのウルトラブルべを走ろうと思ったのか。国内最速でも、ギネス挑戦でもない、普通の自転車乗りによる日本縦断ブルべ参戦記。Vol.1は、参戦を決めた理由と、本番までの苦悩と苦労を綴る。直前になって頻発するトラブル。激坂さん、身を挺してまでネタを作らなくてもよかったんですが……。
2022.08.01
interview
「東京⇔大阪キャノンボール研究」管理人 baruさんに聞く|24時間で駆け抜ける、東京〜大阪520km
東京から大阪、その距離およそ520km。通常なら3〜4日かけてのぞむようなロングライドだ。しかし自らに24時間というタイムリミットを課し、出発日時をネット上で宣言した瞬間、520kmの移動は“ツーリング”から“キャノンボール”へと意味を変質させる。多くのサイクリストにとって未知の領域であるこのキャノンボールについて、ウェブサイト「東京⇔大阪キャノンボール研究」の管理人にして、過去に2度のキャノンボール成功を達成している「baru(ばる)」さんにインタビュー。サイクリストを惹きつけるキャノンボールの魅力から、明快な論理で導き出される攻略法に至るまで、じっくり教えてもらった。
2022.01.31
column
特別寄稿|僕たちがみた、別府史之
3大グランツールや、モニュメントと呼ばれる格式の高い5つのワンデーレースの完走、北京とロンドンオリンピック、そして世界選手権に至っては8度もの出場を重ねるなど、自転車ロードレースのトップシーンで活躍してきた別府史之。そんな彼が2021年11月6日、17年にも及ぶプロ選手のキャリアにピリオドを打つことを発表した。「僕たちが見た、別府史之」では、彼をよく知る人物からのメッセージを通じて、これまでの別府史之の軌跡を辿り、これからの別府史之にエールを送りたい。
2021.11.23
column
Imagine a cycling world without Rapha| 苦痛の先に今も栄光はあるか
2004年、イギリスで誕生した「ラファ」。多くの人にとってラファはサイクルウェアブランドの1つというイメージが強いかもしれないが、それはラファがもつ表層の一部でしかない。ではラファとは、いったい何なのか。ラファが日本国内の自転車文化にもたらしたものは、いったい何だったのか。2021年に創業者であるサイモン・モットラム氏がCEOから退任し、そして矢野大介氏がラファジャパンの代表から退いたこのタイミングで、改めてラファというブランドの足跡と本質を探ってみたい。
2022.11.14
touring
フラットペダルでいく紀伊半島自転車旅|日常と非日常の境界線
サイクリストが100人いれば、100通りの自転車旅がある。今回、自転車ジャーナリストの小俣雄風太が旅したのは、昨今自転車ツーリズムに注力している和歌山県の紀伊半島。旅の相棒に選んだのは、キャリアとフラットペダルを組み付けたクロモリフレームのdoppoだ。レース解説者であり自身もロードバイクでスピードに興じることが好きだという彼が、紀伊半島で見て、感じ、そこで得た気付きとはどんなものだったのだろうか。
2023.05.03
touring
奥鬼怒グラベルツアー参加レポート|山の奥の、そのまたむこう
「東京の奥座敷」と呼ばれる栃木県日光市の鬼怒川温泉。そこからさらに山深く入った場所にある奥鬼怒温泉は、鬼怒川の源流域にあたる。そこへ行くルートは未舗装路の奥鬼怒スーパー林道しかなく、しかも普段は自転車を含めた車両の通行が禁止されている。そんな「関東最後の秘湯」へグラベルロードで行くモニターツアーが開催され、安井行生が参加。山奥のグラベルは未経験だという安井は、“本当のグラベル遊び”を経験し、何を想ったか。
2022.12.07
column
路上の囚人たち(Vol.01)
社会派ジャーナリスト、アルベール・ロンドル(1884―1932)。生前、精神病患者の悲惨な境遇、黒人奴隷売買の実態、南米のフランス人女性売春などをルポルタージュし、社会に大きな反響を巻き起こすとともに社会改革のきっかけをつくり、後世のジャーナリストに影響を与え続けた人物である。そんな彼が、1924年にあるテーマについて取材を行った。読者の皆さんもご存知の「ツール・ド・フランス」である。自転車競技についてまったくの素人である彼に、フランス全土を熱狂させていたこのスポーツイベントは一体どう映ったのだろうか――。アルベール・ロンドルが1924年6月22日~7月20日までの全行程5425kmの大会期間中に『ル・プチ・パリジャン』紙に寄稿したルポルタージュを、スポーツライターであり自身もフランス在住経験もある小俣雄風太の翻訳でお届けする。
2020.08.17
touring
ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記(Vol.02)|パンクの神と拾う神
中内 陸、25歳。2022年3月からワーキングホリデー制度を活用し、愛車とともにイギリス・ロンドンで生活している。「ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記」では、そんな中内 陸が見て、感じた、イギリスの自転車事情を綴っていく。第2回目は、仕事のついで(?)に行ったウェールズからロンドンまでの270kmロングライドレポート。暗闇と寒さの中、果たして彼は無事にロンドンに辿り着いたのだろうか…?
2023.01.23
touring
ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記|脱水症状になる前に
中内 陸、25歳。専門学校卒業後に日本の大手旅行会社に就職し順風満帆の社会人生活がはじまった。しかしコロナ禍で会社が大打撃をうけたことをきっかけに、ワーキングホリデー制度を活用し、2022年3月から愛車とともにイギリス・ロンドンでの生活をスタートさせることに。「ワーホリサイクリスト中内のロンドン自転車日記」では、そんな中内 陸が見て、感じた、イギリスの自転車事情を彼自身のリアルな目線で綴っていく。第1回目はイギリスに暮らし始めて初となるロングライドレポートをお届けする。ロンドナーの定番コース「ロンドン→ブライトン」を走った理由は、「水分補給」にあった。
2022.12.02
column
明日もまた、カレドニアで
La routeでもおなじみの書き手であり、編集者であり、実況リポーターでもある小俣雄風太氏が自転車を買ったらしい。「モダン・ロードバイク」を掲げるサーヴェロ・カレドニア-5である。エアロ、軽量、ファンライドといろんな要素をクロスオーバーさせたカレドニアは、ともすれば中途半端な存在にもなりかねないが、なぜ小俣氏はそんなカレドニアに引き寄せられたのか。カレドニア購入にまつわる小俣雄風太の極私的な購入&試乗ストーリー。
2021.10.15
interview
カレドニアにまつわるエトセトラ(前編)
サイクルフォトグラファーの辻 啓と編集ライターの小俣雄風太。旧知の仲でもある二人だが、申し合わせるでもなく同じタイミングで、しかも同じカラーのバイクを購入するという偶然が起きた。バイクは舗装路から未舗装路まで幅広い走行シーンを想定した、サーヴェロのカレドニアー5。小俣氏に関してはLa routeでも購入記を綴ってもらったが、それにしてもなぜ2人は同じバイクを買ったのか?
共に「J SPORTS」や「GCN」で海外ロードレースの実況解説を担う両名が、いま海外で起きているレーストレンドを踏まえつつ、自分の理想のライドやカレドニアというバイクの魅力、ひいてはそれぞれのロードバイク観について行った対談を、前編と後編に分けてお届けする。
2022.04.04
column
Le Tour ensemble(Vol.01)|14年ぶりの再会
ツール・ド・フランスの熱い夏がはじまった。選手、機材メーカー、スポンサー、オーガーナイザー、メディア、観客——。今年もそうしたすべてを飲み込み、プロトンは進んでいく。「Le Tour ensemble」では、14年ぶりに現地に赴いたジャーナリストの小俣雄風太による、ツール・ド・フランスのリアルな現地レポートを複数回にわけてお届けする。記念すべき第1回は、ツール取材を思い立ったきっかけ、そして7月4日から石畳ステージとなった7月6日までの模様を現地からレポートする。
2022.07.07
interview
日本のオフロードを考える(Vol.4)|NCMTの魅力と課題と可能性
日本のオフロードシーンにメスを入れるべく始まった連載企画「日本のオフロードを考える」。Vol.3では日本の国立公園初となるパブリックトレイル、「のりくらコミュニティマウンテンバイクトレイルズ」(NCMT)の誕生秘話をお伝えしたが、Vol.4では安井行生によるNCMTの実走レポートと、NCMTの誕生に尽力したキーマン、山口 謙氏のインタビューをお届けする。NCMTの本格運用から早数か月。乗鞍高原の自然を活かしたコースを走って、キーマンに話を聞いたからこそ見えてきた、NCMTと日本のMTBシーンの課題とは。
2022.11.21
touring
乗鞍を再発見する私的自転車小旅行|冷泉小屋での白昼夢
岐阜県と長野県の県境にある乗鞍。登山、スキー、温泉などの山岳観光地として知られるが、自転車乗りにとっては「ヒルクライムの聖地」である。1986年からはヒルクライム大会が開催され、多くのクライマーが頂上に向けてペダルを踏む。そんな乗鞍の中腹にぽつんと建っている古ぼけた山小屋、冷泉小屋。16年間閉鎖されていたが、今年リニューアルし営業を再開した。かつてはタイムを縮めるために毎年通っていた安井行生が、数年ぶりに乗鞍を訪れ、冷泉小屋に宿泊。かつての安井にとっては“力試しの場”でしかなかった乗鞍は、今、彼に何を語るのか。
2022.10.03
touring
男ふたり、西伊豆へ(安井行生編)
年齢も、生まれた場所も、自転車との付き合いかたも、文章のテイストも異なる、安井行生と小俣雄風太。ほぼ赤の他人と言ってもいい彼らの共通言語は「自転車が好き」、ただそれだけだ。彼らが向かった先は、西伊豆。小俣と安井がそれぞれの視点で、それぞれが感じたことをお届けする、極私的なふたりぼっちのツーリング記。
2021.05.10
touring
男ふたり、西伊豆へ(小俣雄風太編)
年齢も、生まれた場所も、自転車との付き合いかたも文章のテイストも異なる、安井行生と小俣雄風太。ほぼ赤の他人と言ってもいい彼らの共通言語は「自転車が好き」、ただそれだけだ。彼らが向かった先は、西伊豆。小俣と安井がそれぞれの視点で、それぞれが感じたことをお届けする、極私的なふたりぼっちのツーリング記。
2021.05.10
interview
equipt sardine購入記│怒りと、志と、イワシ
青い自転車用携帯工具がSNSのタイムラインに頻繁に流れてくる。サーディンという名のその携帯工具は、従来のそれとは全く違う形をしていた。作ったのは、日本でマニアックな自転車関連部品の輸入を行う代理店の中の人らしい。ならばと1つ買ってみた。ついでに作った本人に話を聞いてみた。その使い勝手は。7,400円という価格なりの価値はあるのか。安井の携帯工具嫌いは治るのか。
2023.02.08